日経今日の夕刊に出ていた記事である。自衛艦と言っても軍艦のようなものだから、戦闘中の砲撃やミサイル攻撃、さらには爆弾を落とされて火災が発生することもあるだろう。そういう意味では軍艦に火災はつきものなのである。今回は幸い戦闘ではく電気系統の火災であったようだが、火災には変わりない。火災が発生するのは仕方がないとして、その後が悪い。
火災が発生して自衛官が消火しようとしても火が収まらないので、賢明なのかどうか119番、すなわち消防署に電話をかけたというのだ。やって来たのが消防車か消防艇なのか分からないが、私はちょっと考え込んでしまった。燃料補給とかでインド洋に自衛艦が出動したいらしいが、もしインド洋上で火災が発生してもやっぱり119番をかけるのだろうか。
自衛艦は通常の船舶ではない。望むと望まざるに係わらず砲火を交えることを前提に艦が設計されているはずだ。当然火災発生時の消火システムも備えられていると素人でも思うではないか。戦闘中に119番をかけられても消防車はもちろん消防艇でも駆けつけるわけにはいかないではないか。自力消火すらできないのに自衛艦とはこれいかに、である。
それよりなにより、ミサイルや機関砲などの射撃管制を行う最重要区画の火災が、119番で消火の応援を求めたのに鎮火まで8時間もかかったと言うような情けないことを、マスメディアが全世界に発信するのを防衛省が阻止できなかったとは、いったいどういうことなんだ。重大な『軍事機密』の漏洩ではないか。護衛艦を麻痺させるのに焼夷弾か火炎瓶でも十分ということが全世界に知られてしまったではないか。
かって近くのある工場で火事が発生して消防車が駆けつけたことがある。ところが工場側が門を閉ざして消防車が構内に入るのを阻止して消防と激しくやり合っていたことがある。企業秘密があるので許可なしに消防車と雖も構内に入れることが出来ない、と工場側が頑張っていたことを思い出した。119番をかけた自衛官にこのような教育すら為されていなかったのだろう。
石波防衛大臣の出方を見守りたいと思う。