「玉川堤の花」
緩やかなに蛇行する玉川上水と、堤を彩る桜の薄紅が対比を見せる。子連れの家族や揃いの傘の一行などが、観桜を楽しむさまが描かれている。左に配されたのは冠木門、その奥には信濃国高遠藩主内藤家の中屋敷がある。対岸にあたる右手には、内藤新宿の旅籠屋らしき二階家が見える。窓から外をのぞく赤い衣装の女たちは宿によくいる飯盛り女だろうか。現在の新宿御苑の新宿口にあたる景であるが、百五十年以上を経た今では想像も難しいような和やかな情景である。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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