日々是好日

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埼玉・プール事故 余りにもぶざまななげやり仕事の連鎖

2006-08-02 17:45:13 | 社会・政治
ボルトなく、針金で固定か 埼玉・プール事故 (朝日新聞) - goo ニュース

埼玉県ふじみ野市の市営プールで、小学2年生の女子児童がプールの吸水口から吸い込まれて死亡するという痛ましい事故が起こった。

その事故にいたる状況が次第に明らかになってきた。もっとも記事だけでは正確なことは分からないが、明らかになった状況に私のコメントを追加してまとめてみる。

①吸水口のさくを固定するボルトがなく、針金だけで留めていた。
 この記事でボルトがないと言う意味が分からない。ボルトとは鉄製の棒状のものにネジを切っており、一端をプールの側面に埋め込み、もう一方の端をさくの四隅(何カ所でもいいが)に空けられた穴に通す。そしてナットでさくを締め付ける。このような構造を私は想像するのだが、ボルトがないとはプール壁に取り付けられたボルトが脱落してなくなったのかどうか。もしボルトが無くなっているのなら、さくの穴に通した針金をどこに結びつけてさくを固定していたのだろう。無くなっていたのはナットではないのか。いずれにせよ固定が不完全だったからさくが外れてしまった?

②吸水口の構造をアルバイトの監視員が理解していなかったため、対応が遅れたという。 
 さくが落ちているのを小学3年の男児が見付けて監視員に渡したにもかかわらず、その危険性を現場の監視員とその連絡を受けた管理棟にいた監視員も理解できておらず、電話連絡を受けた事務所の社員が現場に到着して始めて吸水口のさくであることが分かったという。監視員に対してなすべき仕事の説明が不十分で、そのうえ安全教育が完全に欠落していたようである。

③社員が、監視員に人を近づけないよう指示して補修道具を取りに戻った後、女児が吸水口に吸い込まれたという。
 これも状況が分からない。「人を近づけないよう指示」された監視員は具体的にどうしていたのだろう。監視員がなにか女児に注意したのだろうか。注意する間もなく監視員の目の前で女児が吸い込まれていったのだろうか。

要するに『お金を払って貰う』仕事を誰一人していないのである。

さらにこの市営プールの管理運営のいろんな面に於ける杜撰さが浮かび上がってきている。

④市とプールの管理運営の委託契約を交わした業者が、実際の業務を下請けに丸投げしていた。
 このような行為を市が禁止しているのは当然のことながら、現実に丸投げを見逃していたのは市の怠慢である。市と管理業者との間に不適切な癒着があったとしか言いようがない。

⑤市職員がプールの点検、確認業務をしていたにもかかわらず、流水プールのさくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことを見逃していた。
 これは点検・確認業務とは云えない。サボタージュで処分すべきだ。

市営プールであるからには管理運営の責任は市にある。管理会社が下請けに丸投げの疑惑が持たれているが、そもそも市がその業務を管理会社に丸投げしたようなものである。そして責任を放棄した。

元来自分が果たすべき役割を、恩恵だと思え、とばかりにより力の弱いものに仕事を流して、その見返りに『上納金』を天引きして金を渡す。だんだんと先細りした金の行き着く先の現場の監視員は、時給いくらだけが最大の関心事なのであろう。

これでは犠牲者とその家族が浮かばれるはずがない。