「答えのないなぞなぞなんかで時間つぶしするくらいなら、何か、もっとマシなことをなさったらどうですか」
「“時間”をつぶす、だなんて。”時間”てのは、それは繊細な神経をしてるってことを、おまえさん、知らないね」
「おまえさんは、”時間”に話しかけようとしたことさえないだろう!」
「・・・・よく聞きな。”時間”のきげんをそこねないようにさえしたなら、時計の針だって、おまえさんの望みどおりになってくれるのさ。たとえば、いま朝の9時、勉強の始まる時間だとしよう。”時間”にちょっとささやきかければ、時計の針をぐるぐるまわしてくれて、1時半!昼めしの時間だ!」
「それはすてきね」
「ですけど、それじゃ、おなかがすかないんじゃないかしら?」
「まあ、最初はな・・・・」
「そのときは、おなかがすくまで、ずっと1時半にしておけばいいさ」
「あなたは、いつも、そうしていらっしゃるの?」
「それが、ダメなんだ!”時間”とけんかしてしまったんだ」
_____『ふしぎの国のアリス』_____
::::
Yの作ったパンと、
ワタシ作のバナナケーキで、
お茶会をしながら、
はたと考え込んでしまった。
「カラスがつくえに似ているのはな-ぜだ?」
ん、キミはそうきたか!
やっぱり・・・・
「“時間”をつぶす、だなんて。”時間”てのは、それは繊細な神経をしてるってことを、おまえさん、知らないね」
「おまえさんは、”時間”に話しかけようとしたことさえないだろう!」
「・・・・よく聞きな。”時間”のきげんをそこねないようにさえしたなら、時計の針だって、おまえさんの望みどおりになってくれるのさ。たとえば、いま朝の9時、勉強の始まる時間だとしよう。”時間”にちょっとささやきかければ、時計の針をぐるぐるまわしてくれて、1時半!昼めしの時間だ!」
「それはすてきね」
「ですけど、それじゃ、おなかがすかないんじゃないかしら?」
「まあ、最初はな・・・・」
「そのときは、おなかがすくまで、ずっと1時半にしておけばいいさ」
「あなたは、いつも、そうしていらっしゃるの?」
「それが、ダメなんだ!”時間”とけんかしてしまったんだ」
_____『ふしぎの国のアリス』_____
::::
Yの作ったパンと、
ワタシ作のバナナケーキで、
お茶会をしながら、
はたと考え込んでしまった。
「カラスがつくえに似ているのはな-ぜだ?」
ん、キミはそうきたか!
やっぱり・・・・
うっすらあった雪は、
オレンジ色の朝日で、すぐに溶けた。
今日の青い空に似合うよう、
深い緑のスカートをはいてみた。
有機栽培のコーヒーを淹れ、
おいしい窯出しカステラも、特製モチッとスパゲッチも食べた。
PPMも、ボブディランも、ミシェルポルナレフも、
そして、カーペンターズも聴いた。
なのに・・・・
一瞬にして、
手の指が冷たくなって、
右下腹がキリキリ痛みだす。
しばらくは、
スカートは履けそうにもない。
コーヒーも飲めそうにもない。
音楽が聴けそうにもない。
きままな春の風が、
運んできた一枚の紙。
それは、
薄汚い一枚の紙。
オレンジ色の朝日で、すぐに溶けた。
今日の青い空に似合うよう、
深い緑のスカートをはいてみた。
有機栽培のコーヒーを淹れ、
おいしい窯出しカステラも、特製モチッとスパゲッチも食べた。
PPMも、ボブディランも、ミシェルポルナレフも、
そして、カーペンターズも聴いた。
なのに・・・・
一瞬にして、
手の指が冷たくなって、
右下腹がキリキリ痛みだす。
しばらくは、
スカートは履けそうにもない。
コーヒーも飲めそうにもない。
音楽が聴けそうにもない。
きままな春の風が、
運んできた一枚の紙。
それは、
薄汚い一枚の紙。
昨夕、家に戻ったら、
薄暗い中の、
そこだけにぽうっと明かりが灯ってた。
山吹色のミモザの花束。
ありがとう。
昨日は、ちょっとヤバかった。
息切れ、動悸、手のしびれにクラッ。
2年前の悪夢が頭をよぎる。
この季節は、どうも・・・・
::::
孤独の座っているところへ
花がくる
花
花は
人の心のなかに開き
人の心になかに散る
花
春を呼ぶ花
___岡村民「花」___
今日の昼下がり、
白いシャツとふんわりスカート。
Sさんの手作りケーキで、お茶の時間。
S.E.N.S.の音楽と、
長く伸びた陽の光が、
春の花と、
ざわつく春の心をやさしく包む。
薄暗い中の、
そこだけにぽうっと明かりが灯ってた。
山吹色のミモザの花束。
ありがとう。
昨日は、ちょっとヤバかった。
息切れ、動悸、手のしびれにクラッ。
2年前の悪夢が頭をよぎる。
この季節は、どうも・・・・
::::
孤独の座っているところへ
花がくる
花
花は
人の心のなかに開き
人の心になかに散る
花
春を呼ぶ花
___岡村民「花」___
今日の昼下がり、
白いシャツとふんわりスカート。
Sさんの手作りケーキで、お茶の時間。
S.E.N.S.の音楽と、
長く伸びた陽の光が、
春の花と、
ざわつく春の心をやさしく包む。
昨冬までの焼き芋、おでん、野菜のごった煮を蹴落として、
今冬の定番昼食は、なぜかお好み焼き。
カッカと燃えさかる火が、
ちょっと落ち着く昼前がちょうどいい。
薪ストーブの上に、鉄のフライパンを置き、
その日の冷蔵庫の中にあるもの4,5種類いれ、
じっくり焼くと、
卵と山芋入りふんわりお好み焼きの出来上がり。
ちなみに、
今日は、キャベツに玉ねぎ、桜エビにこんぶとハム。
::::
お好み焼きは昔から大好物。
どうも、故郷を感じてしまうのは、
中高生時代に、
町に出て遊んでは、いつも食べていたから?
階段をトントンと上っていくとあった、お好み焼き屋さん。
こけし柄の暖簾をくぐると、ちょっとスモークがかかったような。
ワイワイいいながら、
カツオブシと青のりを山盛りにかけて作り、
おにぎり2個と一緒にほおばる。
そして、決まって、シメはソフトクリーム。
確か、スタンプを集めると、
いろんな産地のこけしが貰えた。
こけしがたまるのが、楽しみだったなぁ。
大学進学で上京し、
初めて、入ったお好み焼き屋さんは、渋谷のセンター街。
そこで見たのは、マヨネーズかけ。
ひぇー驚いた。
だって、
そのころの熊本では、確かソースだけだったモン。
それにしても・・・・
大学入学まもなくから、
週何日か卒業までアルバイトを続けたのは、
なんと、大学近くのお好み焼き屋さんだった!
バイトの日のお昼は、
もちろん大好物のお好み焼き。
そのなかでもエビ天が一番。
たまにあった、夜の手伝いのときには、
お客さんから、あんみつをごちそうしてもらったワ。
おいしかったなぁ~。
楽しかったなぁ~。
と、
感慨にふけっている場合ではない。
ココには、とんだオチがあったのだ。
な、な、なんと
そこで出会ったのが・・・・
そういえば、
33年前のちょうど今日が、
ブルブル寒さの軽井沢での結婚式だったワー。
ひゃー
お好み焼き好きのワタシが、
ラッキーと思ってバイトした、
あのお好み焼き屋さんが、
ワタシの一生を狂わせてしまったのかぁ
恐るべしお好み焼きぃ~
今冬の定番昼食は、なぜかお好み焼き。
カッカと燃えさかる火が、
ちょっと落ち着く昼前がちょうどいい。
薪ストーブの上に、鉄のフライパンを置き、
その日の冷蔵庫の中にあるもの4,5種類いれ、
じっくり焼くと、
卵と山芋入りふんわりお好み焼きの出来上がり。
ちなみに、
今日は、キャベツに玉ねぎ、桜エビにこんぶとハム。
::::
お好み焼きは昔から大好物。
どうも、故郷を感じてしまうのは、
中高生時代に、
町に出て遊んでは、いつも食べていたから?
階段をトントンと上っていくとあった、お好み焼き屋さん。
こけし柄の暖簾をくぐると、ちょっとスモークがかかったような。
ワイワイいいながら、
カツオブシと青のりを山盛りにかけて作り、
おにぎり2個と一緒にほおばる。
そして、決まって、シメはソフトクリーム。
確か、スタンプを集めると、
いろんな産地のこけしが貰えた。
こけしがたまるのが、楽しみだったなぁ。
大学進学で上京し、
初めて、入ったお好み焼き屋さんは、渋谷のセンター街。
そこで見たのは、マヨネーズかけ。
ひぇー驚いた。
だって、
そのころの熊本では、確かソースだけだったモン。
それにしても・・・・
大学入学まもなくから、
週何日か卒業までアルバイトを続けたのは、
なんと、大学近くのお好み焼き屋さんだった!
バイトの日のお昼は、
もちろん大好物のお好み焼き。
そのなかでもエビ天が一番。
たまにあった、夜の手伝いのときには、
お客さんから、あんみつをごちそうしてもらったワ。
おいしかったなぁ~。
楽しかったなぁ~。
と、
感慨にふけっている場合ではない。
ココには、とんだオチがあったのだ。
な、な、なんと
そこで出会ったのが・・・・
そういえば、
33年前のちょうど今日が、
ブルブル寒さの軽井沢での結婚式だったワー。
ひゃー
お好み焼き好きのワタシが、
ラッキーと思ってバイトした、
あのお好み焼き屋さんが、
ワタシの一生を狂わせてしまったのかぁ
恐るべしお好み焼きぃ~
少年が 大きなスコップを持って
土を掘る仕草で道に突きさす
舗装の道は スコップをはね返して
ガジン と
背を向けた冬を呼び戻す
弾き返されても
掌に唾をつけて掘っている
跳ね返る硬質の音の虚しさにつき当たる迄
少年はスコップを突くのだろう
自転車をとめてひき返す
「わたしと一緒に畑においで」
少年は石ころをスコップの先でころがして
仕草だけは止めそうにない
「わたしと一緒に畑においで 土を掘って 花の種をうえよう」
少年がにぎりしめている
スコップの力強さに
答える畑があったか
できあいの春をかざって
いつの間にか大人の顔に変わっていく事を拒絶する
少年のスコップを突く音が
冬よりも凍みる寒さでおいかけてくる
___保坂登志子「冬もどり」___
::::
三月というのに、昨日も今日も、
絶え間なく雪が落ちてくる。
春は遠のいたのかと、
外に出て、両手でそっとすくってみる。
その重さに、思わずたじろぐ。
二人分の悲しみの重さよ。
それは、いつも突然にやってくる。
と、思ったのはワタシだけ。
それは、いつもキミの中で、
絡まりながら、ぐるぐるあったもの。
この重さに耐えねばと、
伸ばした腕に、ぐっと力を入れ、
あの言葉を、奥歯で噛みつぶす。
明日も、あさっても、
そうして、
いっそ、ずっとずっといつまでも、
この名残の雪が、降り続けばいいと思う。
これが、春の近さというのなら。
土を掘る仕草で道に突きさす
舗装の道は スコップをはね返して
ガジン と
背を向けた冬を呼び戻す
弾き返されても
掌に唾をつけて掘っている
跳ね返る硬質の音の虚しさにつき当たる迄
少年はスコップを突くのだろう
自転車をとめてひき返す
「わたしと一緒に畑においで」
少年は石ころをスコップの先でころがして
仕草だけは止めそうにない
「わたしと一緒に畑においで 土を掘って 花の種をうえよう」
少年がにぎりしめている
スコップの力強さに
答える畑があったか
できあいの春をかざって
いつの間にか大人の顔に変わっていく事を拒絶する
少年のスコップを突く音が
冬よりも凍みる寒さでおいかけてくる
___保坂登志子「冬もどり」___
::::
三月というのに、昨日も今日も、
絶え間なく雪が落ちてくる。
春は遠のいたのかと、
外に出て、両手でそっとすくってみる。
その重さに、思わずたじろぐ。
二人分の悲しみの重さよ。
それは、いつも突然にやってくる。
と、思ったのはワタシだけ。
それは、いつもキミの中で、
絡まりながら、ぐるぐるあったもの。
この重さに耐えねばと、
伸ばした腕に、ぐっと力を入れ、
あの言葉を、奥歯で噛みつぶす。
明日も、あさっても、
そうして、
いっそ、ずっとずっといつまでも、
この名残の雪が、降り続けばいいと思う。
これが、春の近さというのなら。
「何やってるの!」
自分自身の大きな叫び声で目が覚めた。
午前4時。
恐ろしく嫌な夢。
昨日、ユングとかフロイトの出てくる、『健康な人格』を読んでいたからか?
朝が来ても、
夢の中の映像と、
そして、声までが蘇ってきて、
ゾクッと身震い、後味悪い。
ヤな感じ。
「あらっ!」
降り続く雪を見ながら、
いつものように朝食を摂っていると、
カチッ。
パンを噛んだくらいで、歯が欠けるのだから、
よほど弱くなっているんだろう。
舌で奥歯の先を触ってみると、
ザラギザしていて、気持ち悪い。
ヤな感じ。
こりゃ、朝から気分が悪いワ。
今日は一日、
薪ストーブの前で、
ハシにもボーにもかからない、ドクにもクスリにもならない話(とは作者本人の弁)、
南伸坊のエッセイ、『笑う茶碗』でも読んで、
このなんだかクローイものを、
振り払うとしよっ。
あっ!
山盛りの、
チューリップの曲も必要だワ。
自分自身の大きな叫び声で目が覚めた。
午前4時。
恐ろしく嫌な夢。
昨日、ユングとかフロイトの出てくる、『健康な人格』を読んでいたからか?
朝が来ても、
夢の中の映像と、
そして、声までが蘇ってきて、
ゾクッと身震い、後味悪い。
ヤな感じ。
「あらっ!」
降り続く雪を見ながら、
いつものように朝食を摂っていると、
カチッ。
パンを噛んだくらいで、歯が欠けるのだから、
よほど弱くなっているんだろう。
舌で奥歯の先を触ってみると、
ザラギザしていて、気持ち悪い。
ヤな感じ。
こりゃ、朝から気分が悪いワ。
今日は一日、
薪ストーブの前で、
ハシにもボーにもかからない、ドクにもクスリにもならない話(とは作者本人の弁)、
南伸坊のエッセイ、『笑う茶碗』でも読んで、
このなんだかクローイものを、
振り払うとしよっ。
あっ!
山盛りの、
チューリップの曲も必要だワ。
行きつ戻りつ春が来る。
昨夜からのぱあらぱらの白を、
今朝の暖かな光と風が、すぐに払って、
今日は、
一日、春の日。
::::
きょうは あたたかい
かぜが やさしいね
ちょうちょ とんでるよ
ありも あるいてる
かげろうが ゆれてるね
ひるね したくなる
すみれいろの ゆめ
きっと みられるね
ひるねから さめて
せのび してみれば
まだ ひはながい
とろとろと はるのひ
____すみれほのか「ひるねのひ」___
ここ数週間前から、
西窓の網戸に、ピクリともせず貼りついたまま、
死んでいるのかと思えた2cmほどの茶色の虫。
昼前になって、ちょっぴりだけ体の位置を変えたと思ったら、
2時間後には、消えていた。
「春です。飛びまーす。」ってね。
気がつくと、
薄緑のふきのとうが芽を出し、
青いオオイヌフグリが咲いていた。
「ココにもやっと春かぁ。
これから、次々と色が現れるのが、楽しみぃ。」
なあんて、ぼんやり思っていたら・・・・
ふほあっっっ。
なんとも、
小さく流れるドビュッシーの前奏曲が、
眠りを誘いますなぁ。
とろとうろしますかぁ。。
昨夜からのぱあらぱらの白を、
今朝の暖かな光と風が、すぐに払って、
今日は、
一日、春の日。
::::
きょうは あたたかい
かぜが やさしいね
ちょうちょ とんでるよ
ありも あるいてる
かげろうが ゆれてるね
ひるね したくなる
すみれいろの ゆめ
きっと みられるね
ひるねから さめて
せのび してみれば
まだ ひはながい
とろとろと はるのひ
____すみれほのか「ひるねのひ」___
ここ数週間前から、
西窓の網戸に、ピクリともせず貼りついたまま、
死んでいるのかと思えた2cmほどの茶色の虫。
昼前になって、ちょっぴりだけ体の位置を変えたと思ったら、
2時間後には、消えていた。
「春です。飛びまーす。」ってね。
気がつくと、
薄緑のふきのとうが芽を出し、
青いオオイヌフグリが咲いていた。
「ココにもやっと春かぁ。
これから、次々と色が現れるのが、楽しみぃ。」
なあんて、ぼんやり思っていたら・・・・
ふほあっっっ。
なんとも、
小さく流れるドビュッシーの前奏曲が、
眠りを誘いますなぁ。
とろとうろしますかぁ。。