デジカメぶらりぶらり

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忘れられない

2008-10-30 07:21:32 | Weblog
忘れたくても忘れられない、いや、忘れてはいけない記憶が人にはある。農民詩人として知られる井上俊夫さんにとっては、先の大戦の記憶がそれに当たる。

「もしも私が蛇に生まれていたら」と題した作品がある。蛇だったら兵隊にならなくてすんだ。

現実には20歳から24歳にかけて、中国で従軍した。<えらいことになったぞ、誰もこの場から逃げることは出来ないんだ。おれも人殺しをやらねばならないのだ>と自分に言い聞かせたが、罪悪感まではなかった(「80歳の戦争論」から)。

この体験を含め、戦争の実相を語り継ぐことが、戦後の井上さんの使命になっていたと推察する。

「戦死させてもらえる顔」では、戦死するのは<権力者を批判したり/それと闘ったりする術など全然知らない/素直で従順な若者と/相場が決まっているのだ>とつづっている。

いつの時代でも、どこの国においても言えそうである。過日、86歳で亡くなった。忘れてはいけない記憶は活字で十分に残してある。

うれし涙

2008-10-28 06:15:54 | Weblog
人は生まれてから死ぬまでに幾たび涙を流すのだろう。うれし涙、悲しみの涙、悔し涙、・・・。涙はいつも、喜怒哀楽とともにある。

涙に気をつけることもある。ドイツの哲学者ハイデッカーは<泣く顔はいつも仮面であり、それは自己を表すと同時に自己を隠すものである>という警句を残している。

テレビで見た若者の涙があった。北京五輪のフェンシング男子フルーレ個人で、日本勢初となるメダルを獲得した太田雄貴選手(22)のことである。

「銀」が確定した試合後ではない。森永製菓への入社発表の記者会見でのことである、社員バッジと名刺を手に「いろんな人に支えてもらって、社会人になることができた」と感極まって、うれし涙を見せたのだ。

今春に大学を卒業したが、五輪に集中するため就職を見送っていた。成果を出せなかったらと、将来への不安を感じたこともあるに違いない。

これからは安心して、次のロンドン五輪を目指すことができる。就職が若者にとって人生の一大事であることを、思わぬ場面で痛感した。

誰であれ、若者が流す涙はうれし涙であって欲しい。   

宝くじ

2008-10-26 07:07:17 | Weblog
イタリアの宝くじは数字を6つ選ぶくじ。すべて当たる確率は6億分の1以下とかで、当たりなしが続きに続いて賞金が膨れ上がった。実に、124億円。いずれどこかの者が取る。

とっても泣いている人も、中米コスタリカの男性はせっかく、1千百万円を当てながら、宝くじをズボンに入れたまま洗濯してしまった。

変わり果てた当たり券で賞金を要求したが、主催者が拒否し控訴に。最近、最高裁で男性の負けが確定した。

ただ、百億円を超える大金に突如のしかかられることになる人生のきしみを想像すれば、この男をあながち不運と決めつけられない気もしてくる。

この気の毒な一人の女性の運命を思うなら、岩手県一関市の女性は4年前宝くじで2億円を当てた。

その後に起きることを考えれば言葉もないが、喜びはどれほどだったか。翌年から行方不明に、最近、知人の男が殺して埋めていたとして逮捕された。

おぞましい犯行の動機は、やはり賞金からみとみられている。

冷静

2008-10-24 07:13:50 | Weblog
ホテルに宿泊中、火災報知機が鳴り、外へ逃げ出した。誤作動だったが、ふとわれに返ってみると、後生大事に抱えていたのは旅行カバンでなく枕だった・・・。

これは笑い話としても、確かに人には、ショックを受けると冷静な時には考えられないような行動をとってしまうところがある。

実際、110番や119番通報では、動転のあまり自分の名前や住所さえ言えない人が少なくないと聞く、そこを突くのが、あの「おれおれ詐欺」なる卑劣な犯罪だろう。

それを含めた「振り込め詐欺」被害が今年に入ってまた急増しており、警察庁は今月「撲滅月間」に位置付け警戒を強めている。

おれおれ詐欺に遭った被害者を対象にした警察庁の調査結果がある。少し驚いたのは、金融機関でお金を振り込む際、行員らが注意を受けたのに送金してしまったという人が、3割もいたことだ。

忠告や制止まで振り切るなんて、と誰もが思う。だが、家族が深刻なトラブルに陥った、などと信じ込まされた時のショックは、かほどに強烈なのである。

それも家族への思い深ければこそ。それを他人事としてで片付けるべきではなかろう。

あしなが

2008-10-22 06:36:43 | Weblog
病気や事故で遺児となった子らの進学を支える「あしながが学生募金」が始まった。学生らが全国約3百カ所で街頭に立つのだ。

募金事務局次長で愛知県の大学2年生、木庭俊一さん(20)は中学2年の時に父親ががんで亡くした。

母親が働いて生活を支えたが、かけは厳しく、奨学金のお陰で進学を果たせた。今はバイトもしながら、美術館の学芸員になる夢を目指している。

一方、親の負担を考え、夢をあきらめざるを得なかった同じ境遇の後輩もたくさん見てきたという。

それが「悔しくてならなかった」。状況を少しでも変えたいと、彼は募金箱を抱える。困窮する家庭は増加の一途のようだ。

「あしなが育英会」によると、今年の奨学金貸与額は8年前から10億円増えて23億円に上がりそうだという。子どもらの未来への羽ばたきを手助けできればと思う。

インゲン

2008-10-20 07:13:25 | Weblog
中国から輸入した冷凍インゲンをスーパーで買って食べた都内の主婦が一時入院する事態が起きた。調べたところ、基準の3万倍の殺虫剤ジクロルポスが検出された。

味見で少量口にしただけで入院である。丸ごろ食べていたらと考えるとぞっとする。原液に近い濃度、袋の状況からして、人為的混入の疑いが濃そうである。

お節の黒豆のように、豆は「まめ」、つまり健康に重ねられもする食物だ。正反対に健康を害する豆などもってのほかだが、やはり想起するのは例のギョーザ事件だろう。

あれが、今なお未解決であることの“つけ”という気もする。

二日酔い

2008-10-18 07:26:47 | Weblog
酒好きによると、やはり今どきが一番うまく感じるという。若山牧水も「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに・・・」と詠む。

もっとも原料米を気にしていては静かに飲むわけにゆかない。文士には酒飲みが多いというが、意外、そうでもない人がいる。

尾崎紅葉はほとんど飲めなかったらしい。もし酒豪だったとしたら「金色夜叉」は別のストーリーになっていたかもしれない。

二日酔いに苦しんだ方は少なくあるまい。そこでさまざまな治療法をあげる人がいる。中でもすごいのは美術館でフェルメールの絵を見るというのがあった。

冗談だろうが効果的な気もする。

淡水魚

2008-10-16 06:16:24 | Weblog
たとえば漁船の一斉休魚といったニュースを知って私たちは敏感になる。それがどんな原因にせよ不安を覚える。というのも魚、とりわけ海のそれを、ごく身近に感じているからではないか。

味覚の秋はサンマなど魚に負うところが大きい。サバやイワシも今がよい時期だろう。私たちは長い歳月の間に主として海の魚を食べる民族になった。

一方、中国料理などでは魚料理の中心は淡水魚という。欧米でもその傾向が強い。だが、これからはたぶん世界中で海の魚が欠かせなくなる。

いつまでもあると思うな海の魚、そんな気もする。



4人

2008-10-14 06:09:18 | Weblog
国会では答弁のミスを連発している麻生太郎首相だが、これだけは同感。「(内容)僕にはよく分らないけれども、とにかくよかった。1年に4人も出るなんて、正直びっくりするね」ノーべル賞受賞についてのコメントである。

私どもも理論を分りやすく説明しょうとしている。なに、発明王エジソンもアインシュタイン理論には無関心だったという。受賞者はなりより研究を面白いと思っていた。

それにはきっかけがあった。どうやらそのきっかけを与えたのは師や同僚だったらしい。育つ人はむろんのこと、育てる人の重要さも痛感する。

コメ

2008-10-12 06:42:52 | Weblog
今年のコメは7年ぶりの豊作だという。作況指数は全国と北陸が102の「やや良」東海が101の「平年並み」。

だが豊作の喜びの実感が消えて久しい。逆に余剰米対策発動に興ざめだ。もうはるか昔だが田舎の学校では田植えと稲刈りの農繁期に休む級友が多かった。

農作業の年寄りからは人生訓を教わった。「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」。こういうのは忘れがたい。

一方、紙面は凶作の年のようだ。厚生年金の記録改ざんは底なしの様相だ。汚染米転売事件ではコメ業者から接待を受けていた役人もいた。

監視役の案山子(かかし)を社保庁や農水省に立てたらどうか。