Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

女子大生のなんちゃって批評誌『KAT』乞うご期待!

2009年12月04日 | Weblog
12/6に開催される文学フリマにて、ぼくがナビゲイターをしているKAT(二年生6人組)という研究会が雑誌を販売します。『KAT』といいます。よろしくです。400円の予定ですが、88ページ。正直安いです(→前日の12/5、製本中に愛着がわきすぎて値段が勝手に上がっていきまして、いま800円で売る予定です)。あと、100部しかつくらないので、貴重なアイテムになるかも知れません。

ぼくはKREVA論とブリトニー・スピアーズ論を書きました。

学生達は、個人ページでたとえば、こんなの書いてます。

「差出人: 中村
件名: おねぇ
日時: 2009年9月1日

"ギャル系"
"non・no系"
"CanCam系"

日本人はなんでも
分類して
仲間を作りたがる

常に群れて
独りにならないように
しているみたいだ


去年の春くらいから
気になる分類があった


"おねぇ系"


どんなお姉さんなんだろ

パッと聞いた感じでは
"お姉系"いわゆる
お姉さん系という
印象しか受けない

しかし、
既存の概念には
当てはまらない

なぜなら
"おねぇ系"と
言われる人たちは
お姉さんではない

むしろ女性ではない

いや、この表現は
正確ではなかった
かもしれない。

"彼ら"は間違いなく
男性という性を
受けて産まれているが
気持ちは女性
……」

この学生は、女っぽい男達を恐らく史上初めてマップ化して分類し分析しています。しかも、携帯をツールにして。史上初の携帯小説ならぬ携帯批評です。

他には、「キャラ化する現代女性」というトークセッションを収めたページでは、

「着まわしを紹介する写真がスクリーンに出ていますが、人の形に背景が切り抜かれているんですね。人物も、一ヶ月コーディネートの一ヶ月分全部見たんですけども、主人公のさやさん以外に、彼や友人などは文章では出てくるんですけども、写真にはこの人以外は出てこない、背景にいるはずのそうした人間関係がくり抜かれていて写真に登場しない、その点に注目してみたいと思っています。「SWEET」はこういう特徴があるんですけれど、その一方で、着まわしページがより劇場化されている雑誌というのもあって、というかそちらの方がこれまでは主流で、そこではキャラクターの設定を見ると架空のものではあるんですがやたら細かいものが多いです。その代表例として「CanCam」を取り上げて調べてみました。これは10月に発売された号で、先ほどの「SWEET」と同じ時期に発売されたものなので、比較するにはいいかなと思ってこの号を取り上げます。この一ヶ月コーディネートでは、「ミックスエレOLみうの一ヶ月コーディネート」という題名になっています。」

なんて、「SWEET」VS「CanCam」が、実は、キャラ/キャラクターやポスト・モダン/モダンの区別をもって分析されていきます。これ、四年生の卒業研究の一部なんです(このトークの全貌は二万字)。


すごいです。こんなのどこでも読めないです。彼女たち曰くこの雑誌

「女子大生によるなんちゃって批評誌」

なんだそうです。

乞うご期待!

最新の画像もっと見る