「誕生日を前にしての覚え書き」

2013年09月04日 | 随想

僕の人生でなお、何を成し遂げたいのか、何を残したいのか?
こう問いかけること自体が、一つの捉われなのだろう。
一般にも広く認められたこのような慣習的な、かつ自分の習慣となった
思考法が僕を、僕の毎日を、そして家族や周りの人を生きにくくしている。
そんな問いかけが常に頭の中、自分の意識の中にあり、ひとりの時間に
それが自ずと湧き上がってくる僕の在り方、日常の感覚が、まず問題なの
だろう。そのこと自体が、日日に充足して良く生きることをむしろ妨げて
いるのだろう。 

何を残したいのかという問いの前に、毎日をどう暮らしたいのか。
当たり前のことだが、僕の一生、その暮らしは僕のこの毎日の中にしかない。
その毎日の一時間一時間、その中、その瞬間の行動、身振り、考え、人への
言葉で、そのような一回限りの行為の無数のつながりでこそ、僕の人生が
成り立っている。