日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

MARUZEN & ジュンク堂書店梅田店の在庫にない本

2011-02-18 20:38:45 | 読書
今日の朝日朝刊経済面に米国で約670店を抱える書店チェーン第2位のボーダーズ・グループが16日に倒産したとの記事があった。


ピークの2005年には1200店を超えていたが、米アマゾンのネット販売が広がるのと軌を一にして売上高が下降線をたどり、07年度にはボーダーズの売上高とアマゾンの北米での書籍などの販売額が逆転し、06年度からは赤字が続いていたそうである。

このニュースに、一昨日、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店で感じたあることを思いだした。この店舗は地下1階から7階までのフロアを占めるが、レジカウンターがあるのは1階だけである。すべての買い物客がこのカウンター前に一列で順番に並び、窓口が空くとそこに赴き、精算を済ませることになるのだが、私が並んだときの行列はせいぜい数人であった。窓口は5カ所以上あったせいか待ち行列の動きが早く、行列もほとんどないような状態でた。開店当日の賑わいとは大違いで、全館の買い物客がたったこれだけで果たして商売が成り立つのだろうかと気になったのである。そこでちょっとこんな計算をしてみた。

私が精算を済ませたのは午後3時半頃であったが、待ち行列から大体30秒間隔で一人の客が空いた窓口に向かっていたように思う。これを平均値とすると1分間に2人で1時間に120人。午前10時の開店から午後10時の閉店までに1440人となる。もし1人平均3000円買ったとすると、1日の売上高が432万円になる。年間営業日が360日なら総売上高は15億円強となる。一方(株)ジュンク堂書店の売上高推移を見ると、2008年が406億円、2009年が422億円、2010年が446億円と順調に増加しており慶賀にたえないが、全国にジュンク堂書店が30店舗以上あるとしても、旗艦店であるこの店の年間売り上げは15億円とは淋しい。もっと上回って欲しい気がする。もちろん店側には正確なデータがあるわけだから、ご心配ご無用と言われることを期待しよう。

私のような昔人間は、本はやはり本屋で手に取ってみるものなのである。ネット販売がいくら便利になっても自分の目で内容も確かめ納得のうえ買いたいものである。ところがこのMARUZEN & ジュンク堂書店梅田店で、ちょっとどうかと思うことがあった。本日開店 MARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店へお出かけに書いたことであるが、この開店日に私は平凡社が発行したばかりの東洋文庫「訓民正音」を購入しようとした。ところが売り場にはなかったので店員さんに聞いたところ調べてくれて、「開店準備に取り紛れてまだ入荷していない」との返事が戻ってきた。ところが開店後50日以上経った一昨日もこの本が見当たらない。検索したところ、次のようなメッセージが返ってきた。


ここにもあるように昨年11月に発行された本である。しかも東洋文庫と言えば学術的ににも評価の高い作品を刊行していることでよく知られており、私に言わせると決してマイナーのものではない。それなのに新刊書が棚にも在庫にもないのには失望してしまった。取り寄せを依頼するよりは直接ネットで注文するほうが手っ取り早いので、帰宅早々アマゾンに発注した。ネット購入では確かに本を手にとって見ることが出来ない。しかし今やネット上でも目次とか最初の何ページかは閲覧可能である。これが訓民正音のページである。これを見たものだから私は即注文してしまったという次第である。

このMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店は、「在庫数200万冊という品ぞろえは、これ以上広ければ陳列する本がないという規模の売り場面積です。日本中の出版社に出品を依頼して、この店に置いていなければ出版社にも在庫がないという品ぞろえを目指しました」をうたい文句にしているが、今は道半ばである。その実現にぜひ一層の努力を傾けて、今はせめて月に一度は神戸から訪れたいと思っているその回数を、もっと増やしたくなるような気分にさせて欲しいものである。


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