「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「黄花黒花」

2013-08-21 00:02:25 | 和歌

 散歩の途上で奇怪な花壇に出合った。「黄花黒花」を組み合わせた花壇だ。
マリーゴールドの黄花と、ペチュニアの「真黒」な花がコンビになって咲いていた。

 遠くから見たらマリーゴールドの黄花だけが目だって、隣には花を付けていない株が交差して見えた。近づくにつれて、花を付けていない株には、意外にも真黒な花が咲いている様だ。「アレレ???」と訝りつつ、更に近づいてよく見れば、ペチュニアの株には「真黒」な花が咲いているではないか!!

 真黒な花は、紛れもないペチュニアの花の姿だ。葉の特徴もペチュニアそのものだが、普段見かける彩り豊かな花に代って、真黒な花は光線によっては、ビロードの様な光沢を湛えて咲いていた。それらの幾つかは、隣のマリーゴールドの花から貰ったのだろうか、黄色の筋が三本だけ入った花も、数輪見かけた。

 それに付けても、人間は変わったことを試みるものだ。
赤やピンクなどの彩り豊かなペチュニアに、真黒な花を咲かせるとは ・ ・ ・。
チューリップやクリスマスローズ等にも、真黒な花の品種もあるようだ。交配や新品種の開発に熱心なご仁には、黒花の創生は堪らない挑戦であろうが、花を楽しみ、花を愛でる立場の虚庵居士としては、黒花に代えて心躍る花の開発に、情熱を燃やして欲しいものだ。新品種の開発に情念を燃やすご仁に、発想の転換を望むのは、無理と云うものだろうが ・ ・ ・。

  


           花無きと見えにし株には何とまあ

           近くで見れば黒き花咲く


           お隣の黄花と黒花対をなして

           意表をつかれぬここの花壇に


           ペチュニアの真黒な花はビロードか

           光りの綾なす花弁に見惚れぬ


           鮮やかな彩りの花に異をとなえ

           真黒な花を咲かせるこころは


           黒花に代えて新たな開発を !

           花観る者の悦びを糧に