日本郵政株式会社の西川善文社長と鳩山邦夫総務相が辞めない、辞めさせるで真っ向から対立しているようである。私は今回の一連の騒動でマスメディアの報道すらほとんど注意を払っていないので、どちらがどうとか言える立場にはないが、一つだけ腑に落ちないことがある。それは総務相の「認可権」である。鳩山総務相はすでに5月の取締役会でその再任案が決定した西川社長の再任が6月29日の株主総会で認められたとしても、認可権限を行使して西川社長の続投を拒否する、と早々と花火を打ち上げている。私には一株式会社の人事になぜ総務相が認可権を持つのか、それが理解できないから困っている。
なるほど「日本郵政株式会社法」(平成十七年十月二十一日法律第九十八号)には次の条文がある。
それどころかまだまだ総務相の権限が記されている。
私は日本郵政株式会社は民営化された会社だと思っていた。とすると株主総会の決定が最終決定ではないのか。といっても私はどういう人たちが株主なのかも知らない。ひとつ確かなのは次のように株式の政府保有が認められてはいることである。
また附則には
とあるから、本来なら政府以外に株主が当然存在するし、また存在しなければならないことになる。となると政府の発言権および諸権限は、保有する株式に応じてのものになるのが普通なのではないのか。
ところが「日本郵政株式会社法」では株主総会の決定を覆しうる総務相の「天上天下唯我独尊的権限」をなぜか設けているのである。私は総務相にかかわる文言を見て、かっての日本を占領していた連合国軍最高司令官マッカーサー元帥を即連想してしまった。「天皇より偉いマッカーサー」である。どこでどうなって総務相の関与を明記するような会社法が作られたのかは知らないが、これは明らかに日本が米国に占領されていた頃の権力構造の残滓そのものである。いったい何をもって民営化と言えるのだろう。「法に則って」と総務相は仰るのだろうが、私に言わせるとおかしいのはこの「法」の方である。事態収拾もさることながら民営化徹底には国会はこの会社法の改正に早急に取り組むべきではないのか。
なるほど「日本郵政株式会社法」(平成十七年十月二十一日法律第九十八号)には次の条文がある。
(取締役等の選任等の決議)
第九条 会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第九条 会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
それどころかまだまだ総務相の権限が記されている。
(監督)
第十四条 会社は、総務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第十五条 総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
第十四条 会社は、総務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第十五条 総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
私は日本郵政株式会社は民営化された会社だと思っていた。とすると株主総会の決定が最終決定ではないのか。といっても私はどういう人たちが株主なのかも知らない。ひとつ確かなのは次のように株式の政府保有が認められてはいることである。
(株式の政府保有)
第二条 政府は、常時、会社の発行済株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式を含む。以下この条において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。
第二条 政府は、常時、会社の発行済株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式を含む。以下この条において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。
また附則には
(政府保有の株式の処分)
第三条 政府は、その保有する会社の株式(第二条に規定する発行済株式をいい、同条の規定により保有していなければならない発行済株式を除く。)については、できる限り早期に処分するよう努めるものとする。
第三条 政府は、その保有する会社の株式(第二条に規定する発行済株式をいい、同条の規定により保有していなければならない発行済株式を除く。)については、できる限り早期に処分するよう努めるものとする。
とあるから、本来なら政府以外に株主が当然存在するし、また存在しなければならないことになる。となると政府の発言権および諸権限は、保有する株式に応じてのものになるのが普通なのではないのか。
ところが「日本郵政株式会社法」では株主総会の決定を覆しうる総務相の「天上天下唯我独尊的権限」をなぜか設けているのである。私は総務相にかかわる文言を見て、かっての日本を占領していた連合国軍最高司令官マッカーサー元帥を即連想してしまった。「天皇より偉いマッカーサー」である。どこでどうなって総務相の関与を明記するような会社法が作られたのかは知らないが、これは明らかに日本が米国に占領されていた頃の権力構造の残滓そのものである。いったい何をもって民営化と言えるのだろう。「法に則って」と総務相は仰るのだろうが、私に言わせるとおかしいのはこの「法」の方である。事態収拾もさることながら民営化徹底には国会はこの会社法の改正に早急に取り組むべきではないのか。