今日の一言(8月22日) 美人の日本語(山下景子著 幻冬舎)より
暮泥む(くれなずむ)
夕暮れのジレンマ
「泥む(なずむ)」とは、障害があって、進むことができない状態です。
暮れようとしているのに、暮れることができない空・・・・・。夏の夕方は、特にそんな感じがします。
ゆっくりおりてくる闇の中、家路につく人々が行き交う街。少しずつ変わっていく空の色のように、焦燥感と安らぎの入り混じった複雑な気持ちが胸をよぎります。
やり残したことがあるようで、それでいて、終わった仕事にほっとしている。でも、まだ夜は長くて、何かをしなければ眠るにはもったいない。
暮泥む空は、そんな胸のうちを映し出しているようです。
駆け足で通り過ぎようとしている足をふと止めて、空を見上げてみませんか。暮れそうで暮れない、あなたの心が映っているのかもしれません。