全国初の裁判員裁判が8月3日東京地裁で開かれることになった。そこで考えさせる指摘があった。
精神鑑定と責任能力の有無に関する模擬裁判を見た裁判官が、裁判員の意見は「市民感覚ではなくて、素人感覚だ」と頭を抱え「準備が整ったとはとても言えない」ともらしたというのである。
「市民感覚」は、世の常識とかけ離れがちになるプロ裁判官の感覚を正すものとして新制度で期待されている。
一方の「素人感覚」は、特には感情的であり厳正な法律と矛盾することもある。が、両者は表裏一体のものだ。
片方の良い所だけほしいというのは無理な注文であり、それこそ市民感覚からずれている。市民感覚にも表と裏がある。
きれいな表側だけを採用して、司法改革が実現すると思うのは幻想ではないか。市民感覚を大事にしようと叫んで、素人感覚がはびこった政界の例もある。
精神鑑定と責任能力の有無に関する模擬裁判を見た裁判官が、裁判員の意見は「市民感覚ではなくて、素人感覚だ」と頭を抱え「準備が整ったとはとても言えない」ともらしたというのである。
「市民感覚」は、世の常識とかけ離れがちになるプロ裁判官の感覚を正すものとして新制度で期待されている。
一方の「素人感覚」は、特には感情的であり厳正な法律と矛盾することもある。が、両者は表裏一体のものだ。
片方の良い所だけほしいというのは無理な注文であり、それこそ市民感覚からずれている。市民感覚にも表と裏がある。
きれいな表側だけを採用して、司法改革が実現すると思うのは幻想ではないか。市民感覚を大事にしようと叫んで、素人感覚がはびこった政界の例もある。