Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

トークイベント満員感謝!

2009年11月30日 | ダンス
昨日は、たくさんの方に詰めかけていただき誠にありがとうございました。
80年代問題から若者の「ベタ」(?)な表現まで、かなり密度の濃い話が出来たと思います。
そこでも話しましたが、今度の日曜日の文学フリマで大学生とつくった雑誌『KAT』を販売します。ぜひ、足をお運び下さい!

集まって下さった方々とアフター・トークしたかったのですが、夜はとんぼ返りでマンション管理組合の臨時総会という強烈に現実的な場に出席せざるを得ず、しかも理事長代理という役職で議長をしていました。5時間ほど議論した末の結論は、一票足りず、組合理事たちで四ヶ月ほど議論してきた議案が否決されるという、なんとも虚無感に満ちたものになりまして、夕方の楽しい時間とこの夜の時間とで、天国と地獄を一度に味わうことになりました。ここに暮らすようになってぼくは随分大人を知ったな(知りたくなかったな)!

最近は、KREVA『心臓』熱が落ち着いてきて、なぜか山下達郎のベスト盤ばかり聴いてます。

明日(11/29)です、よろしくお願いします。

2009年11月28日 | ダンス
ART discussion8
『未来のダンスを開発する フィジカル・アート・セオリー入門』発売記念
木村覚さんx佐々木敦さんトークイベント開催!ゲスト:桜井圭介さん
ブックファースト新宿店・1Fブルースクエアカフェ内イベントスペース
11/29(日)午後4時~午後5時30分
場所はここです。
参加ご希望のお客様は、ブックファースト新宿店・地下1階Aゾーンレジカウンターにて
イベント参加整理券(500円税込)をお買い求めくださいませ。

当日ふらっといらしても、大丈夫です。
なかなかこの3人で話すことがないので、ぼくとしても楽しみです。

メタとメタのメタを経た後の「ベタ」

2009年11月23日 | 美術
平川恒太、高田冬彦「道徳」展のイベントが昨晩あった。
(ぜひ、まだご覧になっていない方は見に行ってみて下さい)

21才くらい彼らのような世代とつき合うと独特のスタンスを感じることがある。
近代哲学(ex.カント)のようなベタなメタ(普遍的なメタの立場があるとする思考)でもなく、
現代哲学(ex.ニーチェ)のようなメタなメタ(普遍的なメタに対して批評的な立場をとる相対主義的思考)でもなく、
ベタなメタでもメタなメタでもない、といって単純なベタでもない、メタのメタを経た後の「ベタ」が彼らの立場なのか?と感じる。

「道徳」展というタイトルの「ベタ」さは、ぼくにとっては、だから、単なるベタではない。
「こうしなさい」の道徳でも、「いろんな意見があっていいよね」の道徳でもない、そうした価値観を一旦括弧入れした後に、現場に介入して、そこでもう一度自分たちの生き方を考える、結果きわめて基本的な姿勢をとっている。そんなところに置かれたのが彼らのタイトル、道徳なのだろう。

こうした、メタでもメタのメタでもない、だから結果として「ベタ」に見える表現に興味がある。遠藤一郎は、ぼくにとってそういう作家だ。快快はぼくにとってそういう作家だ。


今朝は80分走。でたらめに走りたいだけ走って、「こんくらいかな?」と思ったところで引き返してくる。「き・も・ち・いー」と小さく絶叫してしまう。


リワインド

2009年11月15日 | 極私的ベスト5
まあ、だっあーれも興味をもってらっしゃらないことは重々承知の上なのですが、ブログは木村個人の備忘録的な役割を兼ねていますので、お知らせ的なもの研究的なものレビューに近いもののみならず、きわめて個人的なメモも書き残しております。ジョグについては、まさにその類で、まあだっあーれも興味をもっていないどころか、興味ないのに読んだばっかりに、木村にあったらジョグの話だとか「やせましたね」の一言とか言わなきゃいけないプレッシャーさえも与えて(先週実際に2人からそんな雰囲気の「やせたね」の一言をいただきました、ごめんなさい!)、面倒くさいことありゃしないのだと思いますけど、今日も書きます。

一昨日走って、風邪っぽかったので昨日はお休みして、今日は全快したようなので、八王子駅まで往復60分走。帰って計ってみると62キロ。これはたしか、23才の頃とほぼ同じはず。体重で言うと15才若返りました~。今年後半のぼくのテーマ・ワード(テーマソングみたいな)はリワインド(巻き戻し)に決定。

あと今頃になって「星間飛行」聴きまくってます。映画見に行こう!

トークイベント

2009年11月14日 | Weblog
ART discussion8
『未来のダンスを開発する フィジカル・アート・セオリー入門』発売記念
木村覚さんx佐々木敦さんトークイベント開催!ゲスト:桜井圭介さん
ブックファースト新宿店・1Fブルースクエアカフェ内イベントスペース
11/29(日)午後4時~午後5時30分
場所はここです。
参加ご希望のお客様は、ブックファースト新宿店・地下1階Aゾーンレジカウンターにて
イベント参加整理券(500円税込)をお買い求めくださいませ。




フィジカル日記

2009年11月11日 | 極私的ベスト5
昨日は、大学の附属高校が所有しているプールにて500m。週2回1時間だけ職員に開放されているというので、はじめて泳いでみた。久しぶりの水泳。

四年生がようやく卒論のアクセルを踏み始めた。わいわいと研究室に集まる学生たちは、数ヶ月すれば卒業してしまう。なかなかせつない仕事である。

『This Is It』→菊地さんインタビュー→アイドルナイト

2009年11月10日 | 極私的ベスト5
『This Is It』を昨日見たんですけれど、前半はずっと泣いてしまいました。これはThis is it.どころかThis isn't it.じゃないか(これは本公演ではない、永遠に出会えないのだ本公演には!)。見ていると神のイタズラというか、あるときからMJのほんとうの姿を神は隠してしまい誤解ばかりが生じ、そしてその姿が世界に発信されるその直前に本当に隠してしまった。なんということだ、このリハーサルは延々とリハーサルでしかない。出演する若いダンサー、若い女性ギタリストなどはいまどんな風に巨大な喪失感とともに暮らしているのだろう。けれども後半になると、これこそがThis is it.なんじゃないかと思い始めた。これしかないんならこれこそがそれなんだと、これを見ている喜び楽しさはそれはそれで嘘ではないのだから、と。そもそも、ぼくはリラックスして、7割くらいで踊るリハーサルのダンスが大好きだし。お見逃しなく!

それを四時頃に見終えると、約束の時間まで二時間半ほど余裕がある。新宿をひたすらぶらぶらして、6時半、約束の場所に行くとご本人が到着していない。三十分遅れであのマンションのあの部屋ではじまった菊地成孔インタビュー。CINRAで12月半ばに配信されます。ぼくのテーマは「菊地成孔入門」だったのですが、そんな感じになったかなと思っています。乞うご期待。

その後、もともと約束していたメンバーと新宿南口で飲み会→カラオケ。ぼくはKREVA(!)の「瞬間speechless」と松田聖子(!)の「風立ちぬ」を歌ったのだった。カラオケ・アイドルナイト。

11/9

2009年11月09日 | 極私的ベスト5
今朝もいつものコース。6時半。浅川の靄がちょい幻想的。小学生姉弟。川岸の運動場では、ラジコン飛行機おじいさん達。野球親子。

今日のインタビューは上手くいくだろうか。場所がまだ決まっていない。ipodであらためて聴いてみる。同じ感想。そんなこと言ってもいいのだろうか。予習のつもりで『THIS IS IT』を見に行こう。

「道徳」展

2009年11月08日 | 極私的ベスト5
ぼくは彼らがすごく好きで、彼らと喋っているときが今の自分にとって本当に楽しい時間なんですけれども、彼らは作品もいいと思っています。まだ20才くらいなんですけれど、38才のぼくにとってはその間の年代を抜かして(快快とか好きな作家も一杯いますけど、もちろん)、彼らにシンパシーと未来(テン年代!)を感じている昨今です。平川恒太と高田冬彦、タイトルが「道徳」って????まあ、彼らより年長の作家では絶対つけないタイトルですよね。なんちゅうか、愚かしいほどに率直なテーマ性、だからこそ骨太な未来が垣間見えのかもしれないですよ~(ぼくのおしゃべりもありますが、高田君のパフォーマンス見てみて下さい!きっと、なんか、やることでしょう!)

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人類の大いなる希望、未来、平和といったテーマを理想的に表現し続ける画家、平川恒太。対していじめやエログロといったネガティブなテーマを偏執的なパフォーマンスで表現する高田冬彦。今回「道徳」というキーワードのもと、正反対にも見える二人の作家がぶつかりあいます。
会期中には、平川恒太の中学時代の恩師や、評論家の木村覚氏もお呼びし、道徳と芸術と未来について広く考えます。
11/22のレセプションではトークショーなども交え盛大に行いますので、たくさんのご来場心よりお待ちしております。


■平川恒太 1987年生まれ。多摩美術大学油画在籍。2008年群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館)、「Curriculum Vitae」(ワダファインアー ツ)「人間、自然、社会」(lammfromm)他

■高田冬彦 1987年生まれ。東京造形大学デザイン科在籍。「強い子」(node)「hero」(ターナーギャラリー) 「via art 2009」(シンワアートミュージアム)


場所:ターナーギャラリー
    
会期:2009 11/18(水)~11/25(水)
時間:11:00~19:00

レセプション:11/22(日)17:00~21:00
トークショー:11/22(日)
   第1部:「現在の教育現場から」17:00~18:00
       ゲスト:渡辺祐子( 大戸小学校教頭)、 大原照光(埼大属中 教員)
   第2部:「アートから見る道徳」19:00~20:00      
  ゲスト:木村覚(美学研究者)

高田冬彦パフォーマンス:「LEAVE BRITNEY ALONE」
       11/22(日)18:00~19:00

11/7

2009年11月07日 | 極私的ベスト5
今朝は、七時に出発し九時半にゴール。20キロ走った。いい加減なにやってんでしょー、自分でも自分がわけ分かりませんが、なんだかともかくはしりたくて、昨日は用事があるということで車を大学に置いて、五限の講義を終えると電車で浅草橋へ、おやつテーブルを見て、四谷で同時刻に行われていた現代美学研究会の帰り支度に到着し、新宿でごはんを食べて帰宅。今朝は「車を取りに行く」という口実の下、平山城址公園から西生田までジョギングしたわけです。 後半はばてましたが、案外いけました。



11/5

2009年11月05日 | 極私的ベスト5
走りたい気持ちがあっても調子のでない時があり、今日はそんな日。精神的になにかあると身体も覇気がなくなるのだろうか。

昨日新宿に出たのでジュンク堂を覗いてみると、乗越たかおさんの本の隣だった。黄色い大きな本に小さくて黒いぼくのが押されていた。フェア棚にもあって恐縮した。

11月は何かと忙しくなりそうで、ちょっと怖い。拙書がらみのイベントも企画してもらっている。平川恒太+高田冬彦の「道徳」展でのトークもある。インタビューの仕事も来週頭にあって、翻訳の整理の仕事も月末締め。来月は、四谷アートストゥディウムで話す予定もあり、準備せねば。その上で、学生達との雑誌『KAT』もある。なんてやっていると、artscapeレビューを飛ばしそうになるのが危険(備忘録)。

近所の多摩美

2009年11月03日 | Weblog
こういうの書くのも何なんですけれど、このブログ、
11/2昨日のアクセス数は896、訪問者数332
です。この数が多いのか少ないのかはよくわからないのですけれど、このブログとしては、この訪問者数は多い方です。やはり、著作に興味をもってアクセスしてもらえていると言うことなのでしょうか。

もしそうであれば、提案なんですけれど、拙書を手にしながら、脇にPCを置いて、You TubeやUbu Webなどを見つつお読みいただけるとよいのでは、と思います。かなりの映像がウェブ上でみられますので。拙書を楽しむ最良の手段だと思います。よろしくです。

午後に、近所の多摩美術大学の学園祭を見に行った。
とても寒くて、外でフリマしている学生達が寒そうにしていた。展示が各所にあるんだけれど、フリマみたいにポストカード100円みたいにして売っているのがやたらと目に入ってくる。GEISAI的というか。んー、なんとなくこれで良いのかという気になる。作品を作りたい人よりも作品を売りたい人の方が多いみたい。それも、安価な作品。自分の表現を格下げしているのではない?と、つい思ってしまう。四時までまてばSAKE ROCKが見られたのだけれど、あまりに寒いので、3時半には引き上げてしまった。





artscape10月分 「プレシオジテ」

2009年11月03日 | Weblog
artscapeのレビュー今月分がアップされました。神村恵、ハイバイ、ままごと、菊地+大谷『アフロ・ディズニー』、小林耕平などについて書きました。

artscape原稿は、いつも月末に戦争みたいな状態で書く。本当は20日くらいに提出することになっているのだが、いつも遅れる。月末に公演が多い(気がするんですが、、、)のは理由の一つだけれど、遅れてしまうことに変わりはない。編集のSさんには迷惑をかけっぱなしである。だから言うのではないのだけれど、Sさんはぼくのなかでハイクオリティの編集者のひとりで、彼の校正はとても丁寧で的確だ。原稿がへろへろになっているところはちゃんと「だめ」がでる。毎回感謝の気持ちでアップを待つ(月頭)。

昨日の午後は、講義はなかったが大学に行って「プレシオジテ」について調べていた。金曜日の「美学」の講義で話そうと思っている。先週は「宮廷人の書」を書いた16世紀のカスティリオーネがまとめた「さりげなさ」論を概観した。今週はちょっと現代に近づいて17世紀。「プレシオジテ」とは、「言葉と礼儀作法に極度の洗練を求めようとする傾向」のことで、十七世紀、フロンドの乱以後「王に忠実であった者も含め、貴族たちは皆フロンドの乱で財産を失った。こうした状況では、持参金が貧弱な若い貴族の娘たちには適当な縁談がなかなか見つからない。若い貴族の娘たちは、自慢の美貌が色褪せていくのをただ黙って見ているしかなかった。」「縁談が決まるまでの間に、自分にいかに「高い価値[値段]をつける」か(「才女(precieuse)」の語源は、「高い価値をつける(donner du prix)」からきている)にかかっていた。恋が報われないのを、頭のよさで埋め合わせようとしたのである。」

ようは、「耳年増」と言えばいいのだろうか、経験はないのに知識ばかりが充満している恋愛至上主義者達。恋愛とはかくあるべしと小説などで蓄えた「観念としての恋愛」のなかに生きている行きそびれた女たち。気取った振る舞い、気取った技巧的な話しぶり、彼女達は繊細だけれど、繊細さもこれ見よがしになれば嫌悪の対象になる。

「才女たちの中にも、ほんの一握りは、実に繊細な感受性を備えた女性がいることは認めましょう。ですが、才女として振る舞っている女性の大部分は、繊細な感受性をことさらに振りかざすものですから、人の目に滑稽に映るのです。」(ちなみに、引用はすべて『モリエール全集』所収の研究論文・資料より)

「わざとらしさ」の典型が、彼女たちなわけである。

「プレシオジテ」な女達、プレシューズを笑いの対象にした戯曲がある。当時のコメディ作家・モリエールの「滑稽な才女たち」。先日、『才女気取り』というタイトルで、コメディ・フランセーズが上演したDVDを購入した。これが面白い。なんというか、とても現代的なところがある。まああえて言えば腐女子ですよ、これは。妄想を生きてしまう女というのは、決して今日(だけ)の話ではない。例えば、研究者はこんな言い方で、「仮想現実」を生きる17世紀の女性についてこう論じている。

「世間知らずの「才女」たちは、何も事件が起きない生活に憤り、これはおかしいと言いたてる。小説の中で示された道筋を外れたものは、本物ではないのだ。この恐るべきイデオロギーを持った滑稽な才女たちは、まるでその道の専門家のようにきっぱりと、前代未聞の教義を押し付け、あっけにとられているゴルジビュスとマロットにとって未知の王国を明らかにしてやるのだ。この仮想現実の世界では、現実の世界の秩序が完全に転倒しているため、現実の世界のどんなに礼儀正しい行い(ここでは本物の求婚者たちの行動)も、軽蔑の対象となってしまうのである。仮想現実世界のルールに反した求婚者たちは、ひどく侮辱的な扱いを受けることになる。」(296)


今日はまだ走っていない。これから。長く走ろうかな。最近のランニング界の流行は、LSR(ロング・スロー・ランニング)と聞くし。

11/2

2009年11月02日 | 極私的ベスト5
こんな朝からブログを更新するひともあまりいないのかもしれないのだけれど、今朝も最近おきまりになったコースで走った、ので書き残しておきます。今日は、菊地成孔&ペペ・トルメント・アスカラール『New York Hell Sonic Ballet』を聴きながら。今日の空は雲がち。派手さがない分、しっとりとしてつきあいやすい。あわあわ、どうしょ、なんで、えーっ、、、と声が漏れているみたいにきこえる曲たち。不安と恍惚。菊地の曲を聴く度に「おもらし」と言う言葉が浮かぶのはぼくだけなのでしょうか。毎日走りすぎているからかペースはスロー(てくてく)。

昨日は、横浜・新港ピアにて「停電EXPO」を見た。2009年の「ナイン・イヴニングス」というか、2009年の「アンタイトルド・イベント」というか。言うことなし最高!といった判断が出来ないところにぐっと入り込んで力を結集させた作家達とプロデューサーに感動した。こういうイベント(で、しっかりしたクオリティのもの)ってあるようでないんですよ。ピンで力を発揮するのじゃなくて、きちんとマーブルになって、パフォーマーはぐるぐると(トラ→)バター化していった。見て本当によかった(1日目の方がもっとよかったという話しもあった)。