今回は手を離す時の情報を、触診として活用する例についてのお話です。


ここでお伝えしたいのは、触れて力を加えて押していき、力を緩めて手が離れる、このすべてのプロセスを大切にしてみては?ということ。
はじめのうちは触れることで手一杯かもしれませんが、慣れてくれば処理できる情報も増えてきます。
そうなってきたら手を離すときに感じることも、さまざまな情報の中のひとつとして役に立つでしょう。
例えば、組織が虚脱した状態は、麻痺なら一定の広い範囲にわたって起こるのでわかりやすいのですが、ごく軽度の部分的な筋肉の損傷でもみられます。
損傷が軽度の場合、ダメージを受けた組織の浮腫はさほどでもなくても手をかざすと熱感があり、収縮できなくなって力が抜けている状態になっています。
触診すると虚脱しているためか、周囲の組織よりわずかに凹んでいるような感触を覚えます。
そして、手を離したときは弾力性がなく、抵抗感がすぐに抜けてしまいます。
反対に、損傷を受けた周囲の組織は筋緊張が強まっていることがあります。
そうなると、手を離したときの抵抗感も強い。
緊張は傷めた組織を保護するためなのかもしれませんが、筋緊張によってかえって痛みが強くなることもあります。
このような時、損傷した部分への直接的刺激はもちろん禁忌ですので、そこは外して緊張している部分にアプローチし、組織をリリースさせておくこともあります。
それによって症状を緩和させるわけです。
保護したい損傷部位と、リリースさせておきたい緊張した部位を細かく識別するため、さまざまな角度からより多くの情報を得たい。
そのために、手を離す時の情報も無駄にしないというわけです。
余談ですが、組織が局所的に虚脱していると言われると、慣れない方は難しく聞こえるかもしれません。
けれども緊張した組織があると、虚脱した損傷部位とのコントラストがよりはっきりします。
そのため、かえって損傷部位を感じとりやすくなります。
その部位だけを触診してわからなくても、周囲と比較することでよりピンときやすくなるわけですね。
では周囲の緊張が強くないときはどうするのか?
あくまで参考までにですが、通常は「異常を探す(おかしいところを探す)」という意識で触れると思います。
そこを反対に、「正常でないところを探す(ふつうでないところを探す)」という意識を持つと、わかりやすくなることがあります。
自分になじみやすいほうを用いるとよいでしょう。
次回は、関節可動性検査での場合をお話しします。
次回は4月5日(土)夕方に更新予定です。


ここでお伝えしたいのは、触れて力を加えて押していき、力を緩めて手が離れる、このすべてのプロセスを大切にしてみては?ということ。

はじめのうちは触れることで手一杯かもしれませんが、慣れてくれば処理できる情報も増えてきます。
そうなってきたら手を離すときに感じることも、さまざまな情報の中のひとつとして役に立つでしょう。
例えば、組織が虚脱した状態は、麻痺なら一定の広い範囲にわたって起こるのでわかりやすいのですが、ごく軽度の部分的な筋肉の損傷でもみられます。
損傷が軽度の場合、ダメージを受けた組織の浮腫はさほどでもなくても手をかざすと熱感があり、収縮できなくなって力が抜けている状態になっています。

触診すると虚脱しているためか、周囲の組織よりわずかに凹んでいるような感触を覚えます。
そして、手を離したときは弾力性がなく、抵抗感がすぐに抜けてしまいます。
反対に、損傷を受けた周囲の組織は筋緊張が強まっていることがあります。

そうなると、手を離したときの抵抗感も強い。
緊張は傷めた組織を保護するためなのかもしれませんが、筋緊張によってかえって痛みが強くなることもあります。
このような時、損傷した部分への直接的刺激はもちろん禁忌ですので、そこは外して緊張している部分にアプローチし、組織をリリースさせておくこともあります。
それによって症状を緩和させるわけです。
保護したい損傷部位と、リリースさせておきたい緊張した部位を細かく識別するため、さまざまな角度からより多くの情報を得たい。
そのために、手を離す時の情報も無駄にしないというわけです。

余談ですが、組織が局所的に虚脱していると言われると、慣れない方は難しく聞こえるかもしれません。
けれども緊張した組織があると、虚脱した損傷部位とのコントラストがよりはっきりします。
そのため、かえって損傷部位を感じとりやすくなります。
その部位だけを触診してわからなくても、周囲と比較することでよりピンときやすくなるわけですね。

では周囲の緊張が強くないときはどうするのか?
あくまで参考までにですが、通常は「異常を探す(おかしいところを探す)」という意識で触れると思います。
そこを反対に、「正常でないところを探す(ふつうでないところを探す)」という意識を持つと、わかりやすくなることがあります。
自分になじみやすいほうを用いるとよいでしょう。
次回は、関節可動性検査での場合をお話しします。
次回は4月5日(土)夕方に更新予定です。