デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

水くみ

2013-06-12 07:09:59 | Weblog
その村では、一つしかない井戸の手押しポンプが壊れると、学校が休みになった。児童らが水くみに追われるからだ。

10歳以上の子は、20キロもの水を頭に載せ運ぶのが決まりだ。ナイジェリアの北端にある村は、最も近い舗装道路まで20キロ余りという村だ。

小どもらは酷暑の中、水を求めて十数キロも歩く、そうして手にする水も、決して清潔ではない。下痢止めの薬すらないために、7千人の村で毎年40人ほどの子どもの命があっけなく散る。

電気も水道もない。簡単な薬もない。だが、驚いたことに、そんな村でも携帯電話は使えた。むろん貧しい村人は携帯電話を買えなかった。電波は飛んでいるのに、人々は使えない。

資源は豊かでも、外国企業や利権を牛耳る一部の有力者しか潤さない。そんなアフリカの矛盾を象徴するような「むなしき電波」だった。それが今や、アフリカは、経済の急成長を象徴するように、携帯電話が驚異的な勢いで普及している。

巨大市場に熱視線が注がれ、遅れてはならじと各国がしのぎを削る。日本は5年ぶりに開いたアフリカ開発会議で3兆円の支援を約束した。ただナイジェリアでは今なお人口の4割が、安全な水を得られずにいる。

携帯は通じても水はない。そんな矛盾を見つめない投資なら、いくら巨額でも、多くの人には「むなしき電波」となろう。