カーター米国防長官は2月2日、2017会計年度(2016年10月~2017年9月)の国防予算案についてワシントンで講演した。
海洋進出を強める中国や4回目の核実験に踏み切った北朝鮮など5つの課題に直面していると指摘。
「安全保障環境は過去25年間と劇的に異なり、新思考が求められている」と述べた。
カーター氏は過激派組織「イスラム国」(IS)に代表されるテロの脅威も5つに含めた。
これらの課題は陸海空における従来の軍事力だけでなく、サイバーや宇宙、電子技術分野の戦いも重要だと説明し、米国の国防の在り方が根本的な転換期を迎えているとの認識を示した。
戦費を含めた予算総額は前年度並みの5827億ドル(約70兆円)になる。
5つの課題にはこのほか、ウクライナ問題で対立するロシア、核問題を抱えるイランを示した。
カーター氏はアジア太平洋地域について「中国が台頭した。 地域の安定を守るためリバランス(アジア重視戦略)を維持している」と指摘。
北朝鮮については「米国と同盟国の双方にとっての脅威だ。 だから朝鮮半島の駐留軍はいつでも戦える状態にある」と語った。
ISに関しては「打ち勝たねばならないし、打ち勝つ」と壊滅への決意を表明し、2017年度予算では2016年度比で50%増の75億ドルの対策費を要求すると明らかにした。
IS拠点を攻撃する誘導弾などの兵器を約18億ドルで購入する考えだ。
国防予算案は2月9日に正式発表される。
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