日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

年のはじめのためしとて

2007-01-05 11:17:49 | 音楽・美術
門松も注連飾りもないわが家の新年は、NHKニューイヤーオペラコンサートで明ける。現役時代は毎年3日の夕方に神戸の家を出て、この番組が始まるまでに京都に戻り、二三日留守にしただけで冷え切った部屋に暖房を入れ、テレビの電源を入れてこの番組が始まると新年の始まりを実感したものだ。その習性がいまだに尾を引いているのだろう。

今年はこの番組が始まって50周年記念で、それに合わせてか、デビューして50年になる私と同じ年ぐらいのフィオレンツァ・コッソットがゲスト出演して二曲歌った。なかなかりっぱな歌いぶりなので嬉しくなった。現役なのである。日頃の精進に素直に頭が下がった。

音楽の世界はゴシップが盛り上げる。毎年、出場者がどのように決まるのか、その裏話などを同時に紹介すれば、背筋がゾクゾクするほど楽しくなること疑い無しである。去年まで出ていた人がなぜ今年はでなかったのだろう。あの人は一回出たきりで終わったけれど、なぜなのだろう。今年はNHKからの論功行賞で出演している歌手が見あたらなかったけれど、ひょっとしてどこからかイチャモンがついたのだろうか、とか。

オペラの筋なんて説明はいらない。知っている人は聞く必要がないし、知らない人はちょろっと聞いたぐらいで分るはずがない。そんな無意味なことで時間を潰すよりはゴシップ!である。そして歌手には業の極みを披露してもらえればそれで十分だ。

ニューイヤーオペラコンサート初登場でいきなりの取りがメゾソプラノの藤村実穂子さん、「恋は野の鳥」を堪能させてくれた。おもにヨーロッパの舞台で活躍とのことであるが、このようなイベントでもなければ、普通のオペラ好きの耳に名前の届いてこないのが残念である。そうかと云って日本で活躍していただくには、あまりにも舞台が狭すぎる。それを思うと、それでもオペラに身を捧げている舞台上の歌手の方々が、殉教者のように見えてきて、ちょっとしんみりとした。

私はかねがね東京の人が羨ましかった。オペラ好きにはこたえられないこの舞台を、抽選に当たればタダで観られるなんて、と思っていたからだ。ところが今回、この催しが有料であることを知ってこれまた驚いた。紅白歌合戦は抽選で入場者を決めているのに、なぜこちらは有料なのだろう。わけがわからない。

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