≪前回からのつづき≫
今回は、運動療法から入っていくモデルをご紹介します。
『 運動療法への関心が高く、MSIアプローチ(表中のFのカテゴリー) を実践していたYさん、動作分析を行い、不適切な身体の動かし方を修正するエクササイズをアドバイスすることで、運動時痛をなどを訴える方に効果を挙げていました
しかし、なかには自動運動だけでは上手く動かせるようにならない方もいらっしゃいます。
そこで、神経と筋の協調性を高め、よりスムーズに運動できるよう働きかけるため、PNF(表中Eのカテゴリー) を学ぶことにしました。
身体に触れて操作することに慣れるまでは大変でしたが、患者さんに適切な方向と力で動かすよう指示することは、MSIアプローチで行っていた指示の方法が役に立ちました。
こうして、自動運動だけではなかなか変化しないときは、PNFによってより理想的な運動パターンとなるよう支援し、再び自動運動を行っていただくことでよりスムーズに治療が進むようになりました。
ところが今度は、大きく体幹を動かすようなエクササイズでは、改善しにくい患者さんが現れてきました
そこで分節的なアプローチができる、筋肉エネルギーテクニック(表中Bのカテゴリー) を学びました。
このテクニックを身につけるうえでも、MSIでの指示方法や、PNFの抵抗運動をコントロールしながら動かす技術が役に立ちました
Yさんはその後、マッケンジー法(表中Cのカテゴリー) を学び、関節の機能障害をもっている患者さんにもアドバイスできるようになりました。
もともと動作分析が得意だったYさんは、触診技術も身につけることで、よりきめ細かいアプローチが可能になり、自分の治療の幅を広げていきました。』
ご紹介した2つのモデルケースで注目していただきたいのは、新しいテクニックを学んだとき、それまで学んだテクニックが自動的に生きてくるのではないということです。
自動的に生きるなら、セミナーオタクと呼ばれる方たちほど出来るはずですが、そうとは限りません。
Xさん、Yさんのように、過去に学んだことを新しいテクニックに生かそうと、意識して組み込んでいく必要があります。
それによって習得がより早まると共に、テクニック間の関連性を感覚的に理解でき、さらには使い分けが可能になってきます。
余談ですが、Xさん、Yさんの例を 「刺激の方向と加え方によるテクニックの分類」 の表に照らし合わせると、表中の自分が学んだテクニックから、縦か横のカテゴリーに含まれるテクニックを次に学んでいます。
縦か横でつながっているテクニックは、似ているところも少なくないので吸収しやすいと思います。
斜めに移動しても構わないのですが、身につけなければならないことが多い分、ちょっと大変かもしれません。
話はコロコロ変わりますが、個人的には様々なカテゴリーのテクニックを学んだほうがよいという考えています。
でも、いろいろな考え方があるので、ひとつのカテゴリーをより深く学ぶというスタンスもあってよいでしょう。
表中Dに属するマッサージを学び、同じカテゴリーのストレッチを学び、さらにASTRを学ぶというパターンだって構いません。
「マッサージをとことん極めたい!!」 というスタイルだってありです。
ただし、表をよく見て自分ができる範囲を認識しておくことが大切です。
誰にでも限界はあることなので、これはどなたでも当てはまります。
私の場合は、表中Fのカテゴリーがまだ弱いという認識を持っています
表を活用することで、自分がどの範囲までカバーできるかを確認することもできます
さまざまなテクニックを学んだほうがよいと書いたものの、無理をして「すべてのグループを押さえなきゃいけない」 などと思い込む必要はありません。
それができるに越したことはありませんし、世間的にはあらゆることに対処できるよう幅広く学ばなければならない、というのが建前でしょう。
しかし、人それぞれ能力や嗜好が異なっています
歌って踊って演奏もできるマルチな才能を持った方もいれば、マイク一本、歌だけで勝負という方もいらっしゃいます
調理師なら、調理を行う上で求められる最低限の技能を身につけたら、あとはソバ専門でも、定食屋でもよいはずです。
そう考えたら、自分が高いモチベーションを維持して行えるスタイルを、その限界も理解しながら築いていけばよいということになります
「ソバを極める!!」 「いろいろな方においしく食べてもらえる定食屋を作りたい!!」
どちらのスタイルも社会では必要とされています。
手技療法も同じだと思います。
どうあるべきか?決めるのはまわりの誰かではなく、みなさん自身です
自分自身が心地よく感じるスタイルを見つけ出してください。
ただせっかくの機会なので、次回はさまざまな種類のテクニックを学んだほうがいいと私が考えている理由、それから、仮にいくら練習しても身にならない苦手なテクニックがあっても心配しなくていいというお話したいと思います
今回は、運動療法から入っていくモデルをご紹介します。
『 運動療法への関心が高く、MSIアプローチ(表中のFのカテゴリー) を実践していたYさん、動作分析を行い、不適切な身体の動かし方を修正するエクササイズをアドバイスすることで、運動時痛をなどを訴える方に効果を挙げていました
しかし、なかには自動運動だけでは上手く動かせるようにならない方もいらっしゃいます。
そこで、神経と筋の協調性を高め、よりスムーズに運動できるよう働きかけるため、PNF(表中Eのカテゴリー) を学ぶことにしました。
身体に触れて操作することに慣れるまでは大変でしたが、患者さんに適切な方向と力で動かすよう指示することは、MSIアプローチで行っていた指示の方法が役に立ちました。
こうして、自動運動だけではなかなか変化しないときは、PNFによってより理想的な運動パターンとなるよう支援し、再び自動運動を行っていただくことでよりスムーズに治療が進むようになりました。
ところが今度は、大きく体幹を動かすようなエクササイズでは、改善しにくい患者さんが現れてきました
そこで分節的なアプローチができる、筋肉エネルギーテクニック(表中Bのカテゴリー) を学びました。
このテクニックを身につけるうえでも、MSIでの指示方法や、PNFの抵抗運動をコントロールしながら動かす技術が役に立ちました
Yさんはその後、マッケンジー法(表中Cのカテゴリー) を学び、関節の機能障害をもっている患者さんにもアドバイスできるようになりました。
もともと動作分析が得意だったYさんは、触診技術も身につけることで、よりきめ細かいアプローチが可能になり、自分の治療の幅を広げていきました。』
ご紹介した2つのモデルケースで注目していただきたいのは、新しいテクニックを学んだとき、それまで学んだテクニックが自動的に生きてくるのではないということです。
自動的に生きるなら、セミナーオタクと呼ばれる方たちほど出来るはずですが、そうとは限りません。
Xさん、Yさんのように、過去に学んだことを新しいテクニックに生かそうと、意識して組み込んでいく必要があります。
それによって習得がより早まると共に、テクニック間の関連性を感覚的に理解でき、さらには使い分けが可能になってきます。
余談ですが、Xさん、Yさんの例を 「刺激の方向と加え方によるテクニックの分類」 の表に照らし合わせると、表中の自分が学んだテクニックから、縦か横のカテゴリーに含まれるテクニックを次に学んでいます。
縦か横でつながっているテクニックは、似ているところも少なくないので吸収しやすいと思います。
斜めに移動しても構わないのですが、身につけなければならないことが多い分、ちょっと大変かもしれません。
話はコロコロ変わりますが、個人的には様々なカテゴリーのテクニックを学んだほうがよいという考えています。
でも、いろいろな考え方があるので、ひとつのカテゴリーをより深く学ぶというスタンスもあってよいでしょう。
表中Dに属するマッサージを学び、同じカテゴリーのストレッチを学び、さらにASTRを学ぶというパターンだって構いません。
「マッサージをとことん極めたい!!」 というスタイルだってありです。
ただし、表をよく見て自分ができる範囲を認識しておくことが大切です。
誰にでも限界はあることなので、これはどなたでも当てはまります。
私の場合は、表中Fのカテゴリーがまだ弱いという認識を持っています
表を活用することで、自分がどの範囲までカバーできるかを確認することもできます
さまざまなテクニックを学んだほうがよいと書いたものの、無理をして「すべてのグループを押さえなきゃいけない」 などと思い込む必要はありません。
それができるに越したことはありませんし、世間的にはあらゆることに対処できるよう幅広く学ばなければならない、というのが建前でしょう。
しかし、人それぞれ能力や嗜好が異なっています
歌って踊って演奏もできるマルチな才能を持った方もいれば、マイク一本、歌だけで勝負という方もいらっしゃいます
調理師なら、調理を行う上で求められる最低限の技能を身につけたら、あとはソバ専門でも、定食屋でもよいはずです。
そう考えたら、自分が高いモチベーションを維持して行えるスタイルを、その限界も理解しながら築いていけばよいということになります
「ソバを極める!!」 「いろいろな方においしく食べてもらえる定食屋を作りたい!!」
どちらのスタイルも社会では必要とされています。
手技療法も同じだと思います。
どうあるべきか?決めるのはまわりの誰かではなく、みなさん自身です
自分自身が心地よく感じるスタイルを見つけ出してください。
ただせっかくの機会なので、次回はさまざまな種類のテクニックを学んだほうがいいと私が考えている理由、それから、仮にいくら練習しても身にならない苦手なテクニックがあっても心配しなくていいというお話したいと思います