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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

ラジオ体操第一・第二をiPadで

2011-06-09 17:36:07 | Weblog
少々鬱陶しい話なので書くこと自体あまり気乗りがしないのであるが、最近、外出する機会がめっきり減ってそまった。あれほど気軽に出かけていた三宮にももう一ヶ月はご無沙汰である。朝鮮語もヴォイストレーニングもお休みにした。体調を崩しているために外出意欲が湧かないのである。と言っても別に寝込むわけでもなく、ある一事を除いては頭の働きも含めて正常なので、家ではこれまでと変わらない生活を続けている。ただ唯一の運動と言ってもよいぶらぶら歩きが出来ないものだから、その代わりにラジオ体操を始めることにした。子どもの頃に毎朝ラジオ体操会に参加していたことがあるが、ラジオ体操なんてそれ以来のことである。

ラジオ体操と言ってもラジオを聞きながら体操をするのではなく、YouTubeの「ラジオ体操第一・第二」をiPadで再生するのに合わせて身体を動かすのである。これだと時間・場所を選ばずどこでも出来るが、今のところは朝起床後に、裏庭を見渡しながら部屋の中で飛んだり跳ねたりしている。そのうちに庭に出て始めるかもしれない。

子どもの頃に聞いたラジオ体操第一とは明らかにメロディーが異なるが、それはそれ、画面でモデルの身体の動きを確かめながら真似している。でも正面からの画像を眺めるだけなので手足の動きがもう一つ掴めきれずにいる。それにしても私の身体が硬化しきっているのには唖然とした。モデルは手のひらを楽々床につけているのに、私は床上30センチ止まりである。さらには飛び上がるという動作そのものに抵抗感があって、身体がすんなりと反応してくれない。考えて見たら走ることすらもう絶えてなかったのである。そこで思い切って飛び上がったら、と言っても床上2、3センチ程度であるが、自然とその動作を繰り返すことができるようになった。もう1週間も続けると身体もかなり柔らかくなる予感がある。第一・第二を合わせて6分ほどであるが、今の私には適量のようで、身体がポカポカとしてくるのが分かる。問題はいつまで続くかであろう。

ウォーキングもできればよいのだが、もっぱら家の中を歩き回り、階段を上り下がりしている。独房に閉じ込められた囚人よりは恵まれているかなと思えば、必ずしも外に出なくても苦にはならない。それほどまでしてなぜ家にこだわるのかと言えば、トイレがみじかにあるから安心なのである。このような生活もいろいろと経験してくると、いささかうんちくを傾けて立ち入りたいところであるが、それはまたの機会に譲ることにしよう。

「大連立」よりも「世代交代・政界再編」を一刻も早くと思う一方で

2011-06-07 18:11:06 | Weblog
6月2日、内閣不信任決議案が提出された衆議院本会議の模様をテレビで一部始終見ていたが、記名投票になって自民党の森喜朗、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎という首相経験者の顔を見かけた時には、古いニュース映画を眺めているような錯覚を覚えた。しかし現実はこのような「自民党の亡霊」が国会を徘徊しているのである。小泉純一郎はその点でも格好が良い。一方、どのような顔をして投票するのかと野次馬根性で興味津々であった小沢一郎は姿を見せなかった。その前日、菅直人政権への内閣不信任決議案への賛成を表明していたにもかかわらず、時利あらずと見たか敵前逃亡してしまったのである。敵前逃亡の司令官、一昔前なら銃殺であろうと思ったりする。ここに挙げたのは国会から速やかに消して欲しい人々の筆頭であるが、まだほかにもウジャウジャといる。

ここに至って民主、自民のみならず、公明にその他の諸政党を加えての大連立論が声高に論じられるようになった。民主党の仙谷由人官房副長官と自民党の大島理森副総裁がおおっぴらに手を組んで菅首相抜きの大連立を目指して走り始めたとのことであるが、「やめてくれ」と言いたい。自分たちの延命を図っているに過ぎないからである。当面の課題が東日本大震災の復興基本法案の成立であるのなら、成立の暁には衆議院解散をそれこそ与野党合意で行えばよいのであって、ことさら泥舟と化すのが目に見えている「大連立」なる呉越同舟を企てること自体時間の無駄遣いである。そしてこの際に大連立で延命を図る政界の「古狸」を駆逐するためにもぜひ若い議員たちに立ち上がって欲しいと思う。

わが国はいかにあるべきかという国の基本理念において一致し、その実現に向かって邁進する真の政治家は、若い人たちの中から育ってくる。その真の政治家を目指す心ある若い議員たちが、規制の政党の枠を超えて今こそ結集すべきではなかろうか。その彼らが今なすべきことはまず「古狸」への対決姿勢を鮮明にし、「古狸」を排除した新政党を立ち上げるべきなのである。民主党議員でありながら、そして親分が敵前逃亡したにも拘わらず、結果的に己の信念を貫き白票を投じた松木謙公前農林水産政務官は、「自分で決めたんだよ。小沢さんは小沢さん。僕は僕。自分で決める。最後は」と心情を吐露したと伝えられる。これまでこの人のことをいけ好かないと思っていたけれど、この行動には心打たれた。自分で考え自分の判断で行動に踏み切る若い議員に私はまだまだ期待を抱いている。そしてわれわれ国民も「名前だけで出ている」古き政治家を追っ払い、国の未来を託すに足りる前途有為の若い議員を国会に送り出さなければならない。それにはわれわれも一人ひとりが賢明な判断をしなければならないのである。

この日曜のテレビ番組「たかじん」で、並み居るベテランの「口先人間」全員が、同じ出演者の中国女性の一言で凍りついてしまうという出来事があった。チェン・チューさんというはじめての出演者。あまり目立たなかったけれど、番組の幕切れ寸前に他の出演者から「中国では国民が代表を選ぶ権利がない」とか、いかにも政治未開発国の人間かのようになじられたかと思うと、「今の日本を見ていると投票の権利なんてなんの意味もない」とずばり切り返したのである。天晴れチェン・チューさん!!そう言えば「菅叩き」も国民がみずから己の面につばきをかけるようなもの。まともな国民代表を送り出すのは100%国民の自己責任であることを改めて痛感した。国民が賢明な判断をするには一体どうしたら良いのだろう。


狐と狸の化かし合いは狐の勝ちだったが・・・

2011-06-03 18:42:23 | Weblog
昨日はお昼のNHKニュースに始まり、午後1時半の衆議院本会議開会から内閣不信任決議案が否決されるまで、賛成、反対演説の途中少しは居眠りをしたかもしればいが、テレビを見続けた。賛成票(白票)を投じた民主党議員はたった二人、バッカみたいな成り行きだった。

菅首相が民主党代議士会で挨拶をした。メモを取っていないのでその要点を時事ドットコムから引用する。

 私たちの置かれた状況は、何としても大震災からの復旧・復興に道筋を付け、福島第1原発事故の一日も早い収束を図ることに全力を挙げることだ。三つのことを目標としてこれから行動していく。

 一つは震災の復旧・復興に全身全霊で最大限の努力をする。二つ目は、民主党を決して壊さない。そういう根本に立って行動する。三つ目は、今のわが党中心の政権を自民党政権に戻すことがないよう、しっかりと対応していく。

(中略)

 大震災(への対応)を最優先に取り組む。一定のめどが付いた段階で、私がやるべき一定の役割を果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたい。大震災、原発事故に一定のめどが付くまで、ぜひとも私に責任を果たさせてほしい。そのためにも、不信任案に対し、民主党一致団結しての否決という対応をお願いする。
(2011/06/02-13:20)

首相の掲げた三つの目標の一番目は当たり前として、二番目、三番目が民主党の政権維持のためのものであることに、たとえ身内の民主党代議士会での発言としても、「大震災からの復旧・復興に道筋を付け、福島第1原発事故の一日も早い収束を図ることに全力を挙げる」ための行動目標に値するものかと、取ってつけたかのような印象を抱いた。また「大震災(への対応)を最優先に取り組む。一定のめどが付いた段階で、私がやるべき一定の役割を果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたい」の件では、「若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたい」とは具体的にどういうことだろうと理解できなかった。これがまさか菅首相の「辞意表明」とは私にはピンとこなかった。

あれっと思ったのがそれに続く鳩山前首相の発言で、これを毎日新聞から引用する。

 そして、一定の仕事を果たされたあかつきに、大変恐縮だが、身を捨てていただきたい、職を辞していただきたいということを、お願い申し上げた。そのことによって、身を捨てて、国難を救っていただきたいということも申し上げた。そのことに対して、先ほど首相が重大な決意を自身の言葉で述べられたと私は理解する。

 具体的には、復興のために現在議論を進めている復興基本法案を成立させる。さらに2次補正予算案の早期編成のめどをつけていただく。成立というよりもめどをつけていただきたい。そのあかつきに恐縮ながら、自身の身をお捨て願いたいということも申し上げた。首相と鳩山との間で、合意した。
(2011年6月3日 東京朝刊)

要は代議士会に先立ち二人の間で(同席者があったようであるが)話し合いがもたれ、「一定の仕事を果たしたあかつきには辞職して欲しい」と鳩山さんが菅さんに申し出て、その話し合いの場でどのような言葉が交わされたのかわ分からないが、少なくとこの代議士会で菅さんが「重大な決意を自身の言葉で述べた」と私(鳩山)は理解するというのである。

私が理解できなかった「若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでいただきたい」という菅さんの言葉が、鳩山さんには辞意表明と理解できたということなのであろう。しかしこれでは第三者に対して説得力はゼロである。その後伝わってきた話では上の三つの目標として挙げられた確認事項の書面には、首相退陣を約束または示唆する文言はどこにも無い。さらに言質として取られかねない署名文書は、首相の「同じ党の人間だから、信用してください」の一言に躱されてしまったと伝えられている。信じられない詰めの甘さであるが「Trust me」を乱発した鳩山さんの自縄自縛であろう。いずれにせよこれで勝負ありで、鳩山さんが内閣不信任案反対を表明することで民主党内の大勢が決し、内閣不信任決議案採決にあたり民主党議員が15名欠席し、賛成票(白票)を投じたのは既に離党を表明していた議員1名を含めただの2名だけであった。

菅首相の辞職時期をめぐってさっそくあれこれ取り沙汰されているが、要はその次、誰が次期首相に選ばれるかである。国民の審判を仰ぐことなく民主党内でのたらい回しだけは何としても避けなければならない。そのために良識ある国民の衆智をなんとか結束できないものだろうかと思う。

大義名分の見えてこない内閣不信任決議案

2011-06-02 10:37:29 | Weblog
訳の分からぬままに昨日(1日)の夕刻、自民、公明、たちあがれ日本の3党が菅内閣に対する不信任決議案を衆議院に提出し、今日午後の本会議で採決されることになった。訳が分からないといったのは、その大義名分が見えて来ないからである。大義名分とはもともと《儒教に由来する考え方で、本来は臣下として守るべき道義や節度、出処進退などのあり方を指し、今日では転じて、「行動を起こすにあたってその正当性を主張するための道理・根拠」》を指す(ウィキペディア)。私のような戦前・戦中世代にとってはおなじみの言葉で、たとえば大東亜戦争(太平洋戦争)開戦にあたって渙発された宣戦詔書は、戦争の正当性という大義名分を内外に表明したものなのである。

戦争の正当性という大義名分は一方の主張であるから、必ずしも客観性があるとは限らない。野党側が提出した内閣不信任決議案もそれなりの理屈を並べ立てているが、要は「菅総理に指導者としての資質のないこと」を論っているに過ぎないのであって、「一億一心火の玉」となって国難に立ち向かわないといけないこの時期になぜ内閣打倒なのか、時期選択の正当性が私には見えてこない。野党側の議員はともかく、民主党にあって不信任決議案に同調しようとする議員の念頭には大義名分の意識すらないのであろう。これ一つで政治家失格である。

ちょうど1年前、菅内閣はなぜ衆議院解散・総選挙をしないのか  追記有りで次のように述べたことがある。

普天間基地問題にどのように取り組むのか具体的な施策を正面に掲げ、今こそ衆議院の解散、総選挙を早急に打ち出すことで菅内閣は心ある国民の力強い支持を得ること間違いなしである。ついでに300名を超える民主党所属衆議院議員から小沢一郎前幹事長の追随者を一掃できれば御の字であるし、その結果、政界再編成により小沢一郎党とそれへの反対党が生まれることになれば政治も活気を取り戻すことであろう。


東日本大震災も福島第一原発事故も起こっていなかったこの時期とは事情が大きく異なっているが、不信任決議案が提出されてしまった今となっては、これが可決されて菅総理が衆議院を解散に打って出ることを期待したい。ある種の政治空白が生まれることで、とくに福島第一原発事故による被災地の復旧・復興を現地の主導力で行う機運がますます高まることと、また「政治主導」で翻弄された日本の優秀な「官僚機構」が息を吹き返すきっかけともなればと期待するからである。さて午後の本会議、如何相成りまするか。

梅雨のさなかの台風2号のせいで

2011-05-30 17:30:38 | Weblog
台風2号の影響で昨日は雨と風に見舞われた。気象台の発表では午後3時ごろの風速は30メートルを少し上回っていたようである。その風雨のおかげでバラの花びらがほとんど散ってしまい、なかには鉢ごとひっくり返ったのもあった。避難させる場所もないので成り行きまかせである。先日紹介したコリアンダーの花も茎ごと倒れてしまった。ミニトマト、きゅうり、万願寺唐辛子など、苗をしっかりと立て直した。そして、まだ熟しきっていないジューンベリーの実も下に落ちていた。でもまだ沢山枝に残っている。今年こそ鳥にやられない前に摘み取るつもりである。


原子炉海水注入問題 その続き

2011-05-24 18:27:17 | Weblog
原子炉海水注入問題 新聞報道に踊らされまいと思うもののの中で、《少し考えると産経の記事は裏が取れていないことぐらいは分かるが、谷垣自民党総裁までそれに踊らされて国会で菅首相の介入を徹底的に追求すると意気込んでいる》と述べて谷垣総裁の自重を期待した。そして23日の衆院復興特別委員会での谷垣総裁の質疑応答をニコニコ動画で聞いてみると、「首相の激怒」が海水注入を停止させた云々を衝くより、政府文書がコロリコロリ変わったことを追求する方に軸足を移したようであった。信憑性の低い情報に踊らされる愚は辛うじて避けたようであるが、それにしても彌縫に追われる政府を叩くより、惻隠の情を示したほうが大人の振る舞いではなかったのかと思ったりする。

文書がコロリコロリ変わったというのは、朝日の記事では次のようなことである。

発言訂正、記憶頼み 海水注入の中断経緯

「原子力の常識として、真水から海水にかえて再臨界の可能性が高まると、私から言うはずがない」

 東電が海水注入を中断した発端とされてきた発言をめぐって、原子力安全委員会の班目春樹委員長は23日記者会見し、政府の対応を改めて批判した。

 騒ぎの発端は21日午後4時半からの共同会見で配られた「3月12日の福島第一原子力発電所1号機への海水注入に関する事実関係」と題した資料だ。

 資料によると、班目氏が「(海水を注入すると)再臨界の危険性がある」との意見を出したため、同日午後6時ごろ、原子力安全委員会、経済産業省原子力安全・保安院などが菅直人首相の指示で、海水注入の実施の是非を検討することになったという。

 会見の直前、打ち合わせの席で安全委事務局の加藤重治・内閣府審議官が、不在の班目氏に代わって発言内容が違うと抗議した。だが、細野豪志首相補佐官から「その場にいた多くの人から確認した結果だから」と押し切られたという。その後会見に臨んだ細野補佐官は資料を記者らに配布し、「相当しっかり確認してお示ししている」と自信たっぷりに説明した。

 班目氏はその後、細野補佐官に発言の訂正を申し入れ、22日夕、細野補佐官と福山哲郎官房副長官と面会した。班目氏は「これまでの自分の発言では、科学者として『可能性はゼロではない』という表現をよく使っており、その場でもそのような表現をしたと思う」と主張した。

 当時の発言記録は残っておらず、班目氏によると、少しずつ異なる3人の記憶を総合した結果、発言内容は「臨界の可能性はゼロではない」だったことで合意。まもなく訂正版が公表された。
(2011年5月24日03時00分)

要は「(海水を注入すると)再臨界の危険性がある」と原子力安全委員会の班目春樹委員長が語ったとされる部分が、「可能性はゼロでない」と訂正されたことを指す。実を申せば私が最初に引っかかったのがこの箇所で、上のブログ記事で次のように述べている。

政府筋によると原子力安全委員会の班目春樹委員長が首相に海水注入で再臨界が起きる可能性を指摘、いったん指示を見送ったも、この記事だけでは海水注入がどのように再臨界に繋がるのか、素直に理解出来ないので内容的には無意味である。

産経の記事の引用部分を紫文字で示したが、海水注入で再臨界が起きる可能性なんて、科学的にすんなりと理解できる事柄ではないのである。だからその後で班目委員長が「専門家としてそんな指摘をするわけがない。怒り心頭だ」と全面否定した方を私はさもありなんと素直に受け取った。

では何故そのような不完全な内容を含む文書が公表されてしまったかというと、朝日の記事では《会見の直前、打ち合わせの席で安全委事務局の加藤重治・内閣府審議官が、不在の班目氏に代わって発言内容が違うと抗議した。だが、細野豪志首相補佐官から「その場にいた多くの人から確認した結果だから」と押し切られたという。その後会見に臨んだ細野補佐官は資料を記者らに配布し、「相当しっかり確認してお示ししている」と自信たっぷりに説明した》となっている。これだと混乱を引き起こした元凶は細野豪志首相補佐官ということになる。しかし押し切られる方も押し切られる方で、原子力安全委員会から政府・東京電力統合対策室の一員として加わっている加藤重治・内閣府審議官がどのような背景の方なのか分からないが、「おかしいことはおかしい」と頑張らないことには職務をまともに遂行したことにはならないではないか。

それはともかく、政府・東京電力統合対策室が2ヶ月以上も前の出来事を公表した文書が一日経てば訂正される、またその内容の正否を確認しようにも、発言記録は残っておらず記憶だけが頼りとは、信じられないほど杜撰な意思決定の進め方で、これでは何を発表しても国民がすんなりと耳を傾ける気にはなれない。その一方、21日午後4時半からの共同会見で配られたとされる資料「3月12日の福島第一原子力発電所1号機への海水注入に関する事実関係」を見ようとしたが、まだ見つけることが出来ないままである。これなども是非ネットで公表して、関心があれば誰でもアクセスできる状況にして欲しいものである。そうすると新聞などマスメディアの変なバイアスのかからない判断を、国民が自ら下すことが出来るというものである。


原子炉海水注入問題 新聞報道に踊らされまいと思うものの

2011-05-21 23:05:01 | Weblog
産経ニュースの記事である。

震災翌日の原子炉海水注入 首相の一言で1時間中断

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発1号機に関し、3月12日に東電は原子炉への海水注入を開始したにもかかわらず菅直人首相が「聞いていない」と激怒したとの情報が入り、約1時間中断したことが20日、政界関係者らの話で分かった。

 最近になって1号機は12日午前には全炉心溶融(メルトダウン)していたとみられているが、首相の一言が被害を拡大させたとの見方が出ている

 政府発表では3月12日午後6時、炉心冷却に向け真水に代え海水を注入するとの「首相指示」が出た。だが、政府筋によると原子力安全委員会の班目春樹委員長が首相に海水注入で再臨界が起きる可能性を指摘、いったん指示を見送った

 ところが、東電は現場の判断で同7時4分に海水注入を始めた。これを聞いた首相が激怒したとの情報が入った。東電側は首相の意向を受けてから判断すべきだとして、同7時25分に海水注入を停止した。その後海水注入でも再臨界の問題がないことが分かった。同8時20分に再臨界を防ぐホウ酸を混ぜたうえでの注水が再開されたという。
(2011.5.21 00:42 )

この記事で首を傾げるところがいくつかあるが、たとえば首相の一言が被害を拡大させたとの見方が出ているとはどういうことなのか。1号機では3月12日の午前6時50分には、核燃料の大半が原子炉圧力容器底部に崩落したいわゆる炉心溶融の生じたことがすでに分かっている。さらに同日午後3時36分に原子炉建屋で水素爆発が起こった。1号機に注水が始まったのは東電の公表した福島第一原子力発電所プラントデータ集の「7 各種操作実績取り纏め」にあるように午前5時46分から淡水注水を開始、午後2時53分まで断続的に80トン注水したが、いずれにせよ炉心溶融がその間に起こっているのだから、この注水が「焼け石に水」であったことがわかる。この段階で起こるべき異変はほとんど起こってしまったことになる。


炉心溶融が生じてウラン燃料が放射性金属の塊となってしまった。万が一にも再臨界状態になれば大ごとである。その状態が少々発生したのかも知れないが、今のところ正式な発表はない。いずれにせよ淡水注水が停止してから5時間11分後の午後7時4分の海水注水開始まで、注水が止まっていたにも拘わらず再臨界は生じていなかったようである。ところがこの海水注水が21分後の午後7時25分には停止している。これが上の記事で「首相の激怒」によるものとされている。そして55分後の午後8時20分に今度は海水にホウ酸を加えたものの注水が再開され、ある報道によればホウ酸は8時45分から加えられたとか。12日中には21トンの海水注水で終わっている。この55分間の海水注水停止がいったいどのような被害を拡大させたというのだろう。その意味で上の記事には裏付けが欠けていると言わざるをえない。

また政府筋によると原子力安全委員会の班目春樹委員長が首相に海水注入で再臨界が起きる可能性を指摘、いったん指示を見送ったも、この記事だけでは海水注入がどのように再臨界に繋がるのか、素直に理解出来ないので内容的には無意味である。また東電は現場の判断で同7時4分に海水注入を始めた。これを聞いた首相が激怒したとの情報が入った。東電側は首相の意向を受けてから判断すべきだとして、同7時25分に海水注入を停止したでも、どのようにして首相に海水注水の情報が伝わり、「首相の激怒」の情報が東電に伝わったのかも分からない。もともと指揮・命令系統が確立していなかったことがこの事態を引き起こしたことぐらいは見当がつく。「菅首相憎し」の産経だから論うのはよいとしても、事実関係が納得がいかないと思っていたら、さきほど朝日新聞の次ぎの記事が現れた。

海水注入情報、政府と東電共有せず 3月12日の開始時

 政府と東京電力は21日、福島第一原子力発電所1号機で3月12日、官邸にいた東電幹部から、国が原子炉への海水注入について安全性を検討するとの連絡を受け、いったん始めた注入を自主的に中断していた、と明らかにした。注入開始や中断の情報は当時、政府に伝わっておらず、連携の悪さが改めて示された。

 東電は午後3時36分に1号機の建屋が水素爆発した後、原子炉を冷やすため、発電所長の判断で午後7時4分、海水の試験注入を開始。ところが当時、官邸にいた武黒一郎・東電フェローから午後7時前後、国の検討について電話連絡を受け、東電は同25分、注入をいったん止めた。武黒フェローが電話連絡をしたのは、だれかの指示を受けたものではなく、自主的判断という

 菅直人首相が午後6時からの20分間に、経済産業省原子力安全・保安院などに海水注入の安全性検討を指示していた。班目春樹・原子力安全委員長に核分裂が連鎖的に起きる再臨界が起こる可能性を尋ね、「ある」と聞いたのが理由だ

 保安院などが午後7時40分、検討の結果、問題ないことを首相に説明。同55分の首相指示などを受け、東電は午後8時20分、海水注入を再開。同45分に再臨界を防ぐホウ酸も加えた。

 東電は当時、再臨界の可能性はないとみており、幹部の連絡がなかった場合、「そのまま注入を続けた」と説明した。海水注入は、所長判断で行う決まりになっている。東電は最初の海水注入開始と停止について、保安院に口頭連絡したが、保安院側は「記録はない」と説明している。細野豪志首相補佐官も会見で「総理もずっと後になってから知った」と話した

 海水注入は午後7時25分から約1時間中断したが、1号機は水素爆発した後で、東電が今月15日に公表した炉内の解析でも、すでに炉心溶融が起きた後になる。東電は中断による事故悪化の影響はなかった、と主張している。(小堀龍之)
(2011年5月21日21時52分)

産経に記事で感じた疑問は朝日記事のとくに強調部分で解き明かされたように思う。少し考えると産経の記事は裏が取れていないことぐらいは分かるが、谷垣自民党総裁までそれに踊らされて国会で菅首相の介入を徹底的に追求すると意気込んでいるとの読売報道を見ると、ほんと、新聞こそ魑魅魍魎の世界だと思ってしまう。

コリアンダーの花盛り

2011-05-20 20:01:59 | Weblog
風に吹かれて飛んでくるのか鳥が運んでくるのか、裏庭には蒔いた覚えのない種から草花が結構大きく育ってくる。ところが今年、花壇を埋め尽くすような勢いで大きくなったのがコリアンダーなのである。中には私の背丈を超えるものもあって、ジューンベリーを思わせる可憐な白い花を咲かせている。



もともと菜園の方に種を蒔いていたのに、摘み取る時期を逃したものが花を咲かせ、種を蒔き散らかしたらしい。今年の花壇をどうしようかと考えているうちにもどんどん大きくなるものだから、その勢いに圧倒されてただ眺めているうちにこうなってしまった。あとは種を採るまでと、気長に待つことにした。

コリアンダーは香菜(シャンツァイ)とも呼ぶが、私が始めてお目にかかったのはもう何十年も前のことで、中華料理店で中華粥を注文した際に、お粥の丼と一緒に運ばれてきた小皿の中に生魚の切り身や油条と一緒にコリアンダーを刻んだものが盛られていた。これを全部お粥の中にぶち開けて掻き回して食べる。コリアンダーの癖のある香りがとてもエキゾチックで、私の好物になった。神戸元町の南京街にでかけると八百屋さんで何時でも手に入れることが出来たので買うのが当たり前になっていたが、菜園を作ったのを機に自分で栽培を始めたのである。ピータン粥にピータン豆腐を始め、いくらでも使い道がある。春蒔きの種の育つのが待ち遠しい。

わが家では妻も雑食系なのでコリアンダーがすっかり定着しているが、この匂いに拒絶反応を示す人もいる。かって大学院生を連れてこの店に行き、仕上げに中華粥を注文して小皿が運ばれてくると、「先生、これ絶対に駄目なんです」と日ごろ小憎らしい口をたたく彼が小さな声で言うのである。そうか、彼を黙らすには理屈よりコリアンダーか、と思って愉快になった覚えがある。後年、私が退官する頃、大学は違ったがすでに国立大学の教授になっていた彼に、使って貰えそうな実験装置や実験書・専門書など、正式な移管手続きをしてを引き取って貰ったことを、ふと思い出した。


福島第一原発事故の地震直後のデータが公表 私の知りたいことはただ一つ

2011-05-16 23:29:13 | Weblog
昨日のニュースでは福島第一原発1号機が3月11日午後2時46分の地震発生で緊急停止し、3時30分頃の津波到達後4時間経った午後7時30分頃には燃料棒のすべてが水から完全に露出し、午後9時には燃料溶融が起きたと伝えた。このニュースソースともなる福島第一原発事故に関する膨大なデータを今日(16日)東京電力がホームページで公表した。私たちも見ることが出来るが、それよりも専門家によるデータの迅速な解析が待たれる。現時点で私の知りたいことはただ一つ、地震によってとくに1号機の場合は原子炉圧力容器、格納容器に亀裂が生じた(穴が開いた)のではないかということである。3月11日午後2時46分の地震で炉が緊急停止するとともに容器内の水の漏出が始まったような気がするからである。地震発生から津波到達までに約45分あり、その間にも高圧の水が圧力容器、格納容器から噴出することで大量の水が失われてしまったのではなかろうか。これに加えて津波による全電源喪失により冷却水の供給が絶たれてしまったことが、燃料溶融の進行を早めたと考えられるからである。

これまで原子炉は地震の衝撃には耐え抜いたと伝えられていたように思うが、地震直後に目視で漏出が否認されたわけではあるまい。「安全神話」の中核をなす耐震性がここで否定されると、その影響は計り知れないほど大きくなる。だからこそ私はそれを知りたい。

おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は暫定的に送信を再開 あたり前田のクラッカー

2011-05-14 10:07:35 | Weblog

狂った電波時計 職場放棄を恥じない情報通信研究機構(5月10日)の記事で情報通信研究機構時空標準研究室の花土ゆう子室長の次の発言を取り上げて、それでは職場放棄ではないかと噛みついた。

「立ち入りが禁止されている以上、常に送信するのは無理だが、月に一日、電波を送信することで、時刻を補正したい。時計によっては、月に数十秒ほどのズレは出ると思うが、最低限の精度は保つことができるのではないか」

これに応えての処置だかどうだかは分からないが、情報通信研究機構は思いがけなくも迅速に方向転換を行い、次のように標準電波送信の再開を報じた。

おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は暫定的に送信を再開【速報】 

2011年05月13日

本日、5月13日17時32分から暫定的に送信を再開しました。

なお、雷の発生等天候の状況により、送信を一時停止することがありますが、あらかじめご了承下さい。

標準電波をご利用の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願い申し上げます。

はがね山標準電波送信所(60kHz)は通常どおりの運用を行っています。

今朝、すでに2秒進んでいた私の部屋の電波時計が、正しい時間を表示していることで気がついた。これが「あたり前田のクラッカー」(知る人ぞ知るかってのCM)。