「www.culina-Japan.de」- ドイツで和食を伝えること

2016年11月21日 | 日本の「食」

三ヶ月ぶりの日本、今は飛行機の中。約11時間の飛行時間もようやく
半分が過ぎ、機内の照明も消え半分闇の中、一人で自分の最近の仕事
や暮らし振りを落ち着いて見つめることの出来る貴重な時間です。

さて、30年近く産業通訳翻訳や語学学校の本業を営む傍ら、今日まで
約15年、ドイツの人達に日本の天然調味料や和食の文化を伝える活動
を、「クリナ・ヤーパン」という会社名のもとで行なってきました。

残念ながら、一度も利益を出したことのない会社です。
その中でいろいろな紆余曲折や長い中断がありましたが、今後の新たな
展開を考えて、初めて本格的なウェブサイト、ホームページを作りまし
た。

www. culina-Japan.de というアドレスです。 

サイトの基本的構成や各テーマだけでなく、過去の料理コースや刃物講
習会を基にした紹介スライドの作成、何千枚に渡る食材やレシピの写真
の整理選択、一つ一つのドイツ語の説明文や記事の執筆をスタッフの
協力やサポートを受けつつ、全て自分の力で行いました。

約7週間、毎日ほぼ朝から晩までの集中的な作業となり、日常生活も
ないがしろにする心身ともに随分としんどい仕事でした。
また、期せずとも過去15年間の自分の仕事の内容やその杜撰さをはっ
きり振り返ることともなりました。

一つ、その中で嬉しいこと、ないし、この作業の原動力となったのは、
小さい時から和食のことだけは毎日の食事の中で伝えていきたいと思
っていた日独ミックスの三人の子供達がドイツで若者となった今、
自分がこの15年間どんな思いを持って食の仕事をしてきたのか、それ
を目に見える形で、彼らの母国語であるドイツ語で書き表しておきたい
と思っていたことです。
それがひとまず最低限は出来たので、だいぶホッとしました。心の中の
荷を少し下ろせた気持ちです。

さて、今回の作業をしてみて、その中で分かってきたこと、やはり本当
にやりたいと思ったことは、自分の料理を丁寧に心愉しく作ること、そ
れを読みやすいドイツ語で語っていくことです。

60歳に近づいていく来年以降は、こんなことを毎日の暮らしの一つの
柱にしていきたいと思います。また、その中から、ドイツの人にも役立
つ和食の料理本のようなものが生まれてくればそれは嬉しいことです。

出来れば、美味しい白和えのようにレシピと食の随筆的な文章が一体
なったようなものが書ければと思います。

今回、日本に出発する前にはなんとかと思ってきたこのドイツ語のサイ
トが昨日の夕方、ひとまずは完成したので、自分の一つのけじめ、大き
な区切りとなりました。この先の足固めが少し出来た気持ちです。
それだけに今回の京都の滞在が本当に楽しみです。今年の春からの京都
の小さな住まいのプロジェクトも本格的にスタートしています。

日本、京都の友人、知人の方々、もうすぐ関空に到着します。では、
一人一人にお会い出来るのを楽しみにしています。また、ドイツ語の
サイトの方もよければ覗いてみてください。