Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

身体と映像の運動論(仮)

2010年12月30日 | 身体と映像
来年度、「身体と映像の運動論」(仮)なる講義をしようと思っていて、その準備のノートをこのブログにアップしていこうと思っています。ダンスやパフォーマンスを考えるのに、映された身体(の運動)という論点を無視しては片手落ちになるということは以前から思っていたのだけれど、あらためてちゃんとやろうというのが動機です。先日のベクトルズでもアニメーションと実写のことを話しましたが、まだまだ考察が不十分だったなと反省してたりして、もしよかったらときどき覗いて読んでみて下さい。

少しは来年にならないうちにいろいろと書けると思っていたのですが、育児やらなにやらでなかなか進まず、まとまったノートにまだなっていません。でも、ちよっとこんなもの見て考えてますというイントロのイントロみたいなものでよかったらと、いくつか。

Walt Disney "Merbabies"

Walt Disney "Dumbo--Pink Elephant"

Walt Disney "Three Caballeros"

Max Fleischer "Betty Boop--Minne the Moocher"

いやー、ディズニーは深いですなー。面白いでしょ、結構すごいでしょ。

あと、フライシャーは「ロトスコープ」について考えるのが楽しみ。でも、こうあらためてこの時代(1930年代)のアニメーションを見ていると、これはミュージカル映画といってもいいんじゃないか、と思わされますねえ。

さまよえる三つ子の魂

2010年12月20日 | 美術
TERATOTERAのイベントで2011年1/8に泉太郎のイベントに参加します。

(以前ここにアップした情報に変更がありました。)



2011年1月8日(土)開催!
TERATOTERA 途中下車の旅 停車駅:荻窪ベルベットサン
泉太郎「さまよえる三つ子の魂」

『TERATOTERA途中下車の旅』は、TERATOTERAがプロジェクトを展開するJR中央線高円寺駅から吉祥寺駅区間に点在するアートスポットに焦点をあて、コラボレーションを行いながら、個々のスペースの活動を広く紹介していく
試みです。
TERATOTERA途中下車の旅、第7回目の停車駅は、ライヴハウス「荻窪ベルベットサン」。2010年にリニューアルオープンし、インプロビゼーション・ジャズをメインに、展覧会やトークイベント等、多彩な表現を 〈ライヴ〉 という形で展開しています。今回は、中央線エリアゆかりのアーティスト・泉太郎をフィーチャーし、ライヴハウスの空間を活用した、3つの生バトル「さまよえる三つ子の魂」を開催します。会場全体が演劇空間と化し、来場者自身も演出の一躍を担う、そんなライヴ=生を感じる一夜となります。

チラシ

日 時: 2011年1月8日(土)19:30-21:30(19:00開場)
会 場: 荻窪ベルベットサン(杉並区荻窪3-47-21 サンライズ ビル1F)
入場料: 1,500円(ワンドリンク付き)
定 員: 50名(要予約)

<ご予約方法>
メールタイトルを「途中下車の旅:荻窪ベルベットサン」とし、
本文にお名前と参加人数を明記の上、
info(at)teratotera.jp まで送信、ご予約下さい。
※(at)を@に変えて送信してください。

バトル壱.....ライブ
会場に仕掛けられた作品を操る泉太郎とバンドの即興バトル。

バトル弐.....トーク
批評家の木村覚をゲストに迎え、泉太郎の創作活動の真髄に迫るトークバトル。

バトル参.....グラビア撮影会
フラッシュの光が煌めく空間で、泉太郎がさらに撮りまくる撮影会バトル。

◎泉 太郎 Taro Izumi
1976年奈良県生まれ。東京在住。2000年多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。02年同大学院美術研究科修士課程修了。主な個展に10年「くじらのはらわた袋に隠れろ、ネズミ」アサヒアートスクエア(東京)、09年「山ができずに山できた」NADiff GALLERY(東京)等。主なグループ展に10年「TRUST-Media City Seoul」ソウル市立美術館(ソウル)、09年「日常場違い」神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)、「ヴィデオを待ちながら 映像、60年代から今日へ」東京国立近代美術館(東京)。神奈川県民ホールギャラリーで個展「こねる」を終えたばかり。http://taroizumi.com/

◎木村 覚 Satoru Kimura
2003年に「踊ることと見えること 土方巽の舞踏論をめぐって」で第12回芸術評論募集佳作入選(主催:美術出版社)。以後、『美術手帖』などで、ダンスや演劇を中心とした批評活動をはじめる。主な著作に『未来のダンスを開発する フィジカル・アート・セオリー入門』(2009)、『ステッチ・バイ・ステッチ 針と糸で描くわたし』(2010)、『こねる』(2010)。現在、日本女子大学で講師をつとめる。
http://blog.goo.ne.jp/kmr-sato/


※次回は「TERATOTERA祭り」
日時:2月5日(土) 井の頭公園にて大友良英による船上ライヴ(日没後)開催!

TERATOTERA
http://teratotera.jp

雑感

2010年12月18日 | I日記
昨日は、朝九時半から夜の八時過ぎまで、しゃべりつづけた。
午後に二つの講義を挟んで、その前後にひたすら卒論の面接をした。十人以上の学生と三十分ずつは話したろう。最後は、舌と脳がまったくまわらなくなった。
あとは、ハプニングなくちゃんと提出してもらえたら。
本当は、それぞれの論文に対して残念な気持ちがある。もう少し、こうすることが出来たんじゃないかとか、不甲斐ない思いがしゃべりつづけからっぽになった自分のなかに充満する。ふー。
学生は、提出できたらそれでいいんだろうなー。それでも、それぞれの論文にちょこちょこ輝くところがある。そこに着目すれば、嬉しい気持ちにもなれる。

こんな感じの師走をぼくはしばらく送るのかな。退職の68才までこれやるのか、それはよくからないけど(大学が少子化のなかでどうなって行くのかも分からない、楽観はできない)。ぼくの人生は、大学で研究したり教えてりすることであといいのか。あまりいいような気がしないので、こんなこと書くのだろう。

一昨日は、午前に演習の授業を終えた足で、神戸に向かった。妻の祖父を見送るため。5時頃着くと祖母にもお会いできた。そのことがたまらなく嬉しかった。一時間ほど過ごすと、すぐにまた電車に乗って、帰路へ。こうやって、関東からはなれると、関東のひとの暮らしぶりがなんだかぎすぎすしていると感じてしまう。女子学生の佇まいとか、違うなと思う。関東あるいは東京をベースに日本人のことを考えるのはちょっと間違いを起こすことになりはしないかなんて思ってしまう。

文フリが終わって2週間近く経つ。ぼくは「KAT」という雑誌を学生たちと一緒に作ってみているけれど、そのことはそれなりに意味のあることではないかと思っていて、でも、あまりそのことに気づいてくれる人はいない。一本の記事(インタビュー)は、発売直前に没なってしまった。直接の理由はそうじゃなかったけれど、おそらくこの雑誌の「格」に対する反応なのだろうと思わされた。芸術の現場には多くの女性たちがいるのだけれど、また芸術を愛しているひとにも女性が多くいるはずなのだけれど、必ずしも芸術の現場は女性に優しくない。「KAT」を作ったメンバーの多くは、演劇やダンスや音楽やオタク系文化の優秀なユーザーで、彼女たちがどんな思いで芸術に触れているのかということは、それなりに知ってメリットのある情報だと思うのだけれど、あまり興味を世間はもってくれていない。女性×批評というテーマを出来たらいまのKATメンバーで展開してみたい。イベントを行うとか(「アラザル女子会」さんと協働してとか)、あるといいと思うのだが、なにぶんこればっかりは、彼女たちがその気にならない限りは、なにも動かないだろう。ほくがひとり盛り上がって見せても、無理矢理彼女たちをけしかけても、そんなのは意味がない。いま、芸術の分野でなにが不足しているって、「女性」についてちゃんと考えることではないだろうか。そのことをでも考えている人にあったことがない。基本的に芸術の現場はきわめてマッチョだと思う。それでも、ある瞬間、堰を切ったようにそのことはきっとはじまるだろう。予想だにできなかった仕方で、それは起こるだろう。でも、な、KATメンバーはいまリクルートスーツを着て就活をはじめた。なかなか、そういう意味でも、誘いにくい。ちょっと切ない。二年前だったら、早くても、就活にはいるのは後期の講義が終わってからだったはず。異常だ。学習や好奇心を育む余裕を企業は学生から奪っている。なぜそれがゆるされているのか分からない。

と、ひねたことを書きましたが、「KAT」「KAT vol. 2」ぜひ、ご一読を。近々通販でご購入できるよう検討しています。

明日(12/8)はベクトルズ(@SNAC)

2010年12月07日 | ダンス
一昨日は、文フリにて『KAT』お買い上げ頂き、まことにありがとうございました。
予想をやや上回る45冊売れたのだそうです。強気の800円としては、相当画期的な売り上げではないでしょうか。
(といって、ぼくは12:00にIと一緒に会場に到着するとブースにはほとんど居ることなく、ロビーのカーペットに倒れ込み、学生の1人にIをまかせて寝込んでいたのでした。急性胃腸炎で38どの熱が出て、おなか下してました)

なにかいろいろ出会いがあったらしく(アラザル女子会さんとか)、出来たら女子×批評でイベントなど出来たらいいのになあと思いが膨らむのでした。学生たちは、いまから就活氷河に冒険に行くところなので、実際問題としては難しいかも知れないんですけれど。

ご購入頂いたみなさん、感想をいただけたらと。雑誌の最後のページにアドレスが載っていると思います。よろしくお願いします。

ところで、明日はベクトルズの集会があります。

SNACで。タイトルは「ダンス的美学の未来」

今回は、桜井さんとぼくとでダンスについて語りまくろうと思います。かなりフランクに好きなダンスの話を延々しようかと。佐々木さん、大谷さん、呆れないでくださいね。You Tubeで見られるものに限定しようということになっていて、基本的に、お客さんにはスマートフォン持参で起こしいただけたらと(なくてもなんとかなるようにします)。

例えば、こんなのについて話しますよ~
http://www.youtube.com/watch?v=Vw-qlHuktJs

桜井さんの話はまだまったく聞いてませんが、個人的にはとても楽しみ。桜井さんのダンスをチョイスするセンスは半端じゃないですから。楽しい時間になること間違いなし、きっと、たぶん、。

明日、清澄白河で会いましょう。


KAT vol. 2 会場でお会いしましょう!

2010年12月02日 | Weblog
12/5の文学フリマで、学生たちと作っている雑誌「KAT」を今年も販売します。

今年も、強気な

800円

です。すいません。学生たちが「どうしても安売りしたくない!」(アンチ・ファスト文化らしいです)というもので。

昨年販売したvol.1も置く予定です。どうぞ、2冊お買い求め下さい。

今日は、表紙を決めて、紙を折っていたんですけれど(徹底的にローテクで進めています。製本は全部自分たちの手とコピー機だけです)、昨年同様二枚重ねで、薄い青の紙に下のクリーム色の紙がすけていて、かなりフェティッシュです(肌色上に履いた青色のストッキングみたいな、、、)。こんな色味の雑誌は、文フリで他にはないと思いますよ。

内容も、面白く仕上がっていると思います。ぼくとしては、学生たちと同年代の男の子、女の子に読んでもらいたいです。エリイのインタビュー読めば、就活で暗くなっている文化系B&Gも元気になるに違いない!篠田千明のインタビューも、彼女の幼少の頃から、来年の計画まで、「こんなことまで聞く?」ってところまで、根掘り葉掘りしてます。これは、女子大学生ならではのインタビュー集です。


マッチョな芸術界・批評界に、明るくてさわやかなガーリーパワーが飛び跳ねている88ページ、みたいな雑誌です。


ふろくは、彼女たちで「編集後記」をおしゃべりした音源がCD-Rで付きます。聴きながら読むと、なんていうか、、、「臨場感」あり、です。

当日学生たちが手売りしてます(ぼくも行きます。ひょっとしたらIと一緒です)。