江戸両国橋ヨリ立川ヲ見ル図 (東京都墨田区両国)
黒地白抜で蘭字枠風景画とありオランダ文字のつもりかも知れないが記号にしか見えない。
両国橋の西岸から東両国一帯を望んだ図である。近景の葭簀張りは、種々の商い店、左下から立つ幟に「大坂下リかるわざ…」の文字が見える。ここから向こうへ架かる橋が両国橋で、橋上は雑踏をきわめ、中ごろを槍を立てた行列が行く。橋の東詰に高くそびえる蓆張りの構築物は軽業などの見世物小屋で、その背後の樹林の向こうに見える大屋根が回向院である。そしてこの東岸の右端、家並みが切れて奥の方へ入る川筋が立川(竪川)で、本所を貫通して中川に通じる堀り割りである。河中に遊山船が浮かび、名所絵らしい特色を克明に描いている。
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