ダイコンを千切りにして、切り干し大根を作っている。冬の日差しを浴びて、まるでのんびりと日向ぼっこしているようで、見ているだけでその情景にほのぼのとした気分にさせられる。
「ニンジンとダイコンを取ってきて」。先日の23日に親せきが大勢集まったので、酒のつまみを作るために声がかかった。1月6日に寒さから身を守ってやるため、地中に埋めたニンジンとダイコン。やっと出番が来たようだ。
ダイコンは地中にだいぶ残っている。無駄にしないよう、北風が厳しいこのあたりで切り干し大根を作っておいたほうがいいかなと思い、さらに数本掘り出してきた。
切り干し大根ほど簡単なものはない。皮をむいて細く切り、干すだけである。不器用な私でも十分できる。干し大根だけに乾燥させるのだが、やはり決め手は風である。それも北風である。おだやかな日は自分が日向ぼっこするには快適なのだが、切り干し大根づくりには、ちょっとかわいそうなのだが、冷たい北風が欠かせない。これにあてるとすぐに乾いて、細く、縮れてくる。何日干すかは北風しだい。カリカリに乾いたら出来上がりだ。
切り干し大根の太さだが、私は細くする。太いのは口に入れてごごごわとした食感が好きでないので、せっかく手づくりするのだから、細く切るようにしている。そう思っても、めったに握らない包丁だから、こちらの意のままにはならない。