全国のガソリンスタンド(給油所)の数が、この10年間で8千ヵ所以上減ったことが、経済産業省の調べで分かった。
過疎化の進行や自動車の燃費改善に加え、電気自動車(EV)が普及し始め、ガソリン販売の苦戦に追い打ちをかけた。
地域に欠かせないインフラを存続させるためには、給油機能にとらわれない多様なサービスが必要と専門家は指摘する。
2013年3月末時点に3万6349ヵ所あった給油所は、2023年3月末までに2割超の8386ヵ所減り、2万7963ヵ所となった。
ピークは1995年3月末の6万421ヵ所で、減少は28年連続。
10年の変化を都道府県別に見ると、千葉が501減の999ヵ所となり、減少幅が最も大きかった。
茨城が445減の959ヵ所、東京が428減のヵ所となるなど関東圏の落ち込みが目立った。
車の利用者は多いが価格競争が激しく、採算確保が難しいことが背景のようだ。
減り方が最も少なかったのは沖縄の41減(322ヵ所)。
鳥取の55減(200ヵ所)、福井の60減(258ヵ所)が続いた。
給油所は自家用車だけでなく、農機向けや灯油の安定供給にも不可欠なインフラだが、少子高齢化で後継者不足も課題だ。
経産省は2024年度予算案で給油所の地下タンクの設備補修支援などに44億円を計上した。
EV普及をにらみ、業界は給油所での新サービスを模索する。
出光興産は給油所を中古車の販売や修理を提供する店舗に切り替える事業一を始めた。
レギュラーガソリンー詔当たりの全国平均小売価格は、供する店舗に切り替える事業を始めた。
レギュラーガソリンー詔当たりの全国平均小売価格は、原油高や円安で2023年9月に186円50銭を付け最高値を更新。
価格高騰で需要が減れば給油所の収益確保は一段と厳しくなる。
ニッセイ基礎研究所の上野上席エコノミストは、給油所の減少傾向は続くとした上で「生き残りのためには洗車や整備、修理などEVに切り替わっても収益を確保でき る事業を育てる必要がある」と提言する。
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