デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

カツオ

2011-10-30 07:23:14 | Weblog
大震災の影響で、三陸沖のカツオ漁がおもわしくないとう。北海道沖からUターンする戻りカツオは美味ともてはやされるが、太平洋を縄張りとする魚に、北陸はなじみが薄い。

高価なカツオにやきもくしなくても、海の幸には事欠かない。そう自慢していたら、「迷いガツオ」の話を聞かされた。カツオは黒潮に従って移動するが、まれ「迷子」が現れる。

なぜか太平洋のルートから外れて日本海側に出現し、能登や対馬近辺で揚がることがあるという。大事な回遊の道を間違える間抜けな魚なら、さぞまずかろう。そう思い込むのは、早合点。

日本海の荒波でももまれて身が引き締まり、脂がのった逸品だというから、不思議なカツオである。もっとも、「迷ったカツオ」と決め付けるのは人間サマである。大群で泳ぐのを潔しとせず。

未知の日本海に出てやろうという冒険心に富むカツオたちかもしれない。冒険野郎なら、身が締まって美味なのもうなずける。豊かな北陸の海である。三陸の魚場の窮状を見聞きするにつけ、海の幸に恵まれるありがたさを忘れまいと思う。



横文字

2011-10-28 07:18:55 | Weblog
いま世間を騒がせるのがTPP。頭痛がしそうな横文字の略語が、大手を振って歩いている。CDから現金が出たり、音楽が飛び出したりする。

PTA,BCGと言ってすぐに話が通じたころが懐かしい、食通自慢のきざな男に「珍しいごちそうだ」と偽って、腐った豆腐を食べさせる落語がある。江戸落語で「酢豆腐」、上方落語では長崎伝来の「ちりとてちん」という意味不明な名が付く。PやTが並ぶ略語を聞かされると、正体不明で怪しげな「ちりとてちん」を連想してしまう。

UPZは「緊急防護措置区域」、PPZは「放射性ヨウ素対象区域」と記事にある。腐った豆腐どころでない重大な事柄である。それを、意味不明の略語と長たらしい日本語の直訳で済ませるとは、無神経さに恐れ入る。

横文字の略語を退治し、分かりやすい言葉を広める。それが、知恵のある役人の仕事だと思うが、無理な注文だろうか。

シェルター

2011-10-26 07:19:45 | Weblog
万が一、核戦争がおきたら逃げ込む避難所を「核シェルター」という。放射能を防ぐ設計になっている。幸い、まだ試した人はいない。

地震や津波から身を守る「避難シェルター」が売り出されたとの記事もあった。卵形の強化プラスチックで、4人程度は入ることができる。家の下敷きになってもつぶれず、水に流されても安定して浮く仕組みになっていた。

加賀藩の江戸屋敷に地震部屋が造られていたのが分かった。藩主が逃げ込む「地震シェルター」だが、効果を発揮したとの記憶はない。それどころか、幼い若君を抱えて逃げ込んだところ亡くなってしまったという。

広い庭に逃げた方がよかったのだろうか。今震災では、津波避難ビルが波にのまれて崩壊したのもあった。無残にも、逃げ込んでも役に立たなかった。津波に強い避難ビルの建設以上に難しいと思うのは、狭い閉鎖空間に逃げ込むことだ。

状況にもよるだろうが、目の前の「シェルター」に飛び込むが、遠くの丘に走って逃げるか、どちらが人間の心理にかなっているのだろう。江戸の古絵図は、21世紀の防災対策の参考になりそうだ。

喜寿

2011-10-24 07:10:46 | Weblog
喜寿を迎えられた皇后さまが心境をつづられた文章が紙面に載った。「各地が大きな災害に襲われた。悲しみの多い年でした」という書き出しで紙面には文書の要旨が載った。

要旨では被災地に寄せる深い思いはうかがえるが、全文に目を通すと復興を願う皇后さまの祈りがより伝わる。美辞麗句ではなく、分かりやすい言葉、使い慣れた表現を選ばれている。

だからこそ、読み人の心を打つ。皇后さまからの文章から日本語の美しさを教わる。全文に目を通すと、一カ所難しい言葉が出てくる。「2万人近い無辜(むこ)の人々が悲しい犠牲者となった」とある。

「無辜」と言う言葉は聞き慣れないが、「罪のないこと。辜は罪の意」と簡単に辞書にも出てくる。悲しみと不条理に対する憤りが、重い響きの漢語「無辜」から伝わる。

そんな無辜の一人を、バカ呼ばわりしたとして、また騒いでいる。無礼であると怒る声と、愛情表現の裏返しという言い訳。お粗末な争いである。

為政者の言葉の軽さ、乱暴さには、ため息が出る。いまさらながら、何度繰り返せば済むのだろうか。

列車の旅

2011-10-22 07:58:29 | Weblog
列車の旅にもゴミ問題がある。駅弁の包み紙、菓子袋、ペットポトル、新聞雑誌。いつの間にか増えるようになっている。

時折、回収サービスの清掃係が回ってくるとホッとする。先日、山陽新幹線の中で改札に回ってきた車掌さんが、切符を確認の後、手に提げた小さなナイロン袋を出して「ごみはこの中へ」と促した。

そのさりげない行為には感心した、後にも先にも、どの新幹線でもそんな気配りをしてくれる車掌とは巡り会わないから、個人的なサービスだったのだろう。大いに感心した。

乗客の身になって本来は車掌がしなくていい仕事をする。できそうでできないことだ。山形新幹線には売り上げが普通の3倍近くというカリスマ販売員がいた。乗客のそぶりで何がほしいのかを推測する。

曜日や時間によって売れる商品が違うことを知っていて積み替える。その人にしかできない工夫や努力を重ねると仕事の価値は別物になる。北陸新幹線開業を控え、JR西日本が北陸地区の職員を育成のために山陽地区に派遣するという。

整備方法や安全運転の他に、あのサービス精神もぜひ学んできてほしい。


おはよう

2011-10-20 07:38:14 | Weblog
中国の「おはよう」は「朝ご飯ちゃんと食べた」の意味だそうだ。食の国らしいと思う一方で、13億とも言われる人民が腹を空かさずに暮らす国の大変さを思う。

中国に行ってみると体格のいい人が意外と多い。政治家がその典型だ。トップは太った人物が就き、哲人ふうのやせ形はナンバー2におさまる。というと、毛沢東と周恩来のコンビが目に浮かぶ。

訪中した枝野経産相が温家宝首相と会談した。異例の厚遇で、将来の首相候補と見て高く評価している証しだそうだ。評価の根拠は、震災時の官房長官として昼夜を問わず会見で説明し続けた、あの能力だったと見る人もいる。

しかし、先の中国の伝統からみると、枝野氏厚遇の理由は、あの風貌と体形に関係があるのかと思ったりもする。中国側の次期トップが確定的な習近平副首相もふくよかで典型的な中国の指導者タイプ。

訪中の日程が固まった野田首相といい勝負だ、体形で見る限り、民主党内閣と中国との相性は悪くないかもしれない。が、13億人を食わせる巨大な責任を背負った。貪欲でしたたかな相手であることを忘れてはなるまい。

100日

2011-10-18 07:40:40 | Weblog
就任後100日は好意的に見守る習慣が、米大統領とマスコミ界の間にある。優しいだけではない。その間に一定の結果を出さないと後が怖い。

野田政権の場合はどうか。演説がうまい、誠実そうだと優しかったのも1カ月程度で終わりそうだ。根拠の薄い増税論議に続き、公務員宿舎問題が表面化したあたりから「無定見」だ「マッチポンプ」など辛辣(しんらつ)な表現が飛び始めた。

凍結した、解除した、見直すと言って、今度は「中止もあり」だから無理もない。工事を中断すれば別の補修工事が必要だ。違約金なども40億円必要との試算もあった。

民主党政権にはダム建設の中断で混乱を招いたこともある。就任後の成果もなく失点が目立つ。甘い点はやれない。そうした、税金をどぶに捨てるような無駄遣いに頭が回らないのか、胸が痛まないのか。

つい先日には復権増税が9兆だ、11兆だと無責任な数字が飛び交った。2兆円の差が切実さがこの人たちからは感じられない。復興財源のあまりの大きさを前にして、民主党内閣の面々の金銭感覚がマヒしてしまったのではないか。震災以来、気に掛かってならない。

ガス抜き

2011-10-16 07:14:34 | Weblog
最近の中国では、対政府への不満や不信のガスが充満しそうになると、いち早くガス抜き役をするのが温家宝首相である。

人民解放軍が災害救助の出動に手間取ると避難する。人権抑圧が目立つと人権擁護論をぶつ。列車事故で不安が高まると現地に飛んで直接指揮する。

日本の震災地にまで来ている。歴代の中国要人の中では飛び切り人が良さそうにみえる。それが軍の怒りを買い。党から疎外されることになると外電は伝えた。

軍の指揮権を持たない首相が党改革や民主化を訴えるのだから軍と党から圧力がかかる。かつて天安門事件に理解を示して失脚した幹部の二の舞になるとの見方だ。

中国は62年目の国慶節を迎える。新指導部への政権移譲もスムーズで過熱気味の経済も破綻せずにきた。温首相が登場するタイミングは的確で結果も上々、中国はブレーキとアクセルを使い分けできるように成長したとみることはできないのだろうか。

過去の物差しでは判断出来ない相当したたかな、新タイプの政治家が巨大化する中国に生まれてきているようにも見える。

ノーベル賞

2011-10-14 07:38:23 | Weblog
ノーベル賞の季節である。今年も有力な日本人のお名前が何人も報じられている。緊張して発表を待つ日が続く。

田中耕一さんの化学賞受賞に大興奮してから、もう9年がたつ。受賞決定直後に田中さんが富山に帰郷した折、会見場に滑り込んだことを思い出した。

「生体高分子の同定及び構造解析」という門外漢にチンプンカンプンの業績について、田中さんは平易な言葉で語った。

たんぱく質の分析技術を応用し、「血液を手掛かりに病気の状態がすぐに分かる機器を開発したいのです」。そんな小型の機器を薬局などに普及されるのが研究の目標だという。

最先端の仕事を語るのに、難解な専門語は一つも出てこなかった。難しい事柄をやさしい言葉を使って説く。たやすいことではないだろう。難解な専門用語を使って聞き手を煙に巻く方がよほど楽に違いない。

田中さんのまじめな会見が殊更印象に残る。「日本が元気になるといい」というのが、田中さんの控えめな受賞の弁だった。あれから何人も受賞者が出たのだが、まだまだ「元気」をもらいたい昨今である。

体育の日

2011-10-12 07:11:44 | Weblog
連想ゲームで「体育の日」とくれば、「青空」が浮かぶ。年配者なら「東京五輪」と続くだろう。47年前に五輪開会式があった。

10日は極めて高い確率で好天気になる「晴れの特異日」だから、大事な式典がこの日に決まった。北陸では、1月の大学入試センター試験がたいがい雪に見舞われる。

さしずめあの日は「雪の特異日」か東京五輪開会式では、「世界中の青空を全部持ってきたような」という中継の言葉が印象的だった。よその国の青空を奪ってきたとは、随分乱暴に聞こえる。

が、目くじらを立てるのはお門違い。青空に五輪選手の姿を重ね、世界中の若者が集まった晴れがましさを言い表した名調子であろう。世界の青空を集めた五輪の記憶や感動も、随分薄れてしまった。

いま、世界の耳目を集めるのは、痛ましくもやりきれない原発事故である。すぐに指導者を代える政治の姿にも冷ややかな視線が注がれている。暗雲ばかり集めて、どうなることだろう。

異常気象が叫ばれる折でも、うれしいことに10日の「晴れ」は健在である。元気をだせ、と秋の空から励ましの声が聞こえるようである。