「下谷広小路」
上野寛永寺に向かう下谷広小路の景で、現在の台東区上野三丁目にあたる。現在も百貨店として知られる松坂屋は、名古屋の呉服商伊藤屋が始まりで、明和5年(1768)に上野の呉服商松坂屋を買収して営業した。店の前には商号入りの風呂敷包みを担いだ店の者の姿も見える。道の中央には稽古事の一行と思われる人々が揃いの傘をさして歩いている。後ろに櫃を担ぐ男衆がいることから、近くの寛永寺にそろって花見に行くところであろうか。繁盛する呉服店を手前に大きく配し、にぎわう広小路の景を俯瞰構図で印象的に措いている。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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