日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

一弦琴「夜開花」の期間限定ネット演奏

2006-04-07 20:11:46 | 音楽・美術
一弦琴もだんだんと楽しくなった。お師匠さんの後を追うのに汲々であった時期を通り抜けて、自分の演奏にも客観的に接することができるようになったからであろうか。

今、お浚いしているのが山田一紫作詞作譜の「夜開花」(やかいか)、1968年十月ハワイにて、と譜にある。

夕やみの むらさき 重き 垣づたい
あやしく白き 花ひらく
一夜のいのち 闇のしじまに 誰をまつらん
見あぐれば なかぞら高く 夏の月

メキシコ原産の月下美人がハワイにどうたどり着いたのだろう、そう言えばこの山田一紫さんも何故ハワイにおられたのだろう、なんてとりとめのないことも脳裏に浮べながらもこの唄の心をどのように表現すべきだろうかと試行錯誤を繰り返している。

予習より復習、とお師匠さんが仰る。そうだと思う。譜だけを見ても弾き方はともかく唄い方がさっぱり分からない。口伝のおもしろさであり難しさである。差し向かいで教えを受けているときにはなるほど、と理解したような気になっても、帰り道で口ずさんでいるうちに早くも怪しくなってくる。帰宅後に譜を頼りに再現しようとしてもしっくり来ない箇所が次から次へと出てくる。

録音機のない時代からのお稽古法なのでお師匠さんの唄はあえて録音はしない。変なものを後に残したくないから、とお師匠さん嫌がられる。仰るとおりなので録音は自分一人でお浚いをしているときにする。聞きかえしては自分の耳に自然に聞こえるかどうかで手直しをしていく。これが復習になるのか予習になるのか云いようがないが、自分で納得がいく唄い方になったところはやはり次回のお稽古で注意しているお師匠さんの唄いかたと一致することが多い。もちろん違っている場合も結構ある。でもこの時は自分の唄とどこがどう違うかがはっきり分かるので、今度は間違いなく正確に記憶に刻まれる。

日本全国で何人ぐらいが一弦琴のことをご存じだろう。そして実際に演奏されている方だと何人ぐらいだろう。ふとこのようなことを考える切っ掛けがあった。一弦琴を取り上げたブログに出会したのである。私がいろいろと考えてきたようなことを実に素直に要領よく記されている同好の士の出現を嬉しく思った。そこで私も現在の習作を一時的に公開してみる気になった。たまたま出会って興味を持っていただけるようなことになれば望外の喜びである。

公開を期間限定(多分4月8日まで)としたのは来週のお稽古で間違いなく唄い方が変わるからである。この「夜開花」をクリックして開いた画面で更に「YoruHirakuHana」をクリックしていただくと、唄が流れるはずである。ご感想などをお寄せいただけると有難い。なお録音はどうかご遠慮下さい。

最新の画像もっと見る