デジカメぶらりぶらり

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2013-06-30 10:12:10 | Weblog
明治以前は馬が主要な交通手段だった。それ故、馬を語源とする言葉は多い。身分が高い人でも城や社寺の門前は「下馬札」より先はあるかなくてはならず。主人を待つお供の者たちは、人物評などをうわさした。

「下馬評」の由来だ。さて、下馬評通りというべきだろうか。参院選の前哨戦として注目された東京都議選は自民が圧勝し、公明とともに全員が当選。民主は共産に次ぐ第4党に転落した。

4年前を思い出す。無名の新人が自民の重鎮を次々と破り民主が圧勝。勢いは直後の衆院選にも続き、政権交代につながったが、オセロ風ゲームのように一気にひっくり返された。

ほころびが見えてきたとはいえ、安倍政権の経済政策への期待は大きかった。昨年末の衆院選で躍進した日本維新の会は、橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる発言が影響して失速した。

底力を見せたのは固い組織が背景にある政党だった。前回、風に乗って当選しながら落ち目の民主党から鞍替えした議員は苦戦を強いられた。「勝ち馬」に乗ろうという浅薄さが見透かされた。

投票率は過去2番目に低かった。半分以上の有権者が投票所に行かなかったのは、政治不信の裏返しだ。勝った自民も胸は張れない。棄権の多さを「白紙委任」と曲解してもらっては困る。

参院選はもうすぐそこに迫っている。有権者も「手綱」を引き締める時だ。

ヤマモモ

2013-06-27 06:31:45 | Weblog
梅雨の真っ盛りに、ルビーのような美しい実をつけるのがヤマモモの木だ。マンションのベランダから手の届くところにたくさんの赤い実がなっている。手を伸ばしてもぎ取り、口に放り込む。

松やにのような少し癖のあるにおいはすぐに消え、甘酸っぱさが口に広がる。風によって雄木の花粉が雌木に運ばれ、結実する風媒花である。やせた土地でもよく生育するので、街路樹や庭木によく植えられている。

豊作の今年はたくさん集めてジュースをつくってみたい、と考えている。中国から入ってきていた桃が普及するようになった奈良から平安時代の初期ごろ、それまでモモと呼ばれていた植物はヤマモモと呼ばれるようになったようだ。

ひと昔前の子どもたちにとっては、格好のおやつだったのだろう。樹皮も日干しすれば、利尿や下痢に効く生薬となる。沖繩地方は平年より9日早い「梅雨明け宣言」。洗濯物が乾かない不便さはもうしばらく我慢だ。

ビワの実も大きくなってきた。かじるとじゅわっと甘い汁がしたたる。この蒸し暑い季節、鈴なりに実っているヤマモモやビワを見て一服の清涼剤にしたい。

ADE

2013-06-25 07:27:00 | Weblog
ADEは、まさに夢のような機械だ。「魔法の杖」とすら呼ばれた。片手で楽に使える大きさなのに、爆弾だろうが違法薬物だろうが、危険な物ならなんでも探知できる。

しかも、値段は初期型で数十万円、最新型でも4百万円前後。テロ対策で高性能の探知機が求められる世界にあって、売れぬはずがない。英国の会社は3年ほどで7千台を売りさばいた。

うち6千台は爆弾テロに苦しむイラクに輸出され、検問所の頼みの綱となった。が、すべてはペテンだった。ADEの生体は、千数百円で米国から仕入れた玩具。エックス線で調べれば、ろくな部品も入っていないと分かるシロモノだ。

これで70億円以上も荒稼ぎした英国人のマコーミック被告に先月、詐欺師で禁錮10年の実刑判決が言い渡された。しかしなぜ、こんな商売がまかり通ったのか。

イラクの高官は、億単位の賄賂を手にしたといわれる。だとすれば、詐欺と汚職のため、多くの命が危険にさらされたことになる。英国の哲学者ホッブズは「力と欺瞞は戦争において主要な美徳だ」と指摘した。

なるほど、戦争に詐欺の類はつきものだ。イラク戦争を正当化した「大量破壊兵器の保有疑惑」も結局は欺瞞だった。そう主張した某国の指導者は、裁かれもしていないが・・・。

イラクでは今月に入って既に180人以上が、爆弾テロなどで死んでいったという。

組織

2013-06-22 06:22:48 | Weblog
新しい人材の登用を考えた徳川家康が、腹心の土井利勝に人物評を尋ねた。まだ挨拶に来ないからわかりません。と答えた利勝を家康は叱った。

「お前のところへ挨拶に出向く者の多くは追従者で、能力に恵まれていない者だ」。おべっか使いばかりでは、幕府は倒れると家康は憂えたのだろう。「武勇智謀があり、用に立つ人間ほどあいさつに行くようなことはしないのに、そうした人材を避けてしまうのは、国が衰える始まりだ」。

この後の言葉が有名な「よくよく人の善悪能否をたずねしるべし」。利勝は3代将軍の名補佐役として名を残す。童門冬二さんの著書『歴史のおしえ』から引用させていただいた。トップの周りが追従者ばかりだったら組織は腐る。

いつの時代でも変わらない法則だ。統一球をこっそり飛ぶボールに変えていたことを認めた日本野球機構(NPB)も、この病に侵されていないか。今季、プロ野球は本塁打が急増した。

NPBは変更を認めなかっただけではなく製造元のミズノに口止め工作までしていた。「不祥事を起こしたとは思っていない」と会見で加藤良三コミッショナーは強弁したが、問われているのはコミッショナーの資質そのものだ。

不祥事が相次ぐ全日本柔道連盟では、上村春樹会長が居座りを決めた。追従者ばかりを集めて自浄能力を失った組織に未来はない。

告知

2013-06-20 06:48:04 | Weblog
日本で最初にがんの余命告知を医師に迫ったのは、明治の思想家、中江兆民だという。余命1年半と告げられ、兆民は医師に言う。「余は高々5,6ケ月ならんと思ひしに、1年とは余のためには寿命の豊年なり」。

そうして、遺著『1年有半・続1年有半』を書き始めた。反骨の人・兆民を敬愛した、なだいなださんは今年の3月、人生2度目のがん告知を受けた心境をブログに書いた。

<時間との勝負だな、積極的な気持ちになりました・・・兆民が『1年有半』を書き始めた気分です>時と競うように、兆民のように、なださんは思いを書き続けた。

死の9日前には、こう綴った。<告知は、本人に、自分の残りの人生を計画させるためには都合がいい・・・しかし、父、夫が次第に死に近づくということを知らされた近親の者たちには・・・苦痛を与えている>。

<そのことなど知ったこっちゃない、自分のことで頭はいっぱいだ、といっていられないのが、精神科医である本人・・・同僚たちよ、告知のこうした一面の研究をしてくれないだろうか。それがぼくの今の気持ちだ>。

そのブログに先日「娘より伝言」という一文が書き込まれた。<父は最後まで自分自身を冷静に見つめながら病に立ち向かい。その勇気に周りの者は強く心を打たれました>。

作家として、医師として、そして父として。実り豊かな人生が閉じられた。

インタネット

2013-06-18 05:57:01 | Weblog
私たちは、服を着て歩く。自分のすべてをさらけ出し街に出たりはしない。貴重なものは大事にしまっておく。それを身ぐるみ剥がすのは、強盗の所業。

被害に遭えば、当然気づく。が、インタネットの世界は違う。知らぬうちに裸にされ、全てを盗まれかねない。米政府の情報収集力を知るIT技術者は、こう言っている。

「すべて手に入る。電子メール、パスワードに通信記録、クレジットカードの情報でも何でもだ」その恐るべき力の前に、防御策などありはしない」。

発言の主は、米中央情報局(CIA)などで働いていたエドワード・スノーデン氏(29)。その証言から米政府による情報収集の実態を暴いた英紙ガーディアンによれば、イラク戦争が起きると、彼は軍に入った。

「圧政に苦しむ人を助けるのは人としての義務」と思ってのことだ。現実は違った。「教官らの多くはだれかを助けるというより、アラブ人を殺すことに熱中しているようだった」。

幻滅は情報機関で仕事を重ねるにつれ、政府への不信となっていった。「公のためという名の下で、いかに公のためにならぬことがなされたか。公にしなければ」。

彼はいま、香港のホテルの一室にこもって、世界の人々が告発をどう受け止めたか、注視しているという。盗聴と盗撮におびえ、布をすっぽりと被り、パソコンに向かっているそうだ。

恐竜

2013-06-16 06:32:11 | Weblog
あなたは恐竜を食べたことがありますか?何を朝から寝ぼけているんだ。と言うなかれ。

恐竜学の最前線をわかりやすく解説する『恐竜時代―』(岩波書店)の著書、北海道大学の小林快次(よしつぐ)准教授は一般向けの講演のたび、こう説明する。

「鳥は恐竜なんです・・・インコやジュウシマツを飼っている人は、恐竜を飼っていると自慢してもいいんですよ」ここ20年で、恐竜研究は飛躍的に進んだ。

かつて恐竜と鳥との進化の歴史をつなぐのは、19世紀半ばにドイツで見つかった「始祖鳥」だけだった。それが、1990年から中国で羽毛や翼を持った恐竜の化石が、数え切れないほど発見されてきた。

進化の大樹から見れば、爬虫類(はちゅうるい)という大きな枝から恐竜という枝が生じ、さらにそこから伸びて、現在へとつながっている枝が鳥類。大絶滅期を生き延びたのが、鳥類型の恐竜―ということになるらしい。

小林さんが今、頭を悩ましているのは、鳥は肉食の恐竜から進化したのか、それとも植物食の恐竜かという問題。「植物連鎖の頂点に立つ肉食恐竜からならば、強者がさらに空に覇権を求めたことになる。植物食恐竜からであれば、弱者が空に追いやられたということになります」。

鳥のご先祖さまはどんな思いで、空に羽ばたいたのか、焼き恐竜(つまり焼き鳥)でも味わいつつ、想像してみますか。

監督

2013-06-14 06:53:15 | Weblog
自己顕示欲がさほど強くはなく、周囲と強調して事を運ぶことを好む。自他ともに認める日本人の特徴だが、実は、サッカー日本代表監督のザッケローニさんの自己分析でもある。

監督には、日本の水が合ったようだ。だからという訳ではないが、この国の清々しい水が生み出すワサビが大好物。2010年代表監督に就任して最初の黒星は平壌での北朝鮮戦。

「(入国の際)ワサビを没取されガッカリした。それで負けた」と冗談を飛ばしたくらいだ。そのワサビに負けず、鼻の奥をツーンとさせるような試合で、日本代表が5大会連続で、ワールドカップの切符を手にした。

世界に先駆けての出場決定は、まさに「日の本の国」の面目躍如だ。ザッケローニさんは東日本大震災の翌日、母国イタリアに帰国した。心配する家族を安心させるためだったが、被災者支援のチャリティーマッチをやると聞くと、すぐさま日本に戻ってきた。

そして、日本サッカー協会の小倉純二名誉会長に言ったそうだ。「日本で監督をやる大きな意味を見つけた」。この年の夏には母国の新聞にこうも語った。
「日本人はいつも笑顔で親切だが、今は震災のショックがある。日本代表の選手たちの目にも痛々しさが見られる」。

4日夜、ザッケローニさんは、戦い抜いた選手たちだけでなく、日本中の目を、喜びで輝かせてくれた。

水くみ

2013-06-12 07:09:59 | Weblog
その村では、一つしかない井戸の手押しポンプが壊れると、学校が休みになった。児童らが水くみに追われるからだ。

10歳以上の子は、20キロもの水を頭に載せ運ぶのが決まりだ。ナイジェリアの北端にある村は、最も近い舗装道路まで20キロ余りという村だ。

小どもらは酷暑の中、水を求めて十数キロも歩く、そうして手にする水も、決して清潔ではない。下痢止めの薬すらないために、7千人の村で毎年40人ほどの子どもの命があっけなく散る。

電気も水道もない。簡単な薬もない。だが、驚いたことに、そんな村でも携帯電話は使えた。むろん貧しい村人は携帯電話を買えなかった。電波は飛んでいるのに、人々は使えない。

資源は豊かでも、外国企業や利権を牛耳る一部の有力者しか潤さない。そんなアフリカの矛盾を象徴するような「むなしき電波」だった。それが今や、アフリカは、経済の急成長を象徴するように、携帯電話が驚異的な勢いで普及している。

巨大市場に熱視線が注がれ、遅れてはならじと各国がしのぎを削る。日本は5年ぶりに開いたアフリカ開発会議で3兆円の支援を約束した。ただナイジェリアでは今なお人口の4割が、安全な水を得られずにいる。

携帯は通じても水はない。そんな矛盾を見つめない投資なら、いくら巨額でも、多くの人には「むなしき電波」となろう。

退職金

2013-06-10 07:56:08 | Weblog
高速増殖原型炉もんじゅの点検漏れ問題で辞任した日本原子力研究開発機構(原子力機構)の鈴木篤之前理事長への退職金支払いが検討されている。という記事があった。

「こういう組織が存在していること自体が問題」。原子力規制委員会から痛烈に批判された原子力機構は理事長辞任後も、茨城県東海村の実験施設で研究者ら34人が被ばくする放射性物質漏えい事故を起こしている。

解任以外、退職金を支払う規定になっているという言い訳を聞き、2年前の「更迭騒ぎ」を思い出した。更迭されたはずの経済産業省の松永和夫事務次官(当時)以下3人の幹部の退職金が1200万円ほど上積みされた。

組織上の都合で退職を求めるため、勧奨退職扱いになるという話だった。「ほとぼりが冷めれば、3人は天下りするのだろう」。案の定、1年もたたずに、松永氏は損保ジャパンなどの顧問に、細野哲弘資源エネルギー庁長官はみずほコーポレート銀行の顧問に収まっていた。

高級官僚の方々は、もうほとぼりは冷めたと判断したのだろう。国民を愚弄するにもほどがある。安倍政権は原発の海外への売り込みや再起動に積極的だが、原発事故が風化することを内心、歓迎しているなら大間違いだ。

先日も数万の市民が国会議事堂を囲んだ。地からわき上がる声を侮らない方がいい。