国による生産調整(減反)が廃止となる2018年産米に関し、45道府県が設ける生産量の「目安」が1月11日、出そろった。
減反時代の2017年産で立てた目標量より増やしたのは北海道や鳥取など12道県にとどまり、広島や岡山、島根など、半数近くの22県は据え置き、山ロなど8県は減らした。
単純比較できない新潟、京都、兵庫を除く42道県の目安量の合計は1万2640トン(0.2%)の伸びだった。
自由な経営判断でコメを作れるようにする農政の転換後も、値下がりにつながる増産に慎重な姿勢が表れた。
ただ目安に生産現場への強制力はなく、減反に参加した農家への補助金がなくなるため、実際の収穫量は目安を超える可能性もある。
目安は、国が主食用米を中心に産地に割り当ててきた生産数量目標に代わるもの。
東京、大阪を除く道府県の農業再生協議会などが決め、大半は作付面積も示した。
生産量を変えなかった22県は、政府が2018年産の適正な全国生産量を2017年目標と同じ735万トンと見積もったことに合わせた。
減反時代と同じように、全国の量にそれぞれ県別シェアを掛けたことから横ばいになった。
増える目安を示した12道県では、首都圏の消費が見込める千葉の伸び(1万8674トン)が最大。
同じく増産の北海道や埼玉、神奈川、奈良、高知とともに2017年は減反目標を超える量が収穫されており、実態に近づけた面もある。
一方、減少の8県のうち福島や熊本は地域が作りたい量を足し合わせても2017年目標を下回り、大豆などへの転作の進展や高齢化による生産力の低下が影響したようだ。
また100トン未満の微増減が6県あり、うち愛知と三重は、種子用を除いた純粋な主食用米は横はいとしている。
単純比較できない3府県は独自指標を設け、京都は作付面積だけを示した。
新潟は身内で消費する分を、兵庫は栽培が盛んな酒米をそれぞれ除く量を示したが、過去の実績で換算すると主食用米は実質的に増産となる。
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