≪前回からの続き≫
個人的距離には近づいたのですが、おばちゃんは顔を伏せたまま、私と目を合わせてくれません。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dog_sad.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/46/1ecc8fc12cd5ae9695909281db76df22.png)
そこでまたお話をしました。
「リハビリをすることについて、今どのような気持ちですか?
」
これは、相手が自由に答えることができる「開かれた質問(open question)」ですね。
開かれた質問に対する回答には、さまざまな情報が入っている可能性があるので、会話の広がりや深まりを期待できます。
ところが、
「…」
おばちゃんは、首をかしげてだまってしまいました。
どう答えてよいかわからないようです。そこで、
「リハビリをするのは怖いですか?
」
先ほどベッドの反対側に隠れた様子から、怖がっているかどうか、YesかNoで答える「閉ざされた質問(closed question)」に切り替えました。
閉ざされた質問は、質問者の聞きたい情報を聞き出せ、回答者の負担が少ないという利点があります。
その反面、質問者の都合のよいように誘導尋問をしてしまう可能性があるという問題も併せ持っています。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0220.gif)
この質問に対し、おばちゃんはコクリとうなずかれました。
「どうして、怖いと感じられるのですか?」
再び、開かれた質問です。
ここまで来たらおばちゃんの気持ちは、少し整理され始めたようでした。
「痛いことされるから
」
そう言って、ここでようやく私の方をみてくださいました。
ここで私のほうを見たという意味は、ベッドの裏に隠れてにらんだときと大きな違いがあります。
にらんでいる時は私に対して、対立するような意識が強く表れていました。
ベッドに腰掛けて目を伏せているときは、対立までいかなくても、まだ拒絶している状態です。
しかし、「痛いことされるから
」と自分の気持ちを表しながら私のほうをみたこと、それは、おばちゃんのほうから大きく歩み寄ってくれたことを意味します。
コミュニケーションの歯車が少しずつ回り始めました。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en2.gif)
「痛いことをされるから、怖いと思って嫌がられたんですね」
もういちど気持ちをなぞるようにして反復し、確認しました。
こちらが、気持ちを理解して受け止めたというメッセージを伝えるわけです。
『そう
』
私のほうを見たまま、ふたたびおばちゃんは、コクリとうなずきました。
その後、身体の状態や発症の経緯についていくつかことばを交わし、自動運動でどこまで動かせるか確認しました。
この場合、話の内容はもちろん意味がありますが、ことばのキャッチボールを数多く交わすというコミュニケーションの量も大切です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0022.gif)
それによって、とにかく私という人間に慣れていただくわけです。
はじめのうち、おばちゃんからの言葉のボールはぎこちないものでしたが、数を重ねるうちに慣れてきたのかだんだんスムーズになってきました。
その頃を見計らって、また私はたずねました。
≪次回に続く≫
個人的距離には近づいたのですが、おばちゃんは顔を伏せたまま、私と目を合わせてくれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dog_sad.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/46/1ecc8fc12cd5ae9695909281db76df22.png)
そこでまたお話をしました。
「リハビリをすることについて、今どのような気持ちですか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en4.gif)
これは、相手が自由に答えることができる「開かれた質問(open question)」ですね。
開かれた質問に対する回答には、さまざまな情報が入っている可能性があるので、会話の広がりや深まりを期待できます。
ところが、
「…」
おばちゃんは、首をかしげてだまってしまいました。
どう答えてよいかわからないようです。そこで、
「リハビリをするのは怖いですか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en3.gif)
先ほどベッドの反対側に隠れた様子から、怖がっているかどうか、YesかNoで答える「閉ざされた質問(closed question)」に切り替えました。
閉ざされた質問は、質問者の聞きたい情報を聞き出せ、回答者の負担が少ないという利点があります。
その反面、質問者の都合のよいように誘導尋問をしてしまう可能性があるという問題も併せ持っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0220.gif)
この質問に対し、おばちゃんはコクリとうなずかれました。
「どうして、怖いと感じられるのですか?」
再び、開かれた質問です。
ここまで来たらおばちゃんの気持ちは、少し整理され始めたようでした。
「痛いことされるから
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dog_nomal.gif)
そう言って、ここでようやく私の方をみてくださいました。
ここで私のほうを見たという意味は、ベッドの裏に隠れてにらんだときと大きな違いがあります。
にらんでいる時は私に対して、対立するような意識が強く表れていました。
ベッドに腰掛けて目を伏せているときは、対立までいかなくても、まだ拒絶している状態です。
しかし、「痛いことされるから
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dog_nomal.gif)
コミュニケーションの歯車が少しずつ回り始めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en2.gif)
「痛いことをされるから、怖いと思って嫌がられたんですね」
もういちど気持ちをなぞるようにして反復し、確認しました。
こちらが、気持ちを理解して受け止めたというメッセージを伝えるわけです。
『そう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dog_nomal.gif)
私のほうを見たまま、ふたたびおばちゃんは、コクリとうなずきました。
その後、身体の状態や発症の経緯についていくつかことばを交わし、自動運動でどこまで動かせるか確認しました。
この場合、話の内容はもちろん意味がありますが、ことばのキャッチボールを数多く交わすというコミュニケーションの量も大切です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0022.gif)
それによって、とにかく私という人間に慣れていただくわけです。
はじめのうち、おばちゃんからの言葉のボールはぎこちないものでしたが、数を重ねるうちに慣れてきたのかだんだんスムーズになってきました。
その頃を見計らって、また私はたずねました。
≪次回に続く≫