草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

ぎゃああああああ!!

2010-06-23 17:42:36 | 山の暮らし
少し前から、
ブロッコリーの葉っぱに、虫食いがあるなぁとは思っていたが・・・・
雨上がりの今日、よーく見てみたら、
なんと、
青虫がびっしり
があああああ!


って、
これは当たり前のこと?



      ::::



ぎゃあああああの本星は、これではない。
なんとがいたのだ。
コレは、イケマセン。

昼前、
ソファに座り、
アリシア・デ・ラローチャのピアノを、
気持ちよく聴いていたら・・・・・
ワタシの視界の端で、何かが動いた!
えっ
ネズミ?
まさか

いや、やっぱり。
小さなネズミだった。

信じられないという気持ちと共に、
鳥肌が立ち、心臓がドキドキドッキン
「どこから入ったのだろう?」
「いつ入ったんだろう?」
いや、そんなことより、
「どうしよう、どうしよう」
頭の中がパニックになりながらも、捕獲方法を考える。
うん、
とりあえず、
ちょこちょこ走りそうな場所に
ガムテープを敷いて、米粒を。

そーしたら、
数十分で、キューキュー鳴き声。
引っ掛かった、引っ掛かった。
が、
さて、この後どうする?
まずは、箒でガムテープごと外に掃き出した。
が、
箒にくっついたまま。
そのうち、
もがきながら今にも逃げ出しそうに。
逃がすわけにはいかぬと、
思わず、傍にあった植木のポットをかぶせた。

大捕り物。
ココまではうまくいったが、
さて、さて、どうしよう。
思案、思案。

と、
いいところに、
Tさんご夫婦、来店。
そして、
勇敢にも、
道を挟んだ森のほうへ持っていき、ポーンと。



      ::::



あーひと安心。
が、
実は、
これで終わりではなかったのだ!

甕でもかぶせて、衰弱死を待つしかないと思っていたのが、
Tさんのおかげで、命拾いしたわけだから、
「ネズミの恩返しでもあるかなー」
なんて、
Yと軽口を叩いていたのだが・・・・・

なんと、
数時間後、
家のガラス戸のところでウロウロ。

ぎゃああああああ

えっ
さっきのが、道を渡って、戻ってきた?
ホントに、恩返しにきた?
えっそんな
それとも、別の
大きさは、前のと同じく体長5cmくらい。

今度も、
ガムテープを、あちこちに置いてみたが、
広い庭のどこに行くか予想がつかない。
それではと、○ンチョールを持って、追いかけるが、
すばしっこく、
シューシュー掛けた薬剤で、
こっちが、
気持ち悪くなった。


アー困ったぁ。
アー嫌だなぁ。



    ココに来て、3年。
    初めて、
    我が家でを見てしまった。
    ドアを開けたらすぐ閉める。
    まずは、
    家の中に入れないように、
    気をつけねば。だけど、

    根本対策を考えると、
    今夜は眠れそうにないワ。

残したもの

2010-06-21 17:30:49 | 山の暮らし
クローバーと共に、
我が家の庭に残したものは、ヘビイチゴ。


このヘビイチゴ、
先日いらしたお客様の目にとまり、
焼酎で漬けると、虫さされに効くからと勧められた。

で、
早速に。



ちょうど、
数日前から、
なぜだか、両腕の所々に、
突然、変な湿疹ができてしまったので、
試してみましょ。



    ちなみに、
    ヘビイチゴの焼酎づけの横のは、
    Sさんから頂いた、
    手製の桑の実のシロップ煮。
    間違えないようにしなきゃ。


    ちなみついでに、
    例の椅子も、
    もうしばらく、
    残すことに。。

残すもの

2010-06-20 21:06:13 | おでかけ
シロツメグサが咲き乱れるポランの広場で、
動物たちの夏祭り。

10数年前に買った、
大好きな版画の一つ、高橋幸子さんの作品。

山を下り、
別のまた山を上り、
中之沢美術館で開催中の彼女の作品展に、
ワークショップがあるという、今日、
出かけた。

いつか、お会いしたいと思っていたから。

やっぱり、
作品のように、
明るく、お茶目で、
おおらかで、素敵な方だった。



        ::::


その後、
前橋まで下りて、
klartさんへ。

以前、1脚だけ直してもらった我が家のメインチェアー。
どうも、このところ、他の3脚もイマイチになってしまって。


この椅子、10年ほど前、
アンティークショップで買って使用していたが、
ココに来るとき、一度は処分しようと思った。
が、「もったいないよ」という声もあり、
布だけ張り替えて、高山に持ってきた。

ところが、
金属コイルのスプリングが悪く、
座ると、ズトーンと沈んでしまう。
初めは1脚だけ気になっていたのが、
ついに・・・・

5脚あったとき、
1脚を自分ではがしてみたことがある。
なんと、周りに藁が入っていた。
相当、古ーいもののようだ。

修理に、結構かかるとなると、
椅子好きのワタシとしては、
この際、買い替えたい気もないではない。
シンプルで、いい感じのものがあるんだよな。
でも、
今まで、かかった費用を思うと惜しいし・・・・
いやそればかりじゃなく、
なんてったって、使い捨てはね。


ちょっと、揺れてる。



         ::::



そうそう、ところで、
高橋さん作の図案を元に、
一時間半余りで出来上がった、
ワタシの版画は、コレ。
彫刻刀を手にしたのは小学生以来。
不器用で、大雑把なワタシのこと。
もちろん、先生のお手本には似ても似つかぬものではあるけれど・・・・


遠目には、なかなかでしょう。




    
     今の季節、
     昨年までは、庭一面のクローバーだった。
     大がかりな昨夏の庭整備で、
     今年は、ぼそっ、ぼそってな感じ。
     これは、
     草刈りのとき、
     大事に残しておいたもの。

     そろそろ、 
     あの版画が見たくなった。。










ちょっぴりビタミンA

2010-06-18 13:32:35 | 山の暮らし
そろそろ、夏野菜の収穫が始まるかな。
と、言っても、
まだ、コレだけ。

苗はそう大きくはなっていないが、
ピーマン2株のそれぞれが、一つずつ実をつけた。

その右隣のナスは、
一旦、実をつけたものの、
いつの間にか萎んでしまっている。
左隣のブロッコリーや、
奥のジャガイモは、葉っぱにポツポツ虫食いのあと。
それにしても、後から植えたメークインが、
ちょぼちょぼ花をつけ始めたというのに、
先に植えたダンシャクがなかなか大きくならないのはなぜ?

トウモロコシとエダマメは順調かな?
期待を背負ったトマトは、ミニトマトに数個青い実。
その前に植えたキュウリ5株のうち、1本だけはかろうじて生き延び、
その横のインゲンもやっと目を出したが、
どうも、大きくなる気配はない。


途中経過は、こんなとこ。


あっ!
ブルーベリーは、例年のごとく、
またもや、2本は消え、
足した1本にも全く花はついてなく、
何株も植えたはずのラズベリーも、
ほとんど姿を消し、わずかに残った3本も20cm足らずで
どうにか立っていますよってな感じ。
どうして!?
ほっといても、嫌になるほど増えると聞いたけど。


  
     まあ、
     とりあえず、
     今日は、
     この青々としたビタミンAをサラダで。

たっぷりビタミンC

2010-06-16 13:26:53 | 山の暮らし
今年のイチゴは、
期待通り、豊作のなんのって!

毎日、
朝夕、20個ずつくらい採れる。
しかも、
おいしい。

鳥やアリに先取りされないうちにと、
まだ、青みが残っているうちに、
急いで収穫しているが、
結構甘い。

採りたてをそのまま食べたり、
ヨーグルトやアイスに入れたりと、
もう100個以上は、食べたと思うけど、
まだしばらくは、採れそう。


3年目の今年、
ほったらかしで、この収穫量。
来年は、どうかなぁ。
どんどん増えて行けばいいのだけれど・・・・




入荷のお知らせ

2010-06-11 14:16:46 | ぎゃらりー「草の葉」
岡本さんの藤の作品も、
久しぶりに届きました。

いつもの藤で編む籠類も素敵ですが、
今回は、アクセサリーです。


ペンダント、イヤリング、バレッタ、ブローチ、ブレスレット、ストラップ・・・・
深緑と黒、それに茶を基調に、
シックでモダンに仕上がっています。

見た目の涼やかさで、
これからの季節にはもちろんのことですが、
秋冬にも、
おしゃれではないかと感じました。


どうぞ、ご高覧下さい。




     今日のワタシは、
     真っ白のブラウスに
     墨黒の中に、深い緑と茶が覗く、
     六つの花の塊のようなブリーチを胸元に。。

入荷のお知らせ

2010-06-08 05:30:42 | ぎゃらりー「草の葉」
久しぶりに、
そして、
やっと、
森下さんの器が入荷しました。



小笠原父島に移住されて一年。
ようやく、
窯のコントロールができるようになったそうです。
今回入荷の分は、
小笠原に持って行ったという、
以前の土で作っていただきました。
この土は、もうなくなり、この作品が最後となります。
窯の違いで、
粉引のほうは、以前より明るめに出来上がりました。
これまでの彼の作品を知る方にとっては、
貴重で、数も少なめですので、
どうぞお早めに。

今後は、地元の土での新しい作品です。
小笠原の風土と、
彼のおおらかさのを加味して、
どんなものが生み出されるでしょう。
それは、それで、
また楽しみでもあります。



     ::::



尚、
6月にご来店の方に、
ちょっとした器をプレゼントさせていただいております。

ぎゃらりー「草の葉」、この5月で3周年です。
3年は、3年はと思ってやってきて、
一つの区切りです。

自分の好きな音楽やアート、クラフトに囲まれ、
穏やかな空間と時間の中で、
淡々と生きていけたら____
という思いで、ココに移り住み始めましたが・・・・

夢のようにはいきません。
でも、
夢を捨てるわけにはいきません。
それが、ワタシの生き方ですから。


これからのことは、思案、模索中です。
が、
とりあえずは、
7月に、うれっしいイベントが入っています。
後日お知らせいたします。



閑雅なコンサート

2010-06-07 04:45:14 | ぎゃらりー「草の葉」
「いいコンサートだった」
昨日は、
みなさんが口々におっしゃる
いいコンサートだった。



     ::::



留学なさっていたドイツの話や、
ゲーテの詩の朗読を織り交ぜながら、
きれいなドイツ語で歌われた、天田さんの「すみれ」や「野ばら」。
高校のとき、声楽科志望でちょっとだけドイツ歌曲をやり、
入学した文学部の大学で、ちょっとだけドイツ語をやったワタシは、
ちょっとだけ思い出し、懐かしかった。
それに続く日本歌曲は、
その表現豊かな歌唱力に、
もう、みなさん、
頬を緩ませたり、思わず目頭を抑えたり・・・・

休憩は屋外で。
コーヒーを飲みながら、
緑の清新な空気を、
体中に取り込んで。

「ブラームスはお好き?」
「はい、大好きです」
後半の初めは、
志村さんのピアノで、ブラームス。
いいなぁ。
閑雅な食欲を満たして、
うっとり。。
終盤は、
山村暮鳥や立原道造、萩原朔太郎の詩を元に作曲された、
志村さんのいくつかの歌曲を、
天田さんが歌われた。

詩の解釈は難しく、
また、それぞれの取り方もあろうが、
志村さんの深く詠み込まれた楽曲に、
天田さんの、詩情想い膨らませての作品であった。

そして、
最後の最後は、
志村さんが「草の葉」の印象と重ね合わせて下った、
萩原朔太郎の『閑雅な食慾』。




     松林の中を歩いて
     明るい気分のかふぇをみた。
     遠く市街を離れたところで
     だれも訪づれてくるひとさへなく
     林間の かくされた 追憶の夢の中のかふぇである。
     をとめは戀戀の羞をふくんで
     あけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組
     私はゆったりとふぉーくを取って
     おむれつ ふらいの類を喰べた。
     空には白い雲が浮んで
     たいそう閑雅な食慾である。

       



       ::::




当初、30席の予定が、
50席に。
この小さなギャラりーは、どうなる事かと案じたが、


白い雲が浮かんだこの日、
山や空、鳥や人、
そして、夢が加勢して、
草の葉で、
閑雅なコンサートが行われた。。

ぎゃらりー「草の葉」 コンサートのお知らせ

2010-06-06 06:44:58 | ぎゃらりー「草の葉」
初夏の「草の葉」で、
歌とピアノのコンサートを開催いたします。

ピアニストの志村陽一さんは、昨晩秋以来、2度目となります。
前回は、バッハのパルティータをはじめとして、舞踏曲が主でしたが、
今回は、どんな曲を用意してくださっているのでしょう。
芸大卒業後、ドイツ留学の経歴のあるメゾソプラノの天田美佐子さんは、
日本歌曲を得意とされています。
「草の葉」をとても気に入ってくださっているご様子。
この景色と響きあう音楽が楽しみです。


   日時   6月6日(日)15時開演
   入場料  1500円(コーヒー付き)限定30席



     満席になりました。


    ぎゃらりー「草の葉」
     ℡0279-76-7003




疲れたぁ~

2010-06-04 18:55:43 | 山の暮らし
非常に疲れたぁ~。



明後日のコンサート、
当初の予定より、かなりの方をお迎えすることになるため、
この小さな家の中は、もうターイヘン。

オルガンや鉄の薪入れはもちろんのこと、
我が家で1番か2番目に重く、
大きなケヤキの古材のテーブルまで外に出すことに。

全てを取っ払ったので、
ついでに、土間部分の大掃除。
Yが、水を出しながらデッキブラシでゴシゴシ擦り、
ワタシが、そのあとから、這いつくばって、
ギュッギュッ、シンデレラの床磨き。


コレがきついんだよね。

何枚も雑巾を用意し、
拭いては、傍らのバケツに泥水を絞る。
泥水を捨て、また雑巾を洗って、拭いて・・・・を繰り返す。



この土間、どうもイケナかった。
光沢がなく、
そして、なるべく土の雰囲気のものをと思ったのが、仇に。
このタイル、ワラや土の様なものが入ったものらしく、
箒で掃いているうちに、
また、歩くことで、
中の砂の様なものが出てきて、
ほこりっぽいったら、ありゃしないのだ。
雑巾掛けしても、良いのはほんのしばらくで、
その雑巾も、何度拭いても、真っ黒になる。
土を拭いているようなものだから、当たり前なのだが。


すぐに、後悔したものの、
対策がない。

表面をコーティングするようなものがあればよいのだけどなぁ。



    ということで、
    その掃除に3時間かかって、
    本日、ぐったり。。


伊豆半島の旅 終章

2010-06-03 05:49:05 | おでかけ
翌朝も、
山歩き好きの母を誘って、散歩好きのワタシは小高い丘へ。
「おしゃぶり婆さん」の石仏があるという。
ちょっと距離はありそうだが、興味がわく。
こりゃ、見ないわけにはいかないでしょ。

山道を400mほど登った場所に、ひっそりと。
ウーン、二体あるんだけど。
一体は、古く苔むし、崩れかかっている。
そして、少し左に傾いているその姿は、
いかにも、婆さんがお乳を含ませている感じに見える。
少し新しいもう一体は、
左のお乳が膨らんだ、長い髪の婆さんが、
上目づかいに、ニカッとしている。
母は、「ちょっと恐ろしかぁ」と、言っていたが、
ワタシには、かわいらしく思えたヨ。

まあ、どっちでもいいや。

赤子のおしゃぶりから、この名があり、
子育ての神様らしい。
じゃあ、まあ拝んでおかなきゃ。
どちらにも、パチパチ。

そのあと、
3人で、近くを散策。
宿に戻り、4つ目の風呂に入る。
温泉嫌いのワタシだが、
コレは楽しみにしていた。
3年の年月をかけて、昭和9年に出来たという、
文化財になっている大浴場。
運よく、だ~れも居ず、
巨石の上に立つ、巨大な丸柱5本で支えられた、
天平様式の高い天井を見上げて、
ゆったりと湯船に浸かり、感慨にふける。





      ::::




帰路は、
三島まで行き、新幹線に乗りこむ。
母と妹は、飛行機に乗るため、先に品川で下りる。
そこから、2組は、北と南に。

ワタシは、
ひとり、東京から上越新幹線に乗り継ぐ。
車窓からの景色は、
次第に、見慣れたものになるはずだが、
懐かしさはそこにはなく、
よそよそしく映る群馬の山並みに、
思わず涙が、ぽろぽろこぼれてしまった。



また、いつか、
3人で旅ができるだろうか。

80になる母はもちろんだが、
ワタシや妹だって、
50を過ぎた途端、
次々と健康不安が絶えない。
却って、母よりも・・・・?
コレが最後かも?


先のことはわからない年齢に、
いつの間にか、
なってしまった。




     ::::




それぞれが、
それぞれの想いを刻んだ旅は終わった。



さあ、
明日からまた、
人生の終章まで、
女3人、それぞれ別の場所で、
別の日常が始まる。




伊豆半島の旅 二章

2010-06-02 14:37:06 | おでかけ
翌朝は、早くから、
社のある近くの丘に母と登る。
苔むした急な階段が500段もあるような場所。
母は、頂上まで行きたいようだったが、
あまりに危なそうだったので、ワタシが止めて、途中まで。
しかし、
松の木の間から見える、広くまっすぐな水平線の、
その眺めのなんと素晴らしきかな。
晴れていれば富士も見えるという。

宿の付近から、
半島先端近くを縦走できる歩道もあるらしく、
山歩きが趣味の母は、
「また、今度来ようかね」とつぶやいていたが・・・・


宿を後にして向かったのは、堂ヶ島。
船で洞穴を周ったあと、、
今度は、その上を歩いて周る。
上り下りの多い急な階段。
ワタシの後ろから、ハーハー。
母の苦しそうな息使いが聞こえる。
小さい体で、20kgのリュックを背負って、
何十年と山歩きを続けていた母とは思えず、
驚きと、
そして、切なさがぐっとこみ上げる。
2年半前、
我が家の目の前の小野子山から、
中岳、十二ヶ岳と1200m級を縦走したときは、
2人分の弁当を背負った母、
手ぶらのワタシの先を、サッサカ、ズンズン登っていたのに・・・・

年々衰える自分の力の無さは、
気の強い母にとって、どんなに腹立たしいものか。
背筋をピンと伸ばし、おしゃれにも気を使い、
外見はそう変わっていないとはいえ、
もう傘寿。
確実に弱っている足腰は、
転んで骨折でもしたら、それこそ寝たっきりに。
山に行くのも、もうそろそろやめてほしいと思う反面、
これこそが、彼女の代名詞、
出来るものなら、長く長く続けてほしいと願うワタシがいる。




     ::::



堂ヶ島から、
また2時間近くバスに揺られ、修善寺へ。
花の咲き乱れる虹の郷を歩いた後、
修善寺温泉、新井旅館へ。
今回の旅行、妹の企画は、
全て、ココから始まったらしい。
1872年創業の老舗の旅館。
2500坪の敷地に、
明治、大正、そして、戦前までに建てられた15棟の建物は、
今では、国の文化財に登録されている。
横山大観、川端龍子、芥川龍之介、幸田露伴、正岡子規等、
多くの名だたる画人、文人もお気に入りだったという、
趣のある建物はもちろんのこと、
岩盤の上に立つその姿と、
桂川からひいた水の景色、
樹齢800年のケヤキを中心とした庭園の織りなす風情は、
筆舌しがたく、
ただただ、ため息。

ワタシたちは、
そのひとつ、木造2階建て、数寄屋造りの「花の棟」に宿泊。
緑の紅葉が抱え込む、目の前の桂川の流れ。
その上をスーッと舞うカワセミ。
その向こう岸には、
優しくかつ雅な竹林が、なにか舞台のようにある。
どこかでは、カジカの鳴く声。
部屋にある足湯につかりながら、
いつまでもいつまでも飽きずに眺め、聴き入っていた。




    妹の目算通り、
    超一級の佇まい、もてなしは、
    まさに、上質のくつろぎであった。






                つづく・・・・






伊豆半島の旅 一章

2010-06-01 06:13:57 | おでかけ
5月29日、朝、5時50分に家を出る。
例のごとく最寄り駅、金島から始発に乗り、
横浜で、
前日に、熊本から上ってきていた母と妹に合流して、
伊豆半島の旅へ。

2年半ぶりの3人で旅、
今秋、80になる母との思い出づくりの旅である。



     ::::


ちょくちょく、母と旅している妹が、
あちこちにサプライズを企画してのこの旅。
横浜で乗りこんだ母は、座席にいるワタシにびっくり。
前夜の我が娘との驚きの再会と共に、
しばらくは、
あら!まあ!!の話で盛り上がる。


「踊り子ビュー」の窓に、
ポツポツあたっていた雨も、
下田に着いたころは上がっていて、
まあ!ラッキー。
そこから、海岸沿いをバスで。
くねくね変化に富んだ窓外の海の景色を見ながら、
金目鯛弁当を食べながら、
「きれいかねぇ~」を連発しながら俳句の町松崎まで。

俳句をたしなむ母は、
長八記念館や風情あるナマコ壁のある古い町並みを散策しながら、
いたるところにある句碑に足を止め、
「ウーン」と一句。
甘い物好き3人は、ギャラリーのカフェでお決まりのクリームあんみつ。
そこから、少し戻って、その日は、雲見で泊まる。

温泉に入ると、
母が背中を流してくれた。
何十年振りだろう。
子どもの頃、
「痛い、痛い」と嫌がり、逃げ回っていたあの母の垢擦り。
大人になっても、結構キツかったのだが、
今はもう、少しも痛くはなく・・・・
ワタシは、
「流そうか」
を、とうとう言いそびれてしまった。
湯船の中から、
妹が流す、老いた母の背中を見ながら、
ついさっきの母の手の感触を
しっかり、
しっかりと心に刻みつけようとしていると、
不意に、涙がぽとぽと湯船に落ちた。



    夕食は、
    館主が採ってきたばかりという海の幸が、山盛り。
   


                                  つづく・・・