草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

山の様に

2013-04-07 07:16:14 | おでかけ



楽しみにしていた
丸尾康弘さんの個展を見てきた。

初日ということもあってか、
会場は大勢の人たちで溢れていたが、
幾人もの知り合いの顔もあり、
その中でも、
30年近く前に、2人の息子たちがお世話になった、
絵画教室の先生がいらして嬉しかった。



さてさて、
作品は____
いつもの小品の中に、
1mを超える大きな作品が、いくつか在る。
『山の様に』と題された作品群に圧倒される。

20年ほど前に、初めて丸尾さんの作品を見、
その静けさに魅了された。
時を経た今回のものは、
その静けさに加わる、強さと優しさ。


山のように座り
山のように眠り
山のように泣き
山のように笑い
山のように祈る。
彫刻家、丸尾さんは山のように、
いやいや、
自分自身が、山そのものになってしまいたいのではないかとさえ思えた。


         
         人は、
         ついに、山へ戻りたいのではなかろうか。
         目の前で、霧を纏ったり脱いだりしている、
         今日の小野子を見上げながら、
         ふと、そう思った。。
         
         

フジコ・ヘミング

2013-04-01 13:24:31 | おでかけ



相変わらずの人気ぶり。

「前橋だったら行けるでしょう」ということで、
娘から誕生日にプレゼントされたフジコ・ヘミングのチケット。
開演一時間前に到着したが、すでに駐車場は満車。
何事かと思うくらいの人・人・人。
やっとのことで中にはいると、ロビーも溢れんばかりの人・人・人。
トイレは長蛇の列だし、CD販売の前は黒山の人だかり。
一度に2000人が集ったのだからそういうものか。



イースターの昨日、
バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』で始まった演奏は、
どうもぎこちなく、続く『シチリアーノ』になっても硬さが取れない。
そして、
シューマンの21もの小品、『謝肉祭 作品9』が進むにつれて
やっと落ち着いてきた感がしてきたものの、
おはこのショパンやリストでも、
5年前に聴いたものとは
明らかに違っていて、落胆を隠せなかった。


最後のあいさつで、
1カ月ほど前からの風邪が抜けず、
聞こえない耳に、自分の話声が響いてとてもつらいと。
ああ、そうか。
年齢に加え、やはり体調が悪かったのだ。


一日で、何千万というおカネが動く商業ベースに、
無理やり乗せられているようで、
その姿、
その音を痛々しく感じたのはワタシだけだっただろうか。



    
       
       いつも自由で、
       淡々と弾いてほしいものだと思いながら帰途に就く。

       できることなら、
       人ひとりいない深い霧に覆われたココで・・・・も一度『ラ・カンパネラ』を。