「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵の枝垂れ連翹」

2013-08-05 00:39:19 | 和歌

 「うつろ庵」の台湾連翹が咲いた。

 生垣の内側に植えてあるのだが、珊瑚樹の生垣をかい潜って枝を伸ばして、何と道路まで枝垂れて咲いた。

 

 ごく細い枝とは言え、通行の邪魔にならぬよう、大枝はバッサ・バッサと剪定した。
しかし、道行く人々に台湾連翹の花を楽しんで頂けるよう、花を付けた小枝だけは道路への枝垂れを、暫らくの間ご勘弁願っている次第だ。

 
 

 幸いにも、住宅街の広い道路は交通量もごく少ないので、通行への支障も無く、道行く人々の感嘆の声が時々聞かれるこの頃だ。花が散り次第、早々に枝垂れた小枝も剪定する積もりだ。

 台湾連翹の花穂は枝のつけ根から咲き始めて、花穂の先に向けて咲き続けるが、日を経た花は潔く散るので、花穂は何時も新鮮な状態が維持される優れものだ。

 「散り敷いた花は、掃かずにとどめよ」と、唐の詩人・王維は「田園楽」に詠っているが、毎日かなりの量の花が散るので、箒で掃くのが虚庵居士の日課の一つだ。
だが、朝陽に萎えるまでのひと時は、散り敷いた花の風情を道行く人々にも愛でて頂きたいものと、台湾連翹の下の掃除は昼近くまで遅らせているこの頃だ。

 
 


           珊瑚樹の枝の間を潜り抜け

           台湾連翹 道路に枝垂れぬ


           嫋やかな小枝の先に咲き初めぬ

           台湾連翹 そよ風に揺れて


           枝々の先に花穂が咲けばなお

           枝垂れる風情を君に見せまし


           花びらの白き縁取りいと細く 

           雅に咲くかな小枝の花穂は


           散る花を掃かずにとどめむいましばし

           せめて朝陽に凋まぬうちは