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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

岩波古語辞典と大野晋さん

2008-07-16 13:42:03 | Weblog

7月15日朝日朝刊に井上ひさしさんが大野晋さんの逝去を悼みここに引用した談話を寄せていた。この中に《共同編集された『岩波古語辞典』は今も毎日、五、六回は引きます》とあるのを見て、アレッと思った。実は私もこの辞典をよく引く。というのも私は旧仮名遣いで国語教育を受けた世代であるので、言葉も言葉遣いも古めかしいことを日ごろから自覚しており、その古めかしい言葉をことある度に岩波古語辞典で確認するのである。たとえば先日も老嬢に山姥とはうらやましいという記事をブログに載せたが、そこで記したように「山姥」のような言葉だと広辞苑より先に岩波古語辞典で確かめる。ところがこの辞典を大野晋さんが編集されていたとを誠に迂闊なことながら井上ひさしさんの話ではじめてそれと認識したのである。

手元にあるこの辞典の奥付には1974年12月25日第1刷発行とあるからもう30年以上のお付き合いである。補訂版は1990年に出ているようであるが私は初版のままである。



「序にかえて」の中で大野さんは《日本の思想や文化の源流を尋ねるには、さまざまの道がある。しかし、その中で私は、日本語を明らかにすることによって、日本を知ることを重要な課題と考えた》と述べておられる。単語の用例を古代、中世、近世の多くの文献から収集することで、その単語に触れた私がその時代に連れて行かれることを実感する。その時代を識ることに通じるのであろうか。井上さんは《私は、大野先生が書き、編集した辞書を信じて、ものを書いてきました。信じる人が唱えているから、その内容も信じているのです。明日も明後日も『岩波古語辞典』を引くでしょうから、そのたびに私の中で、大野先生はお元気に生きつづけていてくださるはずです》と結んでいる。大野先生、もって瞑すべし。

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