草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

漆の季節

2010-11-29 13:57:24 | ぎゃらりー「草の葉」




 
寒くなると、なぜか漆が恋しくなる。

いくつもの
重なる手を感じるからだろうか。



いよいよ12月。
草の葉にも漆のものが揃いました。

漆器は手間がかかる?と思う方がおられますが、
とんでもありません。
早めに洗って、柔らかい布で拭き取ればOK。
熱いものをいれても熱くないし、丈夫で、
とても便利で扱いやすいものです。
また、使い込むほどに光沢が増し、
新しい色合い風合いが楽しめます。

椀や小皿、トレイやお盆、
お正月によいお重も。


お好きな一品を
大切に、永くいつまでもお使いいただけたらと思います。






        ::::





いつも、
この時期になるとクリスマスの飾りつけを。

ブルッフやチャイコフスキー、シベリウスの
ヴァイオリン協奏曲だけを聴きまくりながら、
霜月の高く青い空のもと、
一つ一つ思い出と一緒に
取り出し置いていく。





仮説の世界

2010-11-26 13:41:15 | 山の暮らし



庭の木々もだいぶん葉を落としたので、
この時とばかりに、
枝を剪定。

が、これがなかなか。

事前に、『剪定の仕方』とやらの本を2度も借り、
一応は頭に入れておいたはずだが、
実際の木を前にすると、
そううまくはいかない。
確か、
「下向きや重なったりの枝を切るんだったよな」
「上を向いて威張っているのを取って、細く下を向いているのを延ばすともあったし」
「外芽の3cm上と言われても・・・・切り口は真っ直ぐだったけ?斜めだっけ?」
木の種類によっても違うのだろうが、
どうも矛盾するようで、なかなかはかどらない。

ちょっと切って、
少し離れてみて、
また切って____
とやっていたが、
面倒になって、どんどんテキトーになっていく。
昼のサイレンが鳴ったので休憩。
まだ4分の3ほど残っている。





     ::::





午後は風が出てきたこともあり、
シューマンの交響曲を聴きながら読書に変更。
が、
竹内薫の『99,9%は仮説』とはどうも合わないようで、
ラベルのピアノソナタとソナチネにしてみることに。
うんうん、これで良し。



「わたしたちをとりまく世界も、実は仮説にみちあふれ」ていて、
「だれもが当たり前だと思っている常識や習慣や定説も、ぜんぶがぜんぶ、ただの仮説にすぎない」のであって、
「ものごとを疑う技術を毎日の生活のなかで磨く」ことが大切なのだ。

う~ん、なるほど。

じゃあ、あの『剪定の仕方』も仮説にすぎないの?
書いてあることを鵜呑みにして、
シャカリキになっていたけど。


ん?!
おっと、
もしかして『99,9%は仮説』というのも仮説?!
0,1%がミソだね。

わたしの頭のなかは仮説だらけ
あなたの頭のなかも仮説だらけ


多くの科学者、哲学者が出てきて、
なんだか、ワタシの頭の中が??になってきたけれど、
とにかく、___頭を柔軟にしよっ___
ということだろう。



先日も、
この人、どうしてこう話がわからないのだろう?
と、ギギギッって思うことがあったけれど、
自分と相手が異なる仮説の上に生きているってことで生じるわけだから、
そのへんを自覚すれば、
しないでいいイライラもあるということだね。

    
     ねっ、○○さん。


     折しも、聴こえてきたのは、
     リヒャルト・シュトラウスの歌曲「解き放たれた心」

   





Exhibition

2010-11-21 10:07:36 | おでかけ



数々の個展に東京まで。

まずは表参道

楽しみにしていた岩田圭介さん。
う~ん。。
名残のころ椀があったものの
ワタシの知っている岩田モノとは違って
よそよそしく
ちと寂しい。
隅に娘の恩師の作品を一点見つけ
やっとほっと。


花岡隆さんはいつもの花岡さん。
ん?じゃないのもあった。
色合いが違う感になっていたかな。
漆黒の大ぶりの花器が欲しかったが、がまん。


ココでちょいと寄り道。
青山のコムデギャルソンに。

二十年以上前のギャルソンを愛用しているワタシ。

変わったようで
変わらないようで
誠に不思議なギャルソン。

老いにも若きにも
いつの時代にも
やっぱりいいなぁギャルソン。


それから、恵比寿に移って
「NEW YORK The Loudest」と題された6人の現代アートを。
スレイター・ブラッドレーの「Hate」は
ギャルソンの後ということもあってか、なんとも??
ライアン・マッギンリーの作品は、
ワタシがその中に立っているような錯覚に。


不思議な空間を出て、
最後は一朝クンじゃなく、松尾一朝さんの目白へ。
次男の中高の同級生なので、
ついクン付けになってしまうが、
今や有望な若きガラス作家。
緻密で美しいたくさんの作品は、
まさに、やわらかな「ひかりのいろ」
芸術家のご両親の才を受けついだ
この「ひかりのいろ」が
どう変化していくのか楽しみ。





         ::::




そして、
帰りの電車に乗り込むとすぐ、
いつものように?ウッ、ウウッツ。
眼を開けるとどうしようもなく、
何度も「もうダメ」状態になりながらも、
眼を閉じ、じっと耐え、
ほうほうのていで帰り着く。

慣れぬ人ごみに酔ったのだろうが____
ムカムカは丸一日も続いてしまったのだが____


    
    回復した今日、
    ヴィルヘルム・バックハウスの弾く
    ベートーヴェンのピアノソナタ17、21、26番を
    大音量で聴きながら思うに____
    やっぱり東京はいいなぁ。
    聴きたいもの観たいものに
    いつも何かしら出合えるもの。





豊穣の時

2010-11-15 11:23:17 | 山の暮らし


賑やかで豊かな日から一夜が明けた今朝、
ひとり歩くワタシの行く前を
色づいた葉っぱが
次から次から落ちてゆく。
それは、まるで雨が降り注ぐよう。

ふと、思う。
豊穣の時というのは
人生の最期にあるのではなかろうかと。
実りの時ではなく、
役目を終えた美しさと、
次に引き継ぐ豊かさの、その時に。




      ::::




昨日は、草の葉での2回目になる
声楽家の天田さんとピアニストの志村さんのコンサート。


シューベルトのピアノ曲で始まった第一部は、
志村さん作曲の歌曲。
優しさを継いだ暮鳥に耳を澄ましたかと思うと、
『おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ』
「ぎよ、ぎよ、ぎよ、ぎよ」と、
神経を研ぎ澄まさせる朔太郎。
天田さんは見事に歌い演じきる。

茶菓付き休憩の後、
聞き慣れた「小さい秋見つけた」に続いたのは、
なんと、
「かごかき」「海ぼうず こぼうず」「こびとの地獄」の日本歌曲。
意表を突かれたと思ったのはワタシだけ!?

そして、
最後の曲は___「落葉松」
あ~


    落葉松の 秋の雨に
    わたしの 手が濡れる
   
    落葉松の 夜の雨に
    わたしの 心が濡れる

    落葉松の 陽のある雨に
    わたしの 思い出が濡れる

    落葉松の 小鳥の雨に
    わたしの 乾いた眼が濡れる

         ___野上彰__


作曲者である恩師の小林秀雄さんの前では、
なかなか歌えないという歌を
天田さんが気持ちを込めて歌い上げる。

言葉がない。
感動。
ただ、ただ感動す。

深い自己対話の中に、
ワタシの乾いた眼が濡れ、心が濡れる。




      ::::




秋のホントに見事な何百という色に包まれ、
これまた、
見事な新小豆のお菓子をいただき、
またまた、
見事というほかない合唱で締めくくられた一日。


人の手を経て作り出された美しさや、
多くの人の心が作り出しす美しさが、
決して作り出すことのできない自然の美しさと相まって、
いらした方々、お一人お一人にとって、
豊かで確かな一日であったのではないかと思う。






       ひとりひとりに在る
       それぞれの豊穣なるその時。
       それに繋がるひとつの時を
       共に過ごせたことに
       喜びと感謝を。
    










      
   

ぎゃらりー「草の葉」 コンサートのお知らせ

2010-11-14 11:47:13 | ぎゃらりー「草の葉」


    イベント終了まで、この記事をトップとさせていただいております


天田美佐子さんの歌と、
志村陽一さんのピアノの秋のコンサートです。

初夏にお二人でしていただき、
大変好評でした。
是非、今度は秋にという皆様のお声がありましたが、
お忙しい中、深まる秋に実現です。
そして、
なんと、微笑庵さんがお菓子を作ってくださることに。


装う山々に囲まれた中、
おいしいお菓子をお供に、
美しい音楽で、
ごゆるりと過ごしていただけたらと思います。



   日時  11月14日(日) 14時開演
   入場料 2500円(茶菓付き)
  


     尚、今回は、お席は30席とさせていただきます。
     ご予約はお早めにお願いいたします。

       



      満席につき予約締切ました。

入荷のお知らせ

2010-11-09 05:50:13 | ぎゃらりー「草の葉」



素朴な木の椅子。


昔の小学校で使われていたような
懐かしさ感さじる、木の椅子。
少し湾曲した座面は、お尻に気持ち良く、
また、
木肌やさしく美しく、
ただソコにあるだけでいい。

そんな木の椅子です。


座面は、
ケヤキの端材を利用して作られているため、
お値段がとてもリーズナブル。
ゲストチェアーに。


2脚のみです。

入荷のお知らせ

2010-11-08 11:11:56 | ぎゃらりー「草の葉」



加藤智裕さんと高塚和則さんの作品の取り扱いを始めました。


半磁器の加藤さん。
シンプルで洗練されたフォルム。
マットな白と鉄錆釉の黒。
料理に合わせやすい器だと思います。


木工の高塚さん。
桜やクルミを多く使った家具と小物類。
一つ一つ丁寧に手彫りされたコースターは、
ちょっとしたお菓子を載せてもちょうどいい。



どうぞご覧ください。