手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

開業準備の思ひ出ぽろぽろ その2

2013-11-23 18:37:04 | 学生さん・研修中の方のために
≪前回からのつづき≫

市の融資制度の申請に必要な業者さんから必要な印鑑をもらえず、悶々としたままセンターに訪れた私は、事の顛末をオヤジさんに話しました。

オヤジさんは腕を組み、ただでさえ深い眉間のシワを、さらに深くさせて聞いています。

「いったいどこの業者だ。ちょっと見積書を見せてみて」



私が手渡した見積書を、しばらく見ていたオヤジさん。

不意にまゆ毛が段違いになりました。



「ここの社長さんと会ったのかい?」

「えぇ、そうです」と私が返事をすると、「こいつは高校時代からの仲間なんだ。先週も一緒に釣りに行ったばっかりだ」。



いわゆる親友というやつだそうです。

もちろん偶然。

私が「はぁ」と気の抜けた返事をすると同時にオヤジさんは立ちあがり、電話の方に向かって歩いていきました。



なにやら話しているようでしたが、最後に聞こえてきた大きな声は「いいから、とっと判をつきやがれっ!!」ガチャ。

私がなかば呆気に取られている間に、無事、問題は解決したのでした。



その後の書類関係はスムーズに進みました。

保証人については誰かにお願するつもりもなかったので、信用保証協会を利用しました。

北海道信用保証協会

こちらは一定の保証料が必要な代わりに、保証人になってくれます。

私の場合、保証料は10万ほどでしたが、人間関係を気にしなくていいのはありがたいこと。

ここでも事業計画書の審査はあります。



最後に融資をお願いするのは銀行です。

市の制度とはいえ、判断するのは銀行。

私の場合はとくに札幌に来て一年にも満たないので、そのあたりがどう判断されるかといったところ。



どこの銀行にお願いするか、オヤジさんと相談していたら「ところで今、通帳があるのは何銀行のどこ支店だい?」と聞かれました。

通帳がある、すでに取引をしているところのほうが、話をいくらかでも通しやすいそうです。

私が答えると、「あぁ、そこなら私の後輩が副支店長をしているから話をつけといてあげるよ」。



いや~、先ほどの見積書のことといい、そのようなことってあるんですね。

そして迎えた融資当日。

やはり緊張しながら銀行に赴くと、副支店長さんが出てきて 「話しは聞いていますよ」 と挨拶され 「はい。ここにサインして、こっちに印鑑を押して」と、私が持参した事業計画書にはサッと目を通しただけで流れ作業的に進み、あっさりおしまい。

こうして無事に融資を受けることができたのでした。



開業準備というのは毎日がドラマの連続です。

相当なエネルギーを使いますが、ひとつひとつのエピソードがよい思い出。

大変な思いをしたことほど印象に残って、味わい深いものになります(個人的には1回で十分ですが

今回ご紹介したエピソードも、大変という訳ではないのですが、思い出深いエピソードのひとつです。

ご縁や巡り合わせの面白さがわかる、そんなお話ではないかと思います。



開業準備中の方にお伝えしたい、ひとつ目のこと。

それは、何ごとも自分から動き出さないと始まりません。

ただ、自分の力でしようとすればするほど、他人の力なしには何もできないことに気づかされます。

お陰さまの力を思い知らされるわけですね。

とても大きな学びです。



そして、お陰さまのありがたみが身を持ってわかるようになると、人生観が変わります。

また変わらなければ、事業は続けられないでしょう。

オレが!オレが!!では、人は離れていってしまいます。



それから、もしいちばん初めにオヤジさんからバッサリ切られて計画書を突き返された時、私が嫌気をさして他の方が担当している曜日に変えていたとしたら、見積書の印鑑はもっと難航し、銀行からの融資もこんな感じで進まなかったかもしれません。

世の中逃げちゃいけない踏ん張りどころ、というのががあるのですね。

これがお伝えしたい二つ目のことです。



幸せの女神は、目が悪くて耳が遠いといいます。

一所懸命手を振り、声を張り上げてもなかなか届かない。

でもそれを続けた人にだけ、振り向いてくれるチャンスは訪れるのだそうです。



求めよ、さらば与えられん。

叩けよ、さらば開かれん。

求め続け叩き続けて、幸せの女神に微笑んでもらってほしい。

開業準備、そして開業を考えている方へのエールです。




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