「追われて辞めるんじゃないから、石橋湛山や田中角栄のような立派な退陣の弁を語ればいい」と、側近の議員が菅首相に進言していたという。
湛山氏は別として、角栄氏が「追われて」の辞任ではなかったとは知らなかった。菅首相も自分が「追われている」事実を分からないほどトンチンカンでもなかろうが「やるべきことはやった」との退任の弁からは、現実がよく見えていなかった可能性がうかがえる。
首相になったら見えなくなるものが三つあるという。ひとつは「カネ」。自由に使えるからありがたさ見えなくなる。二つめは「人」。周囲から都合のいい情報しか入って来ない。三つめが「国民の顔」。有権者が何を求めているか分からなくなる。
菅首相も例外ではなかったようだ。被災地の人々の顔が見えず、取り巻き議員の報告で自分が「追われている」自覚がなかった。3カ月の居直りによってどれだけ国政や外交に弊害を与えたか。
国民ほどには見えなかったに違いない、市民派を自称しながら市民の顔が見えなかったのはなぜか。いつか巡礼の旅に出るのなら、その答えを求めて歩いてほしい。
湛山氏は別として、角栄氏が「追われて」の辞任ではなかったとは知らなかった。菅首相も自分が「追われている」事実を分からないほどトンチンカンでもなかろうが「やるべきことはやった」との退任の弁からは、現実がよく見えていなかった可能性がうかがえる。
首相になったら見えなくなるものが三つあるという。ひとつは「カネ」。自由に使えるからありがたさ見えなくなる。二つめは「人」。周囲から都合のいい情報しか入って来ない。三つめが「国民の顔」。有権者が何を求めているか分からなくなる。
菅首相も例外ではなかったようだ。被災地の人々の顔が見えず、取り巻き議員の報告で自分が「追われている」自覚がなかった。3カ月の居直りによってどれだけ国政や外交に弊害を与えたか。
国民ほどには見えなかったに違いない、市民派を自称しながら市民の顔が見えなかったのはなぜか。いつか巡礼の旅に出るのなら、その答えを求めて歩いてほしい。