鉄ちゃん爺やの 独り言

鉄ちゃん爺やは大阪に住んでますので
画像で隠れた関西の名所も紹介します。

鉄ちゃん爺やの   正倉院展巡り   (前編)

2012-11-14 21:31:27 | 日記
奈良の国立博物館で開催される正倉院展は大和路の秋を彩る風物詩でしょうな。

毎年秋に正倉院の扉を開けて点検と虫干しが行われます。

1946年(昭和21年)からこの時期を利用して正倉院展が行われてきました。

今回で第64回目となり毎年20万人を超える賑わいを見せる展示会なんですよ。


(奈良公園に立つ 正倉院展の案内板)


photo by kuroda0729 from フォトフレンド for マイポケット


毎年ながら国立博物館の前には行列ができますね、これで平日なんですよ。

建物の前だけでは行列は収まりきりませんな。



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見学者の行列は博物館前を越えて特設テントの方まで延びていますな。



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(正倉院展の入場券)   (非売品です)


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たまたま~ 入場券を頂いたもんで平日に訪れてみました。

45分待ちの立札でしたが1時間ぐらい行列に並んだ感じがしましたね。

やっと入場口まできましたよ。


「犀角杯」(さいかくのはい)  (犀の角のさかずき)


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犀の角はケラチン質なので牛や鹿の角よりは加工が容易だそうです。

国家珍宝帳に記載されている犀角杯とは形が違うとの説が濃厚です。

伝来や入庫の経緯が不明だそうで、インドや東南アジアに生息する
一角サイの角が使用されているので中国で加工された物と考えられるそうです。


「花鳥背円鏡」(かちょうはいのえんきょう) (花鳥文様の鏡)


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白銅で鋳造された大型の円形鏡、銅70.4% 錫23.5% 鉛5.5%

0.1%ぐらいの砒素が検出されているので材質から見て中国の唐で制作され
日本へ渡ってきた物と考えられています。

聖武天皇の遺愛品の一つで国家珍宝帳の記載と完全に一致しているそうです。


「漆皮箱」(しっぴばこ)   (鏡の箱)


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国家珍宝帳の記載に一致するので一つ手前の「花鳥背円鏡」を収納した箱と
考えられる。

動物の皮を木製の雄型に被せて黒漆を塗って仕上げたようです。


「螺鈿紫檀琵琶」(らでんしたんのびわ)   (弦楽器)


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国家珍宝帳には聖武天皇ご遺愛の四弦琵琶が二面記されているがその内
本品が「螺鈿紫檀琵琶」に当たるそうです。

背面がシタン製で全面にヤコウガイを用いた螺鈿にタイマイや琥珀の
象嵌によって宝相華唐草文様を表しています。

今回の64点の宝物で展示会場前半の注目される御物と言われました。


「紅牙撥鏤撥」(こうげばちるのばち)  (染め象牙の琵琶の撥)


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国家珍宝帳の「螺鈿紫檀琵琶」の行の上部に「紅牙撥鏤撥」と付箋があり
本品がそれに該当すると考えられています。

聖武天皇ご遺愛品の螺鈿紫檀琵琶に付属する撥であることが判明。


「持笠半臂」(もちがさはんぴ)  (板締め染めの胴着)


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半臂とは短い袖が付いた上衣のことで裾には欄と称する裂(きれ)が付く。

東寺唐散楽と墨書があり西暦752年(天平勝宝四年)に行われた東大寺
大仏開眼会の楽衣装であることが分かった。

散楽とは舞踊・曲芸・手品などの雑伎を意味し大仏開眼の法要のこのような
華やかな演目が演じられ儀式に集まった人々を大いに沸かせたことであろう。


「錦褥」(にしきのしとうず)   (錦のくつした)


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褥(しとうず)とは現在の靴下に当たる物で、正倉院には膝下丈の長い物の
二種類が伝わっており、一両で揃うものは二十数点、片足だけのものが
百数十点残っているそうです。

貴人が使用したものと考えられ表が錦で内面は麻布で仕立てられている。


「木画紫檀双六局」(もくがしたんのすごろくきょく)  (双六盤)


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聖武天皇ご遺愛の双六盤で国家珍宝帳にも「木画紫檀双六局一具」と記され

双六は何度も禁止令が出されたが上流貴族の世界では盛んに行われたようで
おそらく賭け事として我が国において既に広まっていたようです。

なお双六は古代エジプトに始まり、飛鳥時代には日本でも広まっていたようです。


「双六筒」(すごろくのつつ) (サイコロの振り筒)


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双六遊びでサイコロを振るのに用いる道具。

シタンの一木を用いて底を残して筒状に刳り抜き円筒形に仕上げられている。

銀製の金具を使用し金銀泥で文様が描かれている内側には銀泥が用いられている。


「緑瑠璃双六子」(みどりるりのすごろくし) (ガラスの双六の駒)


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扁平な球形をした色ガラス製の双六の駒。

日本では産出しない藍色瑠璃双六子もあり、ガラス製の双六の駒は珍しく
中国は西安市の博物館に形は違うが似たものが展示されているぐらいとか。


「瑠璃玉原料」(るりだまげんりょう)  (ガラス玉の原料)



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不規則に割られたガラスの破片で宝庫には百片近く伝わっている。

溶融したガラスを鉄板上に流し薄い餅状に固まったものを破片にしたようで
古代のガラス加工を研究する上で貴重な資料である。

将来の使用を考えて造東大寺司が保管していた物と推測される。


「雑色瑠璃」(ざっしょくるり)  (色ガラスのねじり玉)


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正倉院には数万点もの大量の玉が伝わっているが、
この雑色瑠璃は融かした単色のガラスを金属の棒に巻きつけて、丸玉を作り
まだやわらかいうちに棒を押し付けて作り出した物と考えられる。


「瑠璃杯」(るりはい)   (ガラスのさかずき)


photo by kuroda0729 from フォトフレンド for マイポケット


ワイングラスのような形状をしたこのガラス容器は今回の正倉院展では
一番人気の展示品ですよ。

これを間近で見るために館内でまたもや30分待の行列ができてますね。

コバルトブルーの部分はに西アジアから伝わったものに銀製の台座には
東アジアの文様が描かれていますね。

二十二個の円環が貼り付けられているが、この技術は当時の中国や朝鮮にはなく
おそらく西アジアで作られたガラス容器が中国か朝鮮に輸入され
台座を付けて完成させたものと推定されています。

これで64点の宝物の前半の部分が終わり私が独断と偏見で選び出しました。


「第64回 正倉院展の写真集」  (定価1200円)


photo by kuroda0729 from フォトフレンド for マイポケット


実は4年前の正倉院展の時は私のデジカメで写真撮影がOKでした。

ところが数年前から写真撮影が禁止になってしまったそうです。

仕方がないので1200円を奮発して写真集を買うハメになりましたね。

これらの画像は全て写真集から写し直したものなのでご容赦くださいませ。

長くなりますので後半の部分は次回にさせて頂きますので悪しからず。

ほな~  今回はこれで  さいなら~

コメント (20)
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