《Face bookより》
急性腰痛の患者さんがみえました。
安静時の痛みや、脚への痛みはないものの、
腰の曲げ伸ばしや左右へのひねりで、
いずれも背骨のまん中に痛みが出ていて、
咳をしても響きます。
腰に触れると表面から奥に熱を感じ、
おそらく関節部分への炎症を思わせる状態です。
炎症が起きている時は、その部分への刺激は基本的に禁忌。
でも状態によっては、まったく手出しができないわけではありません。
今回のケースなら、患部に負担をかけている周囲の状態を変えるようにしました。
殿部やわき腹、背中、首などにみられたコリをほぐし、
動きが悪くなった関節を動かせるようにします。
すると、起き上がる瞬間に少し痛みがあるものの、
曲げ伸ばしやひねりを加えても、さらに笑っても痛まなくなりました。
腰に触れると表面の熱感は少なくなっていますが、奥には残っているようです。
おそらく表面は充血により熱が出ており、循環が回復することによってそれが排出され、温度が下がったたのだろうと思います。
このように炎症と思われたのが、実は充血だったというケースは時々みられます。
起き上がりで体重がかかった瞬間に痛みが出たのは、残っていた関節周囲の炎症部位を刺激したためでしょう。
痛みがずいぶん楽になって、患者さんは不思議な顔をされ首を傾げています。
そこで私は説明しました。
「ズボンに穴が開いた時、そのズボンがピチピチだったら、動くたびに穴は引っ張られて大きくなりますが、
ユルユルならゆとりがあるので、穴は引っ張られないからそれ以上は大きくなりにくいでしょう。
身体も同じで、カチコチだったら少し動いても傷口にさわって痛みますが、
柔軟性があれば傷口にかかる負担が少なくなるので痛みも少なくなり、自然な経過で良くなりやすいですよ。
私の仕事はピチピチのズボンの生地を伸ばして、適度にユルユルにすることなんです。」
患者さんは納得されたようで、しきりにうなづいていました。
このように炎症だからといって、何もできないわけではありません。
それは椎間板ヘルニアや分離すべり症、脊柱管狭窄症という診断がついていても同じ。
患部にかかる負担を減らす工夫をすることによって、
苦痛を和らげ、より速やかな回復へ導くことが可能な場合があります。
とくに症状が長引くことにより、慢性化することを防ぐというのは大きな意味があると思います。
もちろん程度があって、激しい炎症ならすぐに改善するというのは難しいでしょう。
患部を冷やして安静を保ちながら、痛み止めで嵐が過ぎるのを待つという方法が望ましい場合もあります。
場合によっては手術が必要なケースだってあります。
ただ、自分たちにできること、私の場合なら手技療法で出来ることはないか考えること。
自分の守備範囲を確実に守りながら、その範囲を少しずつ広げていく努力をしていくことは大切だと思います。
ちなみに患者さんによっては動けるようになると、炎症が残っているのにドンドン動いて再発させてしまう方がいます。
そのようなタイプの方には、数日は大事に使うように念を押しておくか、
自覚を促すための手段として、同意の上であえて少し痛みを残しておくこともあります。
すべてがケースバイケースで、即興の対応が求められるところに臨床の面白さがあるのでしょうね。
急性腰痛の患者さんがみえました。
安静時の痛みや、脚への痛みはないものの、
腰の曲げ伸ばしや左右へのひねりで、
いずれも背骨のまん中に痛みが出ていて、
咳をしても響きます。
腰に触れると表面から奥に熱を感じ、
おそらく関節部分への炎症を思わせる状態です。
炎症が起きている時は、その部分への刺激は基本的に禁忌。
でも状態によっては、まったく手出しができないわけではありません。
今回のケースなら、患部に負担をかけている周囲の状態を変えるようにしました。
殿部やわき腹、背中、首などにみられたコリをほぐし、
動きが悪くなった関節を動かせるようにします。
すると、起き上がる瞬間に少し痛みがあるものの、
曲げ伸ばしやひねりを加えても、さらに笑っても痛まなくなりました。
腰に触れると表面の熱感は少なくなっていますが、奥には残っているようです。
おそらく表面は充血により熱が出ており、循環が回復することによってそれが排出され、温度が下がったたのだろうと思います。
このように炎症と思われたのが、実は充血だったというケースは時々みられます。
起き上がりで体重がかかった瞬間に痛みが出たのは、残っていた関節周囲の炎症部位を刺激したためでしょう。
痛みがずいぶん楽になって、患者さんは不思議な顔をされ首を傾げています。
そこで私は説明しました。
「ズボンに穴が開いた時、そのズボンがピチピチだったら、動くたびに穴は引っ張られて大きくなりますが、
ユルユルならゆとりがあるので、穴は引っ張られないからそれ以上は大きくなりにくいでしょう。
身体も同じで、カチコチだったら少し動いても傷口にさわって痛みますが、
柔軟性があれば傷口にかかる負担が少なくなるので痛みも少なくなり、自然な経過で良くなりやすいですよ。
私の仕事はピチピチのズボンの生地を伸ばして、適度にユルユルにすることなんです。」
患者さんは納得されたようで、しきりにうなづいていました。
このように炎症だからといって、何もできないわけではありません。
それは椎間板ヘルニアや分離すべり症、脊柱管狭窄症という診断がついていても同じ。
患部にかかる負担を減らす工夫をすることによって、
苦痛を和らげ、より速やかな回復へ導くことが可能な場合があります。
とくに症状が長引くことにより、慢性化することを防ぐというのは大きな意味があると思います。
もちろん程度があって、激しい炎症ならすぐに改善するというのは難しいでしょう。
患部を冷やして安静を保ちながら、痛み止めで嵐が過ぎるのを待つという方法が望ましい場合もあります。
場合によっては手術が必要なケースだってあります。
ただ、自分たちにできること、私の場合なら手技療法で出来ることはないか考えること。
自分の守備範囲を確実に守りながら、その範囲を少しずつ広げていく努力をしていくことは大切だと思います。
ちなみに患者さんによっては動けるようになると、炎症が残っているのにドンドン動いて再発させてしまう方がいます。
そのようなタイプの方には、数日は大事に使うように念を押しておくか、
自覚を促すための手段として、同意の上であえて少し痛みを残しておくこともあります。
すべてがケースバイケースで、即興の対応が求められるところに臨床の面白さがあるのでしょうね。