母はとってもおしゃれな人だ。
だが、
ネックレスやイヤリング、
そして、指輪などを身に着けた母を
ワタシは、一度も見たことがない。
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そんな母が
なぜか、指輪をくれた。
もう40年も前になろうか。
美しいものが好きで、
アンティークや作家もののアクセサリーを集めてはいても、
ワタシも同じく身につけることはなかった。
それに、コレ、
いかにも古臭くて、2cm以上もあって仰々しい。
それに、大したものでもないだろうし、
かといって、捨てるのもイヤだしと、
長年、そのまま引き出しの奥深く眠っていた。
のだが・・・・
最近のピアスデビューに伴い、
持っていた真珠のイヤリングが気になり思い始め、
ジュエリー工房で、ピアスに加工してもらった。
その際に、
件の指輪を相談したところ、
「コレは、合成アレキサンドライトといって、モノ自体は高いものではないが、
結構、今では貴重なものだし、金属部分はK18だから、思い出として創り変えたら」と。
リングのサイズを小さくしても、指輪はしそうにもない。
まあ、ブローチなら、着ける機会もあるかもしれないとも思ったが、
店主は、ペンダントを勧めた。
そういえばK18のチェーンを持っていたなぁ。
というわけで、
これに変身したのだ。
リングの部分で新たに、バチカンと裏を補強。
くすんでいた金もピッカピカに。
さてさて、ワタシが早速、身に着けるかどうかは別にしても、
いやいや、クラシカルで、
まあまあ、いいじゃない!?
母に見せたら何というかしら?
まず、贈った本人、覚えているかしら?
身に着けた姿を見せたい。
けれど・・・・
お互い歳を取って、
会える時に会っておかないと、
と思いつつも、
もう5年近くも帰省できないでいる。
輝きを取り戻した赤味を帯びた紫の光の中に、
ワタシの知らない若き母の姿を想像してみる。
いつ、会えるだろうか。
それまで、
せめて、
また、こうしてたまには着けてみましょ。。