草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

さらりと 生きてゆかん

2015-01-31 19:37:10 | 雑感





いつのまにか
ここまで歩いてきた

雨の日
小さな傘は体を濡らした
晴れの日
小さな傘は日差しを避けきれなかった
雪の日
小さな傘はその重さに耐えられなかった
そして
風の日
小さな傘は飛ばされた


小さな傘を差して
拳を握りしめながら
歩いてきたことが多かったような気がする


これからは
雨の日も
晴れの日も
雪の日も
風の日も
傘を差さずににあるいてみようか
さらりと歩いてみようか

そしたら
水たまりを飛び越え
蒼空を見上げることができる
雪に遊び
風と話せるかもしれない

こどものように
冴え冴えしく こどものように


この日___
積もった雪の上に立ち
黎明の空を見上げて
そう思う






         
        

             <Yさん撮影 初秋夜明け前の尾瀬アヤメ平>




             サラリと
             流してゆかん
             川の如く

             サラリと
             忘れてゆかん
             風の如く

             サラリと
             生きてゆかん
             雲の如く

                ___「サラリ」坂村真民___

ついに その時が来た。

2015-01-23 10:49:47 | 雑感
訳あって、
ここ半年ほど、母と話すことを控えていたので、
母からの突然の電話にビクッとした。
そして、そば立てた耳に入ってきたものに、
ワタシは言葉を失った。

「家を出て、高齢者ホームに入ることにしたもんね。」

ついに、
来るべき時がきたのか。

84歳になり、
体力、気力ともに衰えを感じ、
ひとり暮らしで、
家一軒維持していくのも大変だと感じるようになったという。
動けなくなって、子どもの世話になるわけにはいかないと、周りを見て思ったという。
そして、この数か月で決めたのだと。



老いて、なかなか思うようにはいかなくなったとはいえ、
ちょっとした山歩きはまだ続けていられるようだし、
趣味に、あちこち出かけてもいるようだしと安心していた。
そうして、
いづれ、その時がきたら、
大学卒業前に結婚し遠く離れ、
親孝行らしきものを何一つしてこなかったワタシが、
熊本で一緒に住むなり、世話をすればいいかと、
漠然と思っていた。



2階建ての一軒家にあった、
たくさんの物や、思い出を大半整理、処分して、
小さなキッチンと風呂の付いた一部屋に移るという。

生きていくうちに、
余分なものがどんどん自分の身の回りにくっついて、
いつの間にか大切なものがどれなのか、どこにあるのか分からなくなってしまっている。

吉田兼好曰く
____朝夕なくて叶はざらん物こそあらめ その外は 何も持たでぞあらまほしき____                
人、ひとり生きていくのに必要なものはほんのわずかなのだから、
ソレで充分といえば充分なのだが・・・・
それに、残された者にとって、
家一軒分の遺品整理は確かにおおごとなのだろうが・・・・

この数か月の間、
過去の喜怒哀楽を雑多に混ぜ込んだ抽斗から、
一つ、また一つと折り重なった記憶を、思い出を引っ張り出し、
それを手放すという作業をしながら、
母は、自分の逝き方を確認したのだろうか。

母の口から、何度もでてきたのは、
「もう、決めたから」と言う言葉だった。
それは、自分に言い聞かせているようにも思えた。
ワタシは、ただ、「うん」「うん」と頷くしかなかった。



自分の力で、
一人で生きてきた母の強さに感服し、潔さを羨ましく思いつつも
時折、さぁっと寂しさが走る。
故郷が、母が、
いっそう、遠くになってしまったように思えた。


      

       それでも、
       明るい母の声に重ねるように、
       「どうか、残りの時が歓びでありますように」と、
       ワタシは、心の中で繰り返していた。






一月

2015-01-14 20:23:16 | 山の暮らし



年が明けたと思ったら、すでにもう一月も半分が過ぎる。
時が経つのが何と早いことか。

2015年の一月は、
来てほしくないと思っていたから特に早いような・・・・
い・じ・わ・るぅ



今日は、村主催のステップアップ教室日だった。

15人余りの参加者にあって、
ワタシは、まだ若いほうなのだが、
体力のなさにはオドロク。

足上げ30回3セットもすると、ハアハア。
ちょっと複雑なステップにはついて行けず、ウロウロ。
筋力、バランス能力、柔軟性を測るテストでは、ナント70代と診断された。
ギャハッハツ!!
笑っている場合ではないのだが・・・・ナサケナイ。

若い頃から、いや幼少期から何しろ大の運動嫌い。

25年余りやった仕事は座ったまま。
動くのも嫌いで、

そうして、
____好きな音楽を聴きながら、本を読む____

思う存分そんな生活をしたいと、ココに移り住んだんだもんね。


とはいうものの・・・・


あと半月で、○歳になってしまう。

足腰はどんどん弱くなっていくわけで、
少しずつでも、その劣化を遅らせるよう、日々、運動、運動。
そして、食生活も気をつけなきゃ。
と、思いを新たに帰途に着いた。

そして、
ワタシは『たねや』のぜんざいを食べたのだった。

「お腹周りが1cm増えていますよ」
「甘い間食が多すぎますよ」って言われたのにぃ~






                だって・・・・
                一月が、
                大好きな角偉三郎の器を誘うんだもん。。