私たちの お母さんです
かつての仲間たちが お花を持って やってきた
実家に帰るように 一年に一度やってくる
あのころは楽しかったよねえ~~ 保育が本当に楽しかった
50人を超える職員が みんな大切な仲間だった。一緒に働く同志だった。一丸となって保育にあたり 日々起こる難題に 総動員で立ち向かった。
赴任してすぐ 女の子のジャンパーが無くなった 母親は探してくれの一点張りで 押し入れからゴミ箱まで総動員で探しまわった 帰宅した子どもたちの家庭全員に電話をかけて聞き それでも母親は納得しなかった ブランド品だから誰かがウソをついているか、外部から泥棒が入ったのか どちらかしか考えられないと・・・
夜8時を過ぎ、各クラスの前にジャンパーの絵を描いて張り出し・・・ようやく帰宅を許された
今までの積もり積もった保育園に対する不信感が 一気に加速して 母親はこれまで以上に 神経をとがらせていった。 ただただ 心から対応するしかなかった・・・
そして3日後・・・
ジャンパーを抱えた保護者が~~
すみません 無くなったジャンパーは、これですよね。 我が子も同じものを持っていて あの日テラスに投げてあったので持ってかえり、 洗濯して 今日納めようと思ったら、同じものがタンスに入ってて どうもすみません・・・・
母親は 心底恐縮した。人を泥棒と疑ったことを恥じた。職員が夜遅くまで一丸となって探しまわり、母親が納得するまで じっくりと丁寧な対応をしたことに とても感謝して・・・お詫びのことばを何回も繰り返された
それまでの母親のとがった表情が、穏やかな笑顔になった。
保育園が信頼を得ると、保護者は職員も信頼してくれるようになり、保育がとても楽しくなっていく。保育に冒険もできるようになり、ますます 生きた保育の実践ができるようになる
臨時職員も嘱託職員も正規職員も・・・みんなで子どもたちを育てて守っていく保育・・・
その姿勢が じつは 自分を守り そだててくれる
退職して5年経つのに・・・
今も 仲間たちが 私を 守ってくれている・・・・
仲間たちは 私のこれからの人生を送る中に 大きな大きな財産となって 存在する