困った。寒さが続かない。暖冬だという。野菜の値段が下落して、農家はダイコンの廃棄をしたところもあるという。
わが菜園もそうだ。とくにホウレンソウが平年よりも大きく育ってしまっている。来年2月まで食べつづけるため、9月15日から10月10日まで4回に分けてタネをまいてきた。最後にタネをまいたのが、これは来年1月から収穫予定でいたのに、すでに収穫できるまでに育ってしまった。これはまずい! そう思ったところでどうしようもない。やっと冷え込んできたなと安心していたとろこなのに。
ホウレンソウは毎日食べても飽きない。1回目にまいたものから順番に食べてきた。11月に入ると生育が目を見張るほどによくなってきた。どんどんよくなってきた。うまい、うまいと楽しんでいる場合ではなくなった。これは急いで食べないと生育に追いつかないぞ。
せっかくここまで育てたんだから食べてやらないといけない。毎日のように畑に行ってはホウレンソウを摘んでくる。そして食べ続けてきたし、いまもそうだ。しかしさすがにここにきて食べるスピードが落ちてきた。冷蔵庫の野菜室を占領しつつある。
わが家のホウレンソウは「ちぢみホウレンソウ」。寒締めホウレンソウともいう。寒さにあたればあたるほどうまくなる。やっと寒さがやって来てこのところ本来の味を楽しむことができるようになったと喜んでいた。
たいへんなのは農家だろう。わが菜園の周辺はホウレンソウ栽培の農家は多い。ここも育ち過ぎている。このまま暖冬が続けば、トラクターで潰し“廃棄”するところもでてきそうである。