Hさんから小包が届いた。
サツマイモ好きの私だが、この種類は見るのも食べるのも初めて。
種子島の「密芋」というらしい。
今日は雲の多い一日で、寒くて、チロチロずっと薪ストーブを焚いていた。
一緒に入っていた鈴木重子さんのCD___柔らかいボーカルを繰り返し聞きながら、一日中、茨木のり子さんの詩集を読んで過ごす。
他のひとがやってきて
この小包の紐 どうしたら
ほどけるのかしらと言う
他のひとがやってきては
こんがらがった糸の束
なんとかしてよ と言う
鋏で切れいと進言するが
肯じない
仕方なく手伝う もそもそと
生きているよしみに
こういうのが生きてるってことの
おおよそか それにしてもあんまりな
まきこまれ
ふりまわされ
くたびれはてて
ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ
一人で処理してきたと思っている
私の幾つかの結節点にも
今日までそれとは気づかせぬほどのさりげなさで
夢中で読んでいて、ふと顔をあげると、
あたりに色を残しながら、山の端にまさに日が沈むところ。
小包の中には、
彼女が若いころ、初めて自分で買ったという淡い桜色の手織りの着物が入っていた。
サツマイモ好きの私だが、この種類は見るのも食べるのも初めて。
種子島の「密芋」というらしい。
今日は雲の多い一日で、寒くて、チロチロずっと薪ストーブを焚いていた。
一緒に入っていた鈴木重子さんのCD___柔らかいボーカルを繰り返し聞きながら、一日中、茨木のり子さんの詩集を読んで過ごす。
他のひとがやってきて
この小包の紐 どうしたら
ほどけるのかしらと言う
他のひとがやってきては
こんがらがった糸の束
なんとかしてよ と言う
鋏で切れいと進言するが
肯じない
仕方なく手伝う もそもそと
生きているよしみに
こういうのが生きてるってことの
おおよそか それにしてもあんまりな
まきこまれ
ふりまわされ
くたびれはてて
ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ
一人で処理してきたと思っている
私の幾つかの結節点にも
今日までそれとは気づかせぬほどのさりげなさで
夢中で読んでいて、ふと顔をあげると、
あたりに色を残しながら、山の端にまさに日が沈むところ。
小包の中には、
彼女が若いころ、初めて自分で買ったという淡い桜色の手織りの着物が入っていた。