デジカメぶらりぶらり

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おくりびと

2009-02-27 07:16:50 | Weblog
アカデミー賞の外国映画賞に輝いた「おくりびと」のもとになった「納棺夫日記」の作者青木新門さんがこんな話をしていた「生死がひとつという境地になって、あらゆるものが光ってみえる」と。

発表当初から衝撃的だった北陸発の一冊が、時をへてロサンゼルスで輝くとは、だれが予想しただろう。

命をはぐくむ子守歌を聞く集いの中での「おくりびと」の話は胸にしみ、子供たちにも貴重な体験になったに違いない。

生も死も日常にある。いくら身近にあっても、見ようとしなければ見えないものがある。日常に流されず、ひと味違った視点を持つことの大切さを教えられる。

競売

2009-02-25 06:27:15 | Weblog
19世紀のアヘン戦争で英仏軍が北京で略奪したブロンズ像が今ごろパリで競売にかけられることになり、中国が抗議している。

何年たっても所有権は中国にあると主張している。かつて英国の大英博物館の展示品を見た作家の林芙美子が「よくもあんなに世界中から泥棒してきたものだ」と言った話がある。

エジプトなど古代文明の遺物が「英国の宝」になっているのを皮肉ったのである。戦争の混乱期に文化遺産が海外に持ち出された例はいくらもあった。

日本も例外ではない。明らかに略奪された品と判明すれば返すのが筋で、世界中で今も同じ問題がくすぶっている。

戦争で奪ったものはいくら時間がたっても略奪者のものになるわけではない。が、国家が堂々と奪ったものは、かえって弁明し易いのか自分の物だと言い続ける。

美術品も「領土」も同じだ。

三流

2009-02-23 07:23:01 | Weblog
春の陽気が続いた後、また雪に逆戻りである。風邪にたいする警戒を怠れないが、薬の飲みすぎも要注意。

大臣が身をもって教えてくれた、風邪薬と酒の相性が良いわけがない。大臣の失態に悲しくなるが、それをいさめる側近が誰もいなかったのだろうか。

これもおかしな話である。会見欠席は礼を失するが、出席して醜態を演じるより、よほどまし。まるで裸の王様である。

小泉元首相を怒らせた麻生首相の郵政民営化に絡む発言も、聞かれてもいないことまで口にした。「勇み足」だろう。

失言続きの折も折、「何とぞ自重を」といさめる人や、そつない「官僚答弁」を授けるはずの側近はどうしたのか。政治は三流、官僚は一流、と長らく言われてきた。

官僚が、手取り足取れ政治家を動かしていたというのだが、その操りの糸が、ともにおかしくなってきている。一握りの優秀な官僚は、政権与党に対して微妙な「間合い」を取っているように映る。

還暦歌手

2009-02-21 07:13:08 | Weblog
61歳でCD売り上げの最年長記録を作った歌手、秋元順子さん話題の「愛のまま・・・」は熟年離婚防止ソングといわれる。

春や夏に咲く花があるのなら、秋から冬に咲く人生の花もあると語っている。また「歌は、需要と供給の関係」とも述べていた。

高齢化社会に熟年の愛の歌が求められる。と、還暦歌手の人気は「すべての偶然が、あなたとの出会いにつながる」と歌ったところにある。

人生はすべて偶然の積み重ねであり、その運命を率直に受け入れようとの姿勢が、中高年の心に灯をともしたのだった。

100年に1度という不況の今、なぜか、こうした偶然を前向きにとらえる姿勢が浸透して見える。

「起きていることはすべて正しい」と言う女性評論家の本が売れ、連続テレビ小説の主題歌は「緑の糸」で結ばれた運命を歌う。

冬の後には春が来る。朝の来ない夜はない。チェンジと呼ばなくても変わるものは変わりますよ、いい方向に。女性のたくましさだ。


明暗

2009-02-19 06:27:40 | Weblog
映画「ゼロの焦点」が半世紀ぶりに映画化されるという。能登を舞台にしたミステリーの代表作である。

かっての能登ブームを作るきっかけになった作品であったから「夢よ再び」の声もあるが、複雑な思いがしないわけでもない。

「ゼロの焦点」の影響が大き過ぎ、後に能登を舞台にした殺人ドラマが、多く作製されたとか。

明るい半島のイメージに、作られた「暗さ」がついて回ることになった。清張作品の功罪半ばと思うのだが。

注目すべきは撮影年代だ。「ゼロの焦点」の前年1960(昭和35)年、吉永小百合のデビュー作「不適に笑う男」のロケが、やはり能登で行われた。

主役の赤木圭一郎がピストルを撃ちまくる痛快な映画だった。なぜ1960年代初頭に次々と能登が映画に登場するのか。

実は、能登線が開通間じかで、半島に光を当てる必要があったのだ。作戦は的中、鉄道はあふれるほど観光客を運んだ。

が、それに匹敵するほどの少年少女が集団就職列車に乗って都会へ消えたのである。名作の背景にある高度成長期の光と影とが、あったのである。



大麻

2009-02-17 07:16:49 | Weblog
連日のように、大麻事件が報じられる。一筋縄ではいかぬ大麻騒動である。国が違うと、おとがめの程度も異なる。

大相撲の看板にドロを塗った力士は、クビになった。吸引疑惑が発覚した北京五輪競泳の米国人スター選手は、出場停止3カ月の軽い処分。

8つの金メダルも無事である。中米某国では、タバコを買いに来たら、「そんな体に悪いものはよせ」と忠告され、代わりに大麻を薦められて仰天した。

大麻を目の敵にする国もあれば、大甘な国や州もある。力士は、ルールに従って解雇処分になったが、途端に退職金をもらうのはけしからん、と大合唱が起き、それも棒に振らされた。

けじめをつけよ、というのなら、処分のルールの不備や再発防止の仕組みに、真っ先に批判の矢を射るのが筋ではなかろうか。

大麻力士に一片の同情もわかない。がわが身はさておき、他人の始末の付け方となると妙な潔癖さを要求し、ちゃべちゃべと口を出す。不快なものを見た。


タコの足

2009-02-15 06:07:55 | Weblog
タコの足は8本と思っていたら、タコの足は2本だけで残り6本は手、という愉快な研究が報じられた。

欧州の水族館が共同で観察した結果、2本の足で移動し、6本で物をつかむことを突き止めたという。

落語の世界では、もっと簡単な手足の見分け方が登場する、タコをつかまえて頭をなぐる。「痛っ」と叫んで頭を押さえるのが手で、動かないでいるのが足。

お笑い話だが、じっと観察と見抜ける、という目の付け所は先の研究者たちと共通する。逮捕された「円天」商法は、だましの手足を伸ばした親分ダコの周りに、無数の子ダコが群がったような事件である。

だましが見抜けなかった被害者は3万人、集めた金は1千億円以上にもなる「減らない円天通貨」は、食っても再生するタコの足に似る。タコの足再生は真偽不明、円天通貨は真っ赤なウソ。

タコが自分の足に食らいつくのは、ストレスに駆られた振る舞い、という話を聞いたことがある。危険な誘惑の手と、大金を持ち逃げ足、落語のオチが笑えぬ事件である。



バレンタインデー

2009-02-13 06:21:13 | Weblog
バレンタインデーを間近に控え、チョコレートのような色と風味を持つ「チョコビール」の人気が高まってきた。

市場をけん引する地ビールメーカーに加え、大手も参入。今年は女性の魅力とアルコールに酔う男性が増えそうだ。

老舗ビールメーカ、サンクトガーレンは、麦芽を高温でいる「焦がし麦芽」を使った「インペリアルチョコレートスタウト」(330ミリッリトル、630円)を展開。

生産分3万本すべて、1月16日の販売開始初日に納入先が決まった。バニラやオレンジ風味を加えたチョコビールも好調な売れ行きだ。

また、サッポロビールはカカオ使用の発泡酒「ショコラブルワリー」をチョコメーカーと共同開発。

当初は6万本限定で発売したが、好評だったことから1万3千本を上乗せし完売したという。

老化

2009-02-11 06:34:18 | Weblog
世の中に、山があり谷がある。景気も好不況の節目もある。ただ見えないだけだ。昔の人は、忍び寄る老いに例えてこう言った「朝起きて夕べに顔はかわらねど、いつの間にやら年はよりけり」。

02年2月に始まった戦後最長の景気拡大が後退したのは、07年11月だったと内閣府が分析した。あぁあの時から老いが始まったのかと思うようなもの、後になって考えれば時間の境目も見えることもある。

02年2月といえば大河ドラマ「利家とまつ」ガ始まったころ、国内ではなんとなく上昇気流を感じたのだ。

が、国民には好景気の実感がない「けち」な景気拡大だった。一方、下降開始は07年秋。安倍首相退陣で福田内閣がスタートしたころだ。

「いつのまにか」どころか、政治が急速に坂を転げ落ち始めたのが見えた。経済も建築基準法改正など官製不況と呼ばれる「老化」が進行していた。その挙げ句が今の現状だ。

過去を降りかえってもむなしいが、国民に還元されなかった「好景気」とはなんだったのか。下降の引き金は何か。その分析はしっかりやっておく必要があろう。

解体

2009-02-09 06:36:50 | Weblog
デパートの「解体セール」が人気だそうだ。歳暮や中元商戦で売り残ったギフト商品をばらして安売りするので、この名がついたという。

生活防衛に励む主婦らが殺到、入場制限するほどのにぎわいという。ギフトセットの時の半額以下の品もあって、まとめ買いをした商品を台車に乗せて運ぶ客も珍しくなく、各店が前年を大きく上回る売り上げだという。

「解体」は「買いたい」につながる内需刺激策のひとつと言う人もいる。「売れ残り」といいながら、メーカーが解体セール用の商品を供給する態勢になっているところを見ると業界あげての消費刺激策とみていい。

先日「百貨店の売り上げ、コンビニに抜かれる」と報道された。かって「夢を売る」と言われたデパートも夢より現実が大切である。

「解体」の2文字にドキリとするが、開き直った迫力と、したたかさが見て取れる。名門デパートが安さを競う「解体セール」ほど今の世相を象徴している言葉はない。