Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

雑記2

2010年11月03日 | Weblog
artscapeのレビューを更新しました。ご一読下さい。

ところで、昨日(11/2)神奈川県身ホールギャラリーに泉太郎「こねる」展を見てきました。
ここにも何度か書きましたが、今回カタログに4000字程度の原稿を書きました(カタログは今作含め泉くんのこれまでを網羅した作品集になっています。泉くんのエッセイ、学芸員の中野さんの論考とあとぼく以外では五十嵐太郎さんが執筆しています。2000円)。段落替えなしで五つのパートに分かれた文章、自分としてはちょっと特殊な原稿です、遊び心で泉くんに負けないようにしたいと思ったのでした。展示の内容は、ぼくが今回そういう仕方で関わっているからいうのではなく、素晴らしいです。少なくとも、金沢の「フィシュリ&ヴァイス」に匹敵する、いやそれ以上の面白さです。泉くんの作品は一見しただけでは単にふざけているように見えるかもしれませんが、そこにはそうとう知的な仕掛けがしこまれています。カタログにも書いたことなんですけれど、彼の作品のひとつ大きな特徴として、展示する空間で展示される映像作品を撮る、というやり方があります。すると、空間と映像は相互に照らし合い反省的になるわけですけれど、そうした仕掛けに頭がクラクラしまたそのクラクラに中毒的な感覚をもつのですが、今作ではとくに会場が広いために、映像が奥行きを活かしたものになっていて、とくに前後(手前と奥)に広く使っているために、遠近法的でありキュビスム的でもあるダイナミックな空間性が生まれています。かなり新鮮です。昨日の時点では、まだすべての空間が作品に埋めつくされていなくて、今後さらに新しい展示が増えていく予定だそうです。必見。

ところで、
いま12月の文学フリマに向けて、KAT第2号を制作しています。
KATというのは、ぼくが大学生と作っているサークルのことで、昨年、レビューやエッセイなどを載せた「KAT」という名の雑誌を文フリで販売しました。今年のテーマは「インタビュー」。学生たちが話を聞きたい相手に直接オファーし、インタビューを目下進めているところです(ぼくもインタビューしてます)。いまのところでオッケーが出ている(orインタビューを終えた)方を紹介すると、

チェルフィッチュの役者で独自の活動も行っている武田力さん
Chim↑Pomのエリイさん
快快の篠田千明さん
Maltine Recordsのtomadさん
サンガツの小泉篤宏さん
などです。

なかなか豪華なラインナップではないですか?
乞うご期待です。

ちなみに、先週の木曜日、tomadさんに新宿に来てらって学生二人とお話しをうかがいました。いやあ、すごい面白かった。生まれたときからポストモダンな世界に生きている人間がどう音楽や表現一般に向き合っているのか、すごい参考になりましたね。

ぼくがこの雑誌に期待するのは(この雑誌、ぼくはファシリテーターかもしれないけれど主導者ではないのです、編集長もぼくではなく学生だし)、若い女性の思考のかたちが言葉になること、です。いつまでたっても軽視・無視されたままでありつづけているそれを、どうにか顕在化させたいのです。

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