「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「向日葵づくし」

2013-08-11 00:33:15 | 和歌

 ご近所のお宅のフラワーベルトは、今まさに「向日葵づくし」だ。

 昨日の夕暮れ時に散歩に出掛けた直後、「向日葵づくし」に出合って感激した。
向日葵にもこれほど多様な花があるとは、全く認識していなかった。

 

 このお宅の「おばあちゃま」は、夙に傘寿を超えておられるだろうが大変お元気で、草花の手入れは専ら老女のお楽しみだ。水遣り中の「おばあちゃま」にお会いしたので、気軽にご挨拶した。 「ご精が出ますね! 明日にでも向日葵の写真を撮らせて頂きます」 と。

 

 TVニュースでは、全国的な猛暑の報道が繰り返された。
驚いたことに、四十度を超えた地方があると云う。 海岸に沿った横須賀はほどよい海風に恵まれて、真夏でも熱暑にならぬ地形だが、今日の猛暑には驚いた。
昼前に、何と三十四度にもなった。

 

 昨日お願いした写真を撮りに、半袖・短パン・麦わら帽・サンダルという軽装で出かけた。わざわざ「おばあちゃま」に声を掛けるのは、却ってご迷惑だろうと勝手に判断して、ためつ眇めつしながら夢中で写していたら、背後から声が掛った。

 「真夏のひまわりは、いいわね! ご丹精したお花だから ・ ・ ・ 」
日傘をさした見知らぬ老夫人が、にこやかにほほ笑んでいた。

 

 真夏の太陽と「ひまわり」。
画家ゴッホの作品が瞼に浮かんだ。世界中の様々な環境の中で、それぞれの皆さんが「ヒマワリ」を楽しんでいるに違いない。様々な「向日葵」の花と向き合い、カメラに写しつつ、ここのお宅の「おばあちゃま」の思いは、ゴッホの思いに繋がるのかもと、独り頷く虚庵居士であった。




           「ひまわり」は黄色の花ぞと思ふれど

           斯くも豊かな「向日葵づくし」は


           「おばあちゃま」にご挨拶して許し乞う

           「向日葵づくし」を撮らせてたもれと


           ごく稀な熱暑を浴びつつ「ひまわり」を

           如何にや写さむ 悩むじじかな


           額から流れる汗を拭いつつ

           向日葵の花と語らう爺かな


           背後から「いいわね!」との声がして

           振り向け見れば日傘の夫人ぞ


           ヒマワリとゴッホを偲びぬ 向日葵を

           写さんとしてババの思ひも