「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「風草・かぜくさ」

2013-10-16 14:01:55 | 和歌

 「風草・かぜくさ」が群落をなしていた。

 何処にでも生えるポピュラーな野草で、かなりの面積に繁茂していた。
野原や遊園地の隅などにもよく見かける野草だ。 子供達が夢中になって遊べば、
この野草は容赦なく踏まれることになるが、踏まれても踏まれても成長を続ける逞しさは見事だ。

 「風草」は俗に言う雑草の類いだから、手入れの行き届いた庭などでは忽ち刈り取られる運命だが、ここの道路脇では管理も行き届かずに伸び放題で、「風草」にとっては天国に違いあるまい。

 道路脇の躑躅がガード代わりになっているので、ここの一叢の「風草」は、殆んど踏まれることもなく伸び伸びと育ち、花穂を風に揺らせていた。まさに草の名前どうりの「風草」であった。




           一叢の風草あまた繁茂して

           踏む人もなく寛ぐ風情ぞ


           風草の花穂は互いに絡み合い

           睦みあうかな囁き交わして


           そよ風に揺れる景色は何しかも

           風草の名を名のる風情ぞ


           常ならば踏みつけ刈られる草なるに

           寛ぐ姿に声をかけまし