草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

狭くて広い、近くて遠いものなあ~に。

2009-02-23 15:02:51 | おでかけ
昨日は東京へ。

目的は、国立新美術館で開催中の娘の卒業制作展を観るため。
その前にあきる野市のショップに寄り道。
吾妻線、八高線、五日市線、そして、中央線と___
ここまでは順調。
と、いっても、電車のドアの開け方が分からず、あたふたしたけれど。

大変なのは新宿に着いてから。
地下鉄大江戸線に乗り換えるのに右往左往。
人の波にもまれながら、乗り場を探し、どうにか乗り込み、ほっとしたのもつかの間、
一駅で停車。
「六本木方面は乗り換えてください」とアナウンス。
あらあら、
来た電車に飛び乗ったものの、行先が違っていたのかと首をかしげながら指示された別のホームへ。
あらあら、
なんだか変。
乗った電車は再び新宿へ。
逆方向だったのか。
六本木に着いたら、娘の指示通りの出口へ。
あらあら、
地上にでたものの、きょとん。
送られてきた地図と、路上の地図を見ながら、
「ああ、こう行って、こうね」と、歩きだす。
きょろきょろしながら、途中にある看板を矢印通り歩いていたのに、なかなかソレらしきものが見えない。
娘の手紙には徒歩4分とあるが、すでに15分は歩いているような。
これはおかしいと、近くのコンビニに入り、ガムを購入しながら道を尋ねる。
あらあら、
いつの間にか行き過ぎていた。
やっとの思いで到着すると、予定の時間から一時間も超過。
あらあら、
新宿から国立新美術館まで、なんと1時間30分かかったことに。

東京は、交通網が張り巡らされているので、
それをちゃんと把握して利用すれば、とても便利で近い。
のだろうが・・・・


娘と合流し、昼もかなり過ぎていたので、すぐに昼食に。
だが、これがまた。
あちこちの、ビルの案内にはレストランの文字があるのだが、
入って探すもなかなか見つからない。
エプロン掛けている人がたくさんいるわと近寄ってみると、
なんと、料理教室?
ワンフロアーを端から端まであるく。
次の階も。
仕方がない、他に行ってみようと次のビルへ。
掲示板にはイタリアレストランの文字が。
よし、ここにしようと探すがここでもまた見つからない。
ぐるぐるまわった末、案内嬢に聞く。
「1のCはどこですか?」
「えっ!?」
と、怪訝な顔。
「あっ、イタリアレストランはどこですか?」
再び、えっという顔で、
「いくつもありますが・・・」
「あっ、それじゃ、ここに一番近いところで。」
しまいには目を白黒させた案内嬢、
「今はどこも閉まっていますが。」
あらあら、
で、歩き疲れて辿り着いたのは、オープンカフェ。
ここなら、食べている人が見えるから明らか。
豪華なランチをと思っていたのに、結局、簡単なサンドイッチと相成った。

いくつものビルを入ったり出たり。
もちろん、朝も夕も散歩はできなかったワタシだけれど、
良く、歩きましたわ。
東京は狭くて、広い。


そのあと、一緒に予定していたギャラリーへ。
地下鉄の乗り降りから目的地まで、ワタシは娘の横にぴったりくっついて。
迷うことなくらくちん。
用事のあるという娘と別れる時も、
「ここから、○時までの○○線に乗っていけば、上野まで行って、〇時のに間に合うから。」と、
ちょちょいのちょいと携帯電話を駆使して調べ指示してくれた。

写真を撮り忘れたワタシは、ひとりで、再び国立新美術館へ。
今度は乗ってきた電車が日比谷線。
下りたところが違うと、もううろうろ。
交番で聞いてやっと辿り着く。
○○線に乗って、○○に行き、終電に間に合うように帰るには、○○と、
一応、事前にパソコンで調べ、用紙5枚にメモしてきたワタシだが、
どこかで、場所や時間が少し違ってしまうと、もう・・・・




朝、6時半に家を出て、夜、10時半帰宅。
狭いはずなのに、いろんなものが詰め込まれていて、
東京は広くて、やはり魅力的だ。
だが、
群馬の、しかも辺境の地からの上京。
若くもない、地方人にとっては、
遠くて・・・・やっぱり遠かった。



  
     まだ、就職が決まっていない娘。だが、
     卒業後も、東京に残るようだ。。

時を待つ

2009-02-18 13:57:43 | 雑感

   お前にあげたいものは
   香りのよい健康と
   かちとるにむずかしく
   はぐくむにむずかしい
   自分を愛する心だ。
   
     ___吉野弘「奈々子に」より__



    ::::



君自身が一番分かっていること


触れてはならぬ
自分のうちから力みなぎるまで
雪や風が来ようとも
花開くその日をねがい待とう

そう思っていたはずなのに
2月の光があまりに明るすぎて
言葉を借りて出たおもい
悔いを巻き込み終日ぐるぐるまわる




I wait for the time to come




      
  




春一番!

2009-02-14 15:02:52 | 山の暮らし
       けふ一日また金の風
      大きい風には銀の鈴
     けふ一日また金の風

       女王の冠さながらに
      卓の前には腰を掛け
     かびろき窓にむかひます

       外吹く風は金の風
      大きい風には銀の鈴
     けふ一日また金の風

       枯草の音のかなしくて
      煙は空に身をすさび
     日影たのしく身を嫋ぶ
 
       鳶色の土かをるれば
      物干竿は空に往き
     登る坂道なごめども

       青き女の顎かと
      岡に梢のとげとげし
     今日一日また金の風・・・・・・

          ____中原中也「早春の風」___




       ::::



朝、
パッコンで、
___彼はそう呼んでいる。
    クレーンのようなものがついていて、金属のべルトなようなもので移動する。
    ほんとの名前は知らない。___
我が家の前を通りかかり、お寄り下さったOさん。
倒れていた片方の薪小屋を、ソレで引き上げてくださった。
春一番が連れてきてくれたようなタイミングのよさ。


昼下がり、
ヴェルディに負けじと鳴る銀の鈴。
その中を、ゆったりと坂道を登ってこられたSさんご夫婦。
お久しぶりですね。
いくつもの山の春を見つけてくださったでしょうか。


    今日、吹きましたよ。
    金の風。


春一番?

2009-02-13 19:04:23 | 山の暮らし
 ホントに吹いたの?

うん、
確かに、ニュースの画面には、
強風に身をかがめる人々の姿が映し出され、
「関東でも春一番が吹きました」って。
けど、
ココは全くと言っていいほど、風は吹かなかったわ。
昨日から、あちこちで春一番、春一番と騒いでいたから、
屋外の倒れそうなものは、先に倒しておいた。
ただ、崩壊した例の薪小屋が、
ひょろひょろと再構築途中なのが、気がかりではあったけど。

どのくらいの強風が吹くのかと、身構えていたものの・・・・
ん?
ココには明日やってくるのかしら?

それに、気温もグーンと上がると、天気予報は言っていたと思うけれど、
コレも、そんなことはなかった。
曇り空でいつもより寒いくらいで、
一日中、薪ストーブを焚いていた。




で、
土鍋でコトコト。
ざっくりキャベツにトマト、ジャガイモ、玉ねぎ、しめじにウインナー、
オリーブオイルで炒めたにんにくとコンソメのみの、
シンプルでおいしい具だくさんスープの出来上がり。

  


入荷のお知らせ

2009-02-06 11:05:41 | ぎゃらりー「草の葉」
今日のように風の強い寒い日は、
あたたかくした部屋で、
ハンドンの弦楽四重奏曲を聴きながら、
濃いめコーヒーや、
ミルクたっぷりの紅茶で過ごすのはいかがでしょう。



作家もの、
フランス製のおしゃれなカップ&ソーサーが入荷しています。
ソーサーは、
お菓子など載せる小皿としても使用できるので便利です。ね。

福は~うち

2009-02-04 15:28:34 | 山の暮らし
昨日の夜も、
思いきり、「福は~うち、鬼も~うち」をやった。

そして、
立春の今日は、
日差しは、なんだか春めいて。
急に、夜明けも早くなったようで。

そして、そして、
早速、うちに福が!?


    ::::


何日もかかると覚悟していたのが、
ほら、この通り。
数時間で薪の移動完了。


先日の、夜のお出かけで知り合ったTさん、
(じつは、すでに2度お会いしていて、ご縁があったのかも)
お助けマンとしてきてくださったのだ。
村内と言っても、端と端。
お忙しい中、遠くから駆けつけ、
ご親切の福をたくさんくださった。


また、ひとり、
この高山で、知り合いが増え、
うっれしーい。

昨年は、体調不良で、なかなか思うようにいかなかったけれど、
今年は、
少しずつでも、いろんな出会い、広がりがあればいいいなぁ。


   福は~うち。









崩落

2009-02-02 18:10:46 | 山の暮らし
 言葉がない。


薪小屋3号が壊れた。
最強の薪棚ができたと思っていたのに。

地盤が軟弱であることは確かなのだが。
1つの薪小屋としては大きすぎたのか。
しだいに、一部分の薪が前に傾き危険な状態になったため、
1か月ほど前、応急処置として、前面の土台を高くしてしのいだ。
それで、今度は薪が後ろ側に傾き気味になり、
小屋を道連れにひっくり返ってしまったのだ。
パイプも耐えて耐えていたのだろうが。

ようやく、薪の整理も一段落と思った矢先に。
膨大な薪をいったん、別に移し、
薪小屋を再構築し、
また、薪を積みなおし・・・・・
ああ~
復旧はいつになるやら。。

    
    なかなか、
    休ませてはくれないわね。

スパイラル

2009-02-01 15:13:39 | 山の暮らし
 すでに、12分の1が過ぎた。
ついこの前、新しい年が明けたと思ったら、もう2月。

そして、なんのことはない。
ワタシに断りもなく、勝手に、歳が増えていた。

昨日は、
朝にケーキを3個。
いつもより早めの入浴に。
湯船にゆったり身を沈め、この五十数年間の途をたどる。
いち、にぃ、さん、しぃ・・・・
今に近づくに従って、残るものが見つからないのはなぜ?
楽しさ、
つらさ、
うれしさ、
悲しさ・・・・
ぐるぐるねじくれた想いと映像は、たったの数分間で____
プレゼントに頂いた蜜蠟の柔らかな明かりの元、
具だくさんのシチューと、桜やツクシの春の和菓子、
それに、まるで祈りのように聞こえる木村弓さんの音楽で、
静かに夜を過ごす。
母の気遣い、娘の言葉にぼろぼろと涙をこぼしながら・・・・
それは、
ワタシ自身の行く途と過ぎし途。



   わたしの背後の埃の中に
   もう帰ることはできないねじくれた途
   ねじくれたまましだいにかすみ
   もうどうでもよい過去となる思い出となる
   わたしの踏み迷ったこころの中に
   どこをどう通っても脱げることのできないねじくれた途
   ねじくれたまましだいにあらわれ
   もうどうにかしなければ
   生きられない痼疾となる幻覚となる
   それでも容赦なくわたしを越えて闇の方へ
   わたしを越えて未来の方へ
   ひたすらねじくれていっている奇怪な途
   わたしはここでもひとりなので
   ひとりであらゆる幻の途にむかって身を投げる

      _____渋沢孝輔「スパイラル」___
   


そして、今日は、
ぐるぐるねじくれた道を下りて、
昨日の分の、
おもいっきり、おしゃれなランチを食べに行った。

ふと、
座った席から外を眺めると、
相変わらず、ねじくれた道がどこまでも続いていた。