Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

MIHO KANNOの人形劇

2008年11月24日 | 美術
11/23
日曜日なのに、大学での仕事があり、西生田へ。仕事が終わってしばらく、学生に貸してもらった2000年の浜崎あゆみライブDVDを見ていた。「trauma」「season」はやっぱりすごい。なんども涙腺が刺激される。
その後、
MIHO KANNOの人形劇を等々力のある住宅のようなアトリエに見に行った。
CINRA でのインタビュー
多摩美卒の作家を中心としたアーティスト集団らしい。普通の2階建て住宅の一階居間空間をギャラリースペースにして、窓を開け放ち、庭に人形劇用の劇スペースを拵え上げてそこで上演。20人くらいでなごやかに始まりを待つ時間や、はじまってからのアットホームな観客の失笑の波とかが、とても心地よく、バリの芸能を現地で見ている時のような気分にさせられる。専制的な王と歌を集めている怪物との一騎打ち?ほとんど内容は覚えていないのだけれど、アンビエント?な音響とろうそくと両手でひとり熱演する人形劇とは、5時間くらい延々やってくれれば、どんどんトランシーな気分になってくるように思えて、今後の活動に期待をしてしまった。CINRAの記事では、とてもやわらかいやさしい今時の若者な感じだけれど、そこに沸々と爆発しそうになっているのは、何やら今日的な宗教性のよう。なかなかの珍味でした。


GUD

2008年11月17日 | ダンス
桜井圭介さんのブログに、参加意図などが書かれてあったので、ぼくも少し、そのようなことを書きます。

最近、このブログでも書いてきたように、せっかく力があるのに残念と(少なくともぼくは)思ってしまう公演をしている振付家・ダンサーがいて、どうにかならないか、と自分なりに悩んでいました。そこで、たまたまこの企画の話を聞き、参加することに決めました。

踊れるのに、作品として説得力がややたりない。
熱意が、観客にしかるべき形で届いていない。

こうした事態は、恐らく、ダンス界の内部でダンス公演をしている限りでは、出来の良し悪しくらいで片づけられていたと思うんですね(お稽古→発表会のようなシステムの中では)。あるいは、一種のアマチュアリズムがそういう状況を許していた点もあったでしょう。

けれども、いま、吾妻橋ダンスクロッシングなどの展開によって、ダンスをダンスの内輪で消費するのではない枠組みというものがどんどん生まれています。諸々のジャンルがクロスオーヴァーしているときに、ダンスのクリエイターはそうしたクロスに対する体力と知力と説得力をもっていないとつらくなってきている、というのが現状ではないでしょうか。

いま、ダンス業界(振付家・ダンサーのみならず、出版分野、批評・研究、企画制作、観客などなどを含めた意味で)が問われている気がします。君たちには、リアリティある作品を生み出しまた評価する力があるのか?と。もちろん、この問いは自分自身に向けられているものだと考えています。自分に何が出来るのかが問われる機会と考えています。

「grow up!Dance」の「成長」とは、だから、単に振付家・ダンサーへ向けてではなく、ひろくこの業界のリストラ(再構築)へ向けた動きにならなければ意味がないと、ぼくは考えています。求められているのは、すべてのひとが知恵を出すことです。

以上の意味をこめて「ダンスを考える」機会がこの企画とぼくは考えています。一緒に「考える」気持ちのある方の応募を切に期待しています!

「grow up! Dance」プロジェクト

【応募条件・対象】
◎振付家としての成長を目指す方
◎過去に1作品以上、自身の作品を発表したことがある方。(上演時間は問わず)
◎ダンス、または身体を用いたパフォーマンス作品であること。
◎2008年12月20日(土)第1回プロダクションミーティング及び2009年4月15日(水)~22日(木)の集中リハーサルに参加できること。
◎2009年1月10日(土)11日(日)・12日(月・祝)に開催されるセミナー、ワークショップへ参加できること。
◎首都圏内に在住の方。(アサヒ・アートスクエアに自己負担で通える方)
◎応募締切 11月30日(日)必着

【選考方法】
送付いただいた、応募用紙と映像資料をもとに選考委員の審査により、2~3組のサポートアーティストを選出いたします。

【選考委員】
桜井圭介 (AAS運営委員/音楽家/「吾妻橋ダンスクロッシング」オーガナイザー)
木村 覚 (美学研究者・ダンス批評家)
紫牟田伸子(ダンスファン/アート&デザインジャーナリスト)
三上さおり (世田谷パブリックシアター)

【スケジュール】
◎公募締切:2008年11月30日(日)必着
◎サポートアーティスト決定・発表:12月14日(日)(予定)
◎第1回プロダクションミーティング:12月20日(土)(非公開)
◎セミナー開催:2009年1月10日(土)~11日(日)
◎集中リハーサル:4月15日(水)~22日(水)(非公開)
◎公演:4月25日(土)~26日(日)@アサヒ・アートスクエア

【応募申込・お問い合わせ】
アサヒ・アートスクエア事務局
〒130-0001東京都墨田区吾妻橋1-23-1スーパードライホール5階
「grow up! Danceプロジェクト」応募係
Tel 090-9118-5171(10:00-18:00/火曜定休)
E-mail gudp@art-npo.org

■主催:アサヒ・アートスクエア
■協賛:アサヒビール株式会社
■企画協力:JCDN
■企画制作:alfalfa(アルファルファ)

Grow Up! Danceプロジェクトでは振付家を募集しています

2008年11月12日 | ダンス
Grow Up! Danceプロジェクトでは、11/30締め切りで、振付家を募集致します。すでに公演歴のある方で、自分の作品・振り付けの方法をブラッシュアップしたいという振付家の皆さんが対象で、様々なプログラムでサポートし、最終的に4月にアサヒ・アートスクエアで公演を行ってもらいます。今回、この企画の選考委員のひとりになりました。新人を育てる企画はいくつかあると思うんですが、単独公演がある程度のキャパシティで行えるようになることを支援する企画というのは少ない。日本のコンテンポラリーダンスが、他のジャンルの取り組みに対して、他の国の現状に対して、ちゃんと応答出来る水準になることを、ぼく個人としては目標にして行こうと思っています。

奮ってご応募下さい。



多摩美の学園祭

2008年11月02日 | 美術
11/1
帰りの会という集会を多摩美で企画している平川君が、学園祭で「Imitation Art」というタイトルの展覧会を行うというので、見に行ってみた。多摩美は自宅からスクーターで10分くらいのところにある。「模造」というキーワードは、古くはマニエリスム、最近ではシミュレーショニズムと、美術史全体に深く関わるところがあり、さて、20歳くらいの作家は、それをどんな風に捉えているのだろうと思って期待して行った。明らかに、30才代の美術観とは違う論点が展開されていた。村上隆が具体の村上三郎をシミュレーションしたような、美術史を参照するといった仕方での模造とは異なって、彼らは自分たちの実存こそ模造的なんじゃないかと考え、その生きている現状の中に「模造性」を見出しているのだった。11/3には、「愛☆まどんな」の加藤愛さんも来るそう。是非、見に行ってみてください。

夜、Aと原一男『ゆきゆきて神軍』を見た。ベンヤミンみたいと思った。

10/30
会議と会議の合間に、どうにか国立新美術館の『巨匠ピカソ 愛と創造の歴史』を見ることができた。キュビスム期のピカソはやっぱり見応えがある。